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momentと交流のある方々へのインタビュー
#93 Talk&Interview
村田和人(2010 Autumn)
9月にニューアルバム「ずーーっとずっと、夏。」を
リリースしたシンガーソングライター村田和人さんの
緊急インタビューです。
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momentに関連したミュージシャン、バンド等を紹介します。
#93 music
特集:「moment Strings」
ノンジャンルの弦楽アンサンブル。
様々なアーティストとのコラボなどを展開中の、
<モーメント ストリングス>の特集。
11月18日に武蔵小山アゲインでワンマン!
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#93 CLIP:「月刊:杉 真理」2010年10月号 CD:「玉城ちはる:『前をむいて』」 DVD:「Picasso Video Archives Vol3」 連載コラム:TERA'S SOUNDTRACK REVIEW #93/ 「マックイーンの絶対の危機」 |
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村田和人 (2010 Autumn)
2010年9月15日に、ニューアルバム『ずっーーと、ずっと夏。』を発表ばかりのシンガーソングライターの村田和人さんへの緊急インタビューです。
(2010年10月某日/都内某所にて/インタビュアー:TERA@moment)
村田和人
(Kazuhito Murata) インタビュー (2010 Autumn) Talk&Interview
#93 |
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村田和人インタビュー (2010 Autumn) |
TERA@moment:(以下:T) 前回のロング・インタビュー、ありがとうございました。今回はニューアルバムがリリースになりましたので、そのアルバムを中心にお聞きしたいと思います。宜しくお願いいたします。
村田和人 (以下:M) :よろしくお願いします〜。夏が行ってしまって毎日胸が痛いですよ〜。
T:そうですね〜。で、なんと!9月15日にニュー・アルバム『ずーーっとずっと、夏。』がリリースになりました。僕も聴かせていただいていて、とっても懐かしく感じるサウンドや、夏の終わりのちょうど今の時期にぴったりのアルバムだと思います。まず、前回のロング・インタビューの流れからですが、『NOW RECORDING+』のお話まで聴かせて頂きました。このアルバムの1つ前の2009年リリースのアルバム『ずーーっと、夏。』について、教えてください。
M:『NOW RECORDING +』で初期の村田メロディーに区切りが付けられたので、次に考えたことは思いっきり夏向きのアルバムを作ろうということでした。もともとが夏が大好きで、メロディーもサウンドも自分の声でさえも夏を感じさせる使い方をいろいろと考えてきた音楽ライフでしたけど、50歳を越えても、迷いもブレも感じていない自分を発見していました。「あぁ〜若い頃好きだったものが、今でもやっぱり好きなんだなぁ〜」という素直な感覚で、ストックから曲をピックアップし、曲を新たに書き足して、ラフなデモを40曲ほど作りました。そこから10曲を厳選して、レコーディングに入ったのですが、サウンドの作り方は奇をてらわず、村田の得意なギターのアレンジを中心にあくまでも歌がよく聞こえるように、夏に聴きたい心地よさが出せるように、ということを常に考えながらの作業でした。一通りアレンジが終わって、作詞を担当してくれる1980年代からの朋友・安藤芳彦と田口俊…この2人に曲を渡して、できあがったものからスタジオで歌をじっくり録っていったのですが、作詞家陣の最高の歌詞に完全に打ちのめされてしまいました。あの1980年代の夏を今でも夢見ていたのは村田だけではありませんでした。だれもが「ずーーっと、夏。」そのもので、とてもスムーズにアルバムは完成しました。どこを切っても夏のひとコマが胸を熱くする、そんなアルバムになりました。特にビートルズの来日と少年の夏を組み合わせた「ビートルズを聴いてはいけません」や、今はいない彼女との夏の一場面を描いた「二人乗り」など、歌詞と曲と歌のバランスは今までの作品の先へ来た感じさえしました。納得の1枚です。
T:そして、今回の『ずーーっとずっと、夏。』ですが、レコーディングはどのように進められたのですか?
