佐藤史朗(Shiro Sato) PART2

 現在上演中の舞台「憑神」や映画「呪怨」等の音楽監督、また、アコーディオンユニット「プラネタリウム」でも活躍中の、
 佐藤史朗さんのロングインタビュー。その2。


(2007年8月31日/momentにて/インタビュアー:TERA@moment)





 佐藤史朗 (Shiro Sato)

  Talk&Interview #58
 
  


    
 佐藤史朗 (Shiro Sato) インタビュー PART2

そのころハードディスクレコーダーというのが手頃な値段で出始めたんですよね。榎本君がローランドのVS−880という8トラックのハードディスクレコーダーを持っていて、練習しながらときどき録音してたんですよ。そんなことしつつ、彼は別のプロジェクトでそのハードディスクレコーダーを使って、自主制作アルバムをつくったりもしてたんです。そんなこんなで、「プラネタリウム」もCD作ろうということに。

TERA(以下:T):では、PART2、宜しくお願いします。

佐藤史朗 (以下:S):宜しくお願いします。


T:映画の『呪怨』はどういう流れで音楽をやることに?

S:『呪怨』はね、どういう流れだったんだろう。

T:あれ、ビデオでしたっけ、最初何か映画じゃなくて。

S:最初、ビデオです。そう。ビデオ版が、ホラーおたくの間で割とマニアックな人気があって、

T:話題になったやつですよね。

S:何かそうらしいんですね。僕はそれには関わっていないんです。で、劇場用映画をつくるっていうことになって、知り合いの音楽プロデューサーが声をかけてくれたんですね。結局、『呪怨』、『呪怨2』って2本やった。

T:で、ご自身のアコーディオン・ユニット「プラネタリウム」はいつぐらいから?

S:98年だったと思いますね。

T:最初のきっかけは?

S:きっかけは、相棒の榎本高くんというベーシストが、何かやろうよ〜って。彼は高橋研氏の人脈の中の1人だったんですが、中村あゆみのバンドにいたりして。で、ときどきレコーディングなんかで顔を合わせたりしていたんですが、元C-C-Bの関口誠人というアーティストのツアーバンドで一緒になったんです。実はそのころはまだアコーディオンなんて全然やってなかったんですよ、僕。アコーディオン弾くようになるなんて自分でも思っていなかった。そんな感じだったんですが、その後ひょんなきっかけでやり始めることになるんですけど、ある飲み会で榎本君と顔を合わせたとき、今アコーディオンやってるんだって話をしたら、翌日彼から電話があって「暇だから一緒にやろうよ」っていうことになって、それで始まったんですね。

T:それは最初曲づくりみたいなものから始めるんですか?

S:最初はオリジナルというよりは、2人で何ができるんだろうっていうような手探り状態で、できそうな曲をそれぞれ持ち寄ってどうだろうみたいな感じでやってみたりしたんで、最初は特にオリジナルかどうかは気にせずはじめたんです。僕はアコーディオンやりはじめたばかりで、この楽器でどんなことができるかさっぱり分からないし、うまく弾けないし。で、何かいろいろやってるうちにオリジナル曲もつくるようになってきたんだと思います。

T:ライブもやってるんですよね?

S:ライブはね、最初にCDつくったのが、99年なんですけど、CDつくって、じゃあライブもやりたいよねっていうことになったわけですが、さまざまな問題が実際に演奏するとなると出てきて、2人だとちょっともたないということで、最初はパーカッションを入れたんですよ。で、パーカッション、ベース、アコーディオンという3人編成でライブをやり始めたのが、ちょうど2000年です。

T:ちょっと戻るんですけど、そのアルバムの制作経緯みたいなものっていうのは、どんな感じだったんですか?

S:プラネタリウムの?

T:はい。

S:制作経緯は、そのころいわゆるハードディスクレコーダーというのが手頃な値段で出始めたんですよね。で、榎本君がローランドのVS−880という8トラックのハードディスクレコーダーを持っていて、それで練習しながらときどき録音してたんですよ。それで、そんなことしつつ、彼は別のプロジェクトでそのハードディスクレコーダーを使って、自主制作アルバムをつくったりもしてたんです。そんなこんなで、プラネタリウムもCD作ろうということになった。

T:録音はどんな感じで進んでいったんですか?


S:そのころは、彼はVS−880を使ってて、僕は家でA−DATっていう録音機を使っていたんですね。で、録音のやり方は、榎本くんが自分の家でベースを先にVS-880に録音して、そのVSを僕の家に持ってきて、録音済みのベーストラックを僕のA−DATに入れて、アコーディオンを入れ、必要に応じてシンセ入れたりギター入れたりして、みたいな、そういうやりとりで最初はつくってったんですね。

T:で、新しいアルバムが去年。

S:はい。4枚目のアルバムで『No Border』というタイトルです。これはスタジオでドラムとギターを加えた4人編成で録りました。いちおう2年に1枚ぐらいのペースで作ってますね。

T:じゃあ、つくるたびにライブをやってっていう感じですか?

S:ライブは、つくるたびというか、割と定期的にやってるんですよ。3か月に1回ぐらいというペースで。

T:よくやってる場所は?

S:一番やってるのは吉祥寺のマンダラ2。あとは青山のマンダラ、それに三軒茶屋のグレープフルーツムーン。

T:じゃあ、その3か所で割とコンスタントにやってる感じですか。

S:そうですね。はい。

T:なるほど。で、プラネタリウム以外のサポートとかっていうのは、最近そういうのは何かあるんですか?

