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about moment moment 概要 (DVD/「モーメント ストリングス」etc.) |
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momentと交流のある方々へのインタビュー
#90
Talk&Interview
小弥祐介(moment Strings)
「moment Strings」ヴィオラ奏者兼アレンジャーの
小弥祐介さんへのトーク&インタビューです。
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momentに関連したミュージシャン、バンド等を紹介します。
#90
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特集:moment Strings
ノンジャンルの弦楽アンサンブル。
様々なアーティストとのコラボなどを展開中の、
<モーメント ストリングス>の特集。
7/30「丸の内カフェ」Sマックイーントリビュート開催!
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#90 CLIP:「月刊:杉 真理」2010年7月号 CLIP:「moment SUMMER SESSION 2010」 CLIP:「Picasso / Picasso Video Archives Vol.3」 連載コラム:TERA'S SOUNDTRACK REVIEW #90/ 「ガールハント」 |
short films |
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小弥祐介 (moment Strings)
「moment Strings」ヴィオラ奏者 兼 アレンジャーとして活動中の小弥祐介氏、momentのTERAとのトーク&インタビューです。
(2010年6月某日/momentにて/インタビュアー:TERA@moment)
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小弥祐介
(Yusuke Koya) インタビュー (2010 Summer) Talk&Interview
#90 |
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小弥祐介インタビュー (2010 Summer) |
TERA(以下:T):それでは、宜しくお願いいたします。
小弥祐介(以下:K):宜しくお願いします。
T:まずそもそも「moment Strings / モーメントストリングス」の成り立ちからお話していきたいのですが。。かれこれ2年前の春になりますが。ヴァイオリン奏者で、現在は小劇場の舞台でも活躍中の山本紗由さんが、moment
websiteのショートフィルムに出演した際、監督の以降により「もう少し弦を増やしたい」というお話から全てが始まったのですが、初めてモーメントでお会いした時、憶えておりますか?
K:覚えています。山のようなDVDと、フィギュアのインパクトが凄かったので、忘れられません。(笑)
T:あーDVDとフィギュアですか。。。あー良く言われます。で、山本さんから「クラシックにかなり詳しい男が居る!」とのことで、直ぐに電話して、モーメントに来て頂いて、その先の構想について3人で色々とご相談しました。その時に、ヴァイオリンの木野裕子さん、チェロの郷田祐美子さんの名前が挙ってきまして、直ぐに4名のカルテットメンバーが揃ったわけです。皆さん、もうじき音大を卒業!というタイミングでしたね。ライブをするまでの流れの中で憶えている事ありますか?
K:そうですね。TERAさんのほうから「弦楽四重奏でライヴをやりたい」という話を伺って。それから、僕がクラシック音楽の中から、紗由さんがゲーム音楽の中から、そして寺澤さんが映画音楽の中からそれぞれ候補を持ち寄って、「これならできそう」とか、「弦で演奏してもいけそう」とか言いながら曲を絞っていきましたよね。
T:そうですね。僕も其の時点でクラシックの世界には縁がなくてですね。選曲、アレンジをふくめ、無理難題を言っていた気がします。2年前の春に「瞬間的 弦楽四重奏団」として結成しましたね。単純に<瞬間的=moment的>という意味ですが。1年間、池袋の鈴ん小屋というライブハウスで、本当にいろんなゲストの方々をお招きして沢山の競演を重ねてきて。最初の1年、鈴ん小屋での演奏活動で印象的なエピソードなどは、ありますか?
K:僕も含めて、メンバーはみんなクラシックでの演奏活動がメインだったので、ポップスの方とのセッションは最初手探りでした。でも2回目のライヴのゲストだった安部(恭弘)さんと(鈴木)雄大さんのリハが対照的過ぎて、ポップスといっても人によってやり方は様々なんだなぁと思いました。曲に関して言えば、「ファイナルファンタジータクティクス」のメドレーがひとつエポックになった気がします。あれからメドレーに「アレンジしてほしい」と言われることが多くなった気がします。作るほうは大変なんですけど。アレンジに関しては、完全に手探り状態だったので、ゲストの方との最初のリハ合わせなんかとっても緊張していたことは覚えています。あとどのくらいでアレンジが仕上がるのか自分でよくわかっていなくて、締め切り前夜に徹夜なんてこともしばしばでした。
T:最初はホント大変そうでした。まあ今でもそうですが。最近は時間的にアレンジ作業が早くなった気がしますね。アーティストの方々からの反応もすこぶる良くなってきました。アレンジした曲数も200曲は軽く超えてますしね。去年、2年目については?
K:2年目になるといろいろなことに少しずつ慣れてきて、僕もアレンジのペースも掴めてきて少し余裕は出てきました。曲が多い場合はなるべく速めに動き出すようにしていますし、ストックができてきたことも大きいですね。ただクリスマスイヴェントだけは今でも軽くトラウマ気味です。最初の年は本番前一週間の睡眠時間の合計が10時間切ってましたから。(笑)
T:演奏でも、クリスマスイヴェントは毎回、4時間弾きっぱなしという過酷なイヴェントですね。終演時にはアーティストの方々からも大きな拍手を頂いて。みんな凄いと思います。また、特撮音楽大会の「帰ってきたウルトラマンメドレー」は秀逸でしたよ。リハーサルの時、オペラ歌手の高野(二郎)さんは懐かしさのあまり泣いてましたから。今年で2年経って。まず、スティーブ・マックイーンのトリビュート。<生誕80年没後30年>というアニバーサリーイヤーもあり、実は個人的な趣味もあり(笑)ですが。マックイーンの映画音楽は、最初のライブからいくつかアレンジしてましたよね。
K:「パピヨン」は確か第一回の時から取り上げていましたよね。そして次に「大脱走」をやりました。でもこれは今とはかなり違うアレンジでした。それから「華麗なる賭け」をやり…。
T:ひとつの曲でもかなりアレンジ変化がありました。マックィーンの映画音楽アレンジ曲の中で、大変だった曲は? 演奏面で大変な曲は?