M:2009年の『ずーーっと、夏。』を作る前には、次はロックなアルバムでという構想がありました。歳と共に渋くなっていくなんていやだなぁ〜、と思っていて、今まで村田が「Oh, yeah!」と感じたロックのスタイルをすべて盛り込んだロック・アルバムを作る計画でした。でも『ずーーっと、夏。』がスムーズに出来上がるに従って、まだまだやりたい夏の題材が次々と現れてきて、アルバムが完成する頃にはもう1枚、夏のアルバムを作る気満々になっていました。『ずーーっと、夏。』は楽曲を中心にそれを生かすアレンジや方向性を付けていったのですけど、新作『ずーーっとずっと、夏。』では収録するものを選曲した時点で、かなりアレンジのヴァリエーションや楽器の音使いも考えました。ディストーションのギターは粗く弾いてみよう、とか、アコースティック・ギターは変則チューニング、オープン・チューニングでずっと響くように使ってみよう、とか、テンポやビートも速くできるものは速くやってみよう、とか、コーラスも前作よりたくさんやってみよう、などなど。全体的には前のアルバムより、ミディアム、アップ・テンポの曲が、若々しく、荒々しい感じを出せれば、バラードとのメリハリももっとくっきりとしてくると思っていました。歌もここまでやってくると年期が入ってきて、どうしてもビートの後ろ後ろに乗せていく傾向があるのを、あえて突っ込んで歌ってみたりといろいろヴァリエーションを付けました。歌入れの時はホント繰り返しよく歌ったなぁ。作詞陣の安藤芳彦と田口俊も前作同様、同じ「夏」を大前提のテーマとしてたくさんのヴァリエーションを見せてくれたし、ホントに作詞家の力って底知れない…何度も歌入れでグッときちゃいました。結果、アルバムが完成した頃には、村田は入り込みすぎてボロボロのカスカスの状態になっちゃいましたが、それをすべて吸い取ったニュー・アルバムは村田の代表作と呼べるものになったと思います。
T:収録曲1曲毎の解説をお願いいたします。
M:「Life is Fun」:村田、まさにこのまんまに生きています。安藤芳彦くんが作ってくれた村田の新たなテーマ・ソングです。曲自体は昨年に作ってありましたが、今回収録するにあたってサビ以外は作り直しました。山本圭右のギターがとてもいい!そして左右で荒っぽく弾かれているエレキはもちろん村田です。
「Lost Hero」:ポップな8ビートです。原曲は1980年代にBVDのCMで使われたモノです。いつかこれを夏のサウンドに仕上げようって思っていたものがやっと完成したわけです。田口くんの詞も「ビートルズ…」につながるような青春回顧シリーズ(^o^)で、学生時代に運動部にいた人には実感として思い出せるんじゃないでしょうか?
「Eternal Blue」:これの仮タイトルは「Mrs. july 2」です。そうです、今回のアルバムの基になっている路線は『Boy’s Life』なのです。リズムや質感をそのまま持ち込んで、さらにその上を目指そうと思っていました。山本圭右のギターがこれまた良い出来で、夏の夕暮れに誘ってくれます。
「R-134 波浪警報」:R-134ですから、もう湘南近辺の方にはたまらない1曲ですよねっ。安藤くんらしい湘南と夏と君と思い出が交錯する絵が次々に浮かびます。最初はバンド・ヴァージョンのようにロック・テイストでアレンジしていたのですが、どうしても気に入らなくて、最後の最後に歌以外の演奏を全部消して、もう一度作り直しました。湘南の路上で歌ってるイメージで楽器を録り直し、ギターにパーカッションでざっくりと仕上げました。
「鎌倉散歩」:村田の大好きなコード進行とテンポ感。ポップ&トロピカルは村田の一番お気に入りの世界で、100匹目のドジョウでも村田はおいしくいただけます(^o^)。例によってこれも湘南地区、探索の旅です。前作に収録した「少年サイダー」にも登場したウェンディー君も再登場しているということは、「少年サイダー」の登場人物のその後を描いているのです。村田はこれもなんかグッときちゃいました。