S:最近はあんまりないんですけど、去年、加藤いづみさんのツアーをやりましたね。それは、プラネタリウムでやったんですよ。加藤いづみwithプラネタリウムといった、サポートなんだけどプラネタリウムのコーナーもありと感じで。プラネタリウムっていうユニットの場合は、僕はアコーディオンを弾くって決めてるんですけども、しかし加藤さんのサポートにあたってはピアノも必要だということになり、そのツアーのときにはピアノとアコーディオン両方弾きました。あと最近はサポートみたいなのはやってないな。

T:今回、銀次さんの30周年ツアーの第2弾、スターダストシンフォニーに参加されるということで、最初は銀次さんからどんな話があったんですか?

S:もう、すっごい久しぶりの電話で、元気? 何やってる? みたいな。銀次さんがツアーをやらなくなってプロデュース中心になってからは、ときどきレコーディングで呼んでもらったりとかはしてましたが、一緒に音を出すことはあまりなくて。最後にやったのはいつだったんだろうな。何のときだったんだろう。たぶん7、8年は会ってなかったと思いますよ。で、何年か前にね、プロデュースしてる人のライブやるんだけど手伝ってくれないかなっていう話があったんですよ。ただ、ちょっとスケジュール的にできなくて、実現しなかったんです、そのときは。それで、ずっと間があって、今回久々にっていうことですね。

T:11月は神戸−岡山−広島−福岡と旅行ですね。12月6日が横浜。あと12月24日、「moment christmas session 2007 "Winter Wonderland ! "」っていうイベントには銀次さんのサポートだけじゃなくて「プラネタリウム」としても出ていただく事に。

S:はい。

T:前回のツアーは割と関西のほうがガーッツと盛り上がったんで、もうちょっと西に行こうっていうことで今回は割と西をメインという形で。神戸から福岡までが多分車になると思うんですよね。神戸−岡山、岡山−広島、広島−福岡が多分バス移動になって、それ以外は新幹線か飛行機かっていう感じだと思うんですけど。楽しみですね。

S:ね、ほんとうに。去年回った加藤いづみさんのツアーもね、車移動がたくさんあって、割と似た感じですよ。名古屋まで車で行きましたし。仙台も車で行った。

T:最近の活動はどんな感じですか。演劇がメインですか?

S:9月4日初日のお芝居があって、この夏はその音楽制作をずっとやってたんです。

T:何というお芝居なんですか?

S:新橋演舞場の「憑神」。中村橋之助さんが主演の。新橋演舞場っていうと何だか古くさくて渋いイメージですが、このお芝居はものすごく斬新な内容で面白いです。セットも大がかりで豪華だし、小劇場系の役者もたくさん出ていて、劇場のイメージとは違う非常に斬新なエンタテインメントですよ。時代劇なのに、音楽はレゲエだし。

T:この演出の方っていうのが。

S:そうです。G2さん。

T:なるほど。

S:7月の末ぐらいから、もうこれに掛かり切りでした。

T:大作ですもんね。何曲ぐらいつくるものなんですか、1つの舞台で?

S:20曲ぐらいですかね。いわゆるMナンバーっていう通し番号を脚本に沿ってずっと振っていくんですけど、それは32ぐらいあったと思いますが、同じ曲を流用したりとかするんで、20曲ぐらいかな。

T:憑神。9月4日から26日までですね。

S:はい。その後、大阪でも上演されます。

T:楽しみですね。

S:楽しみですね。

T:今、何かほかにも進んでる話とかってあるんですか?

S:今は……

T:ちょっと休憩みたいな。

S:休憩ですね。あと、今度は、この秋はプラネタリウムですね。

T:もう日程決まってるんですか?

S:11月5日にライブやるんですよ。

T:どこですか、場所は?

S:今回は吉祥寺のマンダラ2。だから、銀次さんのライブとプラネタリウムで、この秋冬はライブにちょっと重点を置いてっていう感じですかね。

T:わかりました。今後、何かやりたいこととかって、今やってること以外に何かあるんですか、野望みたいな、展望みたいな?

S:プラネタリウムを何とかしたいなっていう、野望とかっていうよりも希望ですかね。実は、ヨーロッパでCDがリリースされるんですよ。10月5日発売だったかな。

T:4枚目の『No Border』がですか?

S:いや、1枚目から4枚目までの中から13曲をピックアップして、だからベスト盤みたいな状態で。ドイツのレーベルから全ヨーロッパへ向けて出ます。hypertension musicっていうドイツのレコード会社のホームページ見ると、ニューリリースってもう出ています。

T:すごいですね。それ、どういう経緯だったんですか?

S:それはですね、海外の楽曲を多く扱っているとある音楽出版社、つまり著作権を管理する会社に知り合いがいて、プラネタリウムを聴いてもらって、海外でリリースできないですかねってちょっと聞いてみたんです。そしたら、う〜んどうかな、だめだと思うよとかって言われたんだけど、一応可能性を探ってみると言われて。で、しばらくしたらドイツの著作権出版社で興味を持った人がいたっていうことで。

T:急遽決まってって感じですか?

S:急遽じゃないですね。もう何やかんやで1年半ぐらいたってるんですけど。


T:それも何かこれからの展開が楽しみですね。

S:できればヨーロッパとか行ってできればいいなと思ってるんですけど。

T:ドイツツアーですね。ヨーロッパツアーですね。

S:どうなるかわからないんですけど。

T:何か映像みたいなのはあるんですか、このプラネタリウムって?

S:映像はないんですよね。

T:ないんですか。なるほど。今度、コラボレーションできたらいいですね。

S:もう、ぜひ。ほんとに。

T:楽しみですね。了解です。じゃあ、そんな感じで。あと、言い残したこととかって何かありますか。大丈夫ですか。

S:大丈夫です。

T:ありがとうございました。

S:ありがとうございました。

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