K:アレンジ自体苦心させられた、ということでは「栄光のル・マン」と「ハンター」ですね。どちらも壮大なオーケストラ曲なので弦楽四重奏に置き換えるのは大変でした。しかもルグラン作品ですから、和声も凝っていて、4パートだけではとても足りないと思いつつ演奏には無茶なアレンジにしてしまいました。演奏面で大変なのもこの2曲です。メンバーの間でもとっても評判が悪いです。(笑) よく「ブリット」のアレンジが大変だったでしょう、と言われるのですが、確かに最初に聴いたときは、これ弦だけでできるのかなー、と思いましたが、やってみると意外とすんなりできました。
T:「ブリット」に関してはジャズですからね。で、7月30日に開催する「丸の内カフェ」ライブでは、いよいよスティーブ・マックィーン映画20本越えが実現ですが。。。
K:コンプリートの暁にはギネスに申請しましょう。(笑)
T:(笑)。そして今年前半は、銀座アップルストアでのライブがメインになりました。その中で、ついに!オリジナルが!登場しましたね。まさか、小弥さんがオリジナル曲を書くとは、夢にも思いもせず。いきなり「はい!」と譜面が出来てたのに驚きました。まずは、3曲ありますが、少し曲の説明を。
K:実は去年ぐらいから考えてはいたのですが、あまりいいアイディアが思いつかず、自分には無理なのかなぁと思っていたのですが、今年ご一緒させていただいた鬼頭(径五)さんの曲のアレンジをしていて、こぼれたアイディアから組み立ててみたらようやく1曲できました。それが『Opus1』です。曲調は全然、鬼頭さんの音楽と違いますが。タイトルは作品番号1くらいの意味で、本当は何かもっと具体的なものにしてもよかったのですが、曲調が楽天的で、そこまで深いイメージとかはなかったので、いい言葉見つからず、抽象的なタイトルになってしまいました。次の『Confession』は『Opus1』の反動でできた要素もあって、曲想を固めていく途中で「告白」という言葉が浮かんで、その言葉からさらに曲のイメージを膨らまして作っていきました。「告白」という言葉自体は、ポジティヴにもネガティヴにも取れるものですが、どちらにもそこにはある種の真実性や真剣さ、深刻さがあるように思います。それがこの曲の気分と通じていると思います。ただ日本語で「告白」とすると何だか僕自身が重大な悩みでも打ち明けてるのかとも受け取られかねないと思ったので英訳してみました。そうすると宗教的な罪の告白という意味合いが強くなってしまう、とも思ったのですが、それもこの曲の気分とは重なっているので最終的に『Confession』となりました。3曲目の『酔っ払った犬の冒険』は随分ふざけたタイトルですが、曲を聴けば、あーなるほどと思っていただけるのではないでしょうか。もともと何かストーリー性を感じさせる曲を作りたいという漠然としたイメージが先にあってから作り始めました。ただタイトルが決まったのはほぼ完成してからです。この曲の初練習のときにメンバーに僕の思いついたストーリーを話したのですが、これは完全に跡付けです。
T:オリジナルが出来たという事で早速、録音を考えているのですが。暮れのクリスマス辺りまでにはシングル的に音源を並べたいとも思います。7月から録音作業開始ですね。
K:ついに音源作成ですね。弦楽四重奏という形態は、とても演奏のアラが目立ちやすいので、録音して大丈夫なのだろうか?という不安はありますが、先日のアップルストアでのライヴでよく聴きに来ていただいているお客様から「今までで、一番、弦楽四重奏らしさが感じられた」と言ってもらえたので、ちょうど頃合なのかもしれません。もちろんまだまだ未熟な部分は一杯ありますが。
T:なるほど。そして、まだ今年後半、マックィーントリビュートやクリスマスイヴェントなどが続きますが。。。
K:とりあえずはあと残り5曲のマックイーン全集を早く完成させたいですね。録音は今から楽しみのような怖いようなという感じです。クリスマスはトラウマとか言いましたが、なんだかんだで楽しみなイヴェントです。何といってもいろいろなアーティストの方とご一緒できるわけですから。今年はどんな出会いがあるのか今から楽しみです。
T:それを含め、まだ今年半分残っているわけですが何となく1年の流れは出来ていまして。そう、来年ですね、違った動きをそろそろ練ろうかなとも思います。少し変化を付けてですね。クラシック界の流れでもポップス界の流れでもない何かですね。まあ録音物という事なんですけどね。
K:そうですね。オリジナル曲はまだ作り始めたばかりで、今はいろいろな可能性を探りながらという感じですが、少しずつ今までにない何か新しいスタイルができてくればいいかな、と思います。
T:momentは常に変化していかないといけないので。最近は少し流れすぎてしまった感があるので変化をね。考えてます。また引き続き宜しくお願いいたします。
K:こちらこそ宜しくお願いします。
END>
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