「堕落の夏」:今回はいろいろなところで変則チューニングを使っています。この曲も左右でずーーっと鳴っているアコギはオープンDチューニングにしています。変則にすると鳴らしておきたい音が開放でずーーと響いてくれたりします。この曲はそれがアレンジの骨格になっています。シンプルだけど強いラヴ・ソングです。なんとなく1980年代に田口・村田で作った「Moon Birds」へ繋がって行きます。
「Once Upon a Time in "Jyo-Ji" Town」:さあ箸休めというか、気分を変えるというか、リラックスするというか、たま〜に作るラグ・タイムっぽい曲です。『Boy’s Life』で言えば「Tokyo Transfer」ですネッ。吉祥寺がテーマなんて、いかしてます。アマチュア時代は吉祥寺のライヴ・ハウスでもレギュラーでやってましたから…。んんん、「車の陰でキス…」のところなんかグッときます。このコーラスは好き勝手に歌ったものを後から3声にしました。
「夏が終わらないうちに」:サウンドはちょっとR&Bを意識してみましたけど、結局はロックな方向に。村田がヴォーカル・レッスンをしている生徒の作品なんですが、とても気に入って今回自分のアルバムで取り上げました。曲もとてもよいと思いますが、村田、歌詞も好きなんですよ〜。女の子の目線の詞なのでかわいい表現があるのですが、タイトルを「Girl’s Life」にすれば良かったなぁ〜、と今になって思います。
「Rin-Tin-Tinにはなれない」:前作に収録の「少年サイダー」は3曲のメドレーで成り立っていましたが、この曲も元々はサイダーの歌の1つだったのです。他の3曲とはリズムが違うので選からもれましたが、シャッフルの曲がやりたかったので、サビを新たに付け足して1曲にしました。今までの村田にはないテイストの曲だと思います。ちょっとレイドバックしたメロディーで1960年代のポップ・ミュージックのようです。安藤くん、田口くんは2人とも犬好きのようですね〜。もちろん村田も大好きですけど…。
「High School Band」:郡山の専門学校からイメージ・ソングを頼まれて、躍動感と力強さを第一に作った曲です。図らずも今までの村田の発表してきた曲で一番のアップ・テンポな曲になりました。田口くんの歌詞は青春回顧シリーズに徹していますが、形を変えて連打されてもグッと来るモノは来てしまうわけです。毎回毎回、この2人の作詞陣にはやられっぱなしだぁ〜。
「風の街角」:この曲もアコースティックを変則チューニングして音を鳴らし続けています。ソロも村田が弾いています。ストリングスも村田がシンセでダビング。この曲の歌入れではずーーーっと、グッと来たまま歌っていました。泣きそうでした。
T:ありがとうございます。それで、アルバム・タイトルは、どのように決まったのですか?
M:前回もライヴ中にファンから提案されて決定したのですけど、今回も同じです。
T:ジャケットの写真(イラスト)がとても素敵なのですが、これは、どこで撮影されたのですか?
M:三浦半島の三崎口の海岸で撮影したものを基に、イラストにしてもらいました。バック・カードにはログハウスのオーナーの私物のピックアップ・トラックなんかも写っていますが、これもいい雰囲気を作っているでしょ?夕暮れの海も、ログハウスも、ネコさんも素晴らしい味付けでした。
T:いい感じです。村田さんは、年間、かなりの数のライヴ展開をしていらっしゃいますね。今年秋以降もライヴがたくさんあると思いますが、おすすめのライヴ、教えてください。
M:やはり目玉は、12月の村田バンドでのツアーです。アルバム・コンプリート・シリーズ第3弾は村田のサード・アルバム『MY CREW』をコンプリートしますし、その後は今回のニュー・アルバムをたっぷりと、最後はおなじみの盛り上がりの曲をテンポ良くガンガンとお送りします。
T:楽しみですね!今年は、アロハ・ブラザース(杉真理&村田和人)の新譜『世界のアロハ・ブラザース』もありましたね。このアルバムについて、また今後の活動などありましたら教えてください。
M:このアルバムを世に出してくれたのは奇跡、または神の仕業だと思っています。純粋に音楽とその世界をひとつずつ丁寧に再現できました。恐らくこの先このようなコンセプトのアルバムは出ないと思います。アロハ・ブラザースとしては今後、1年に一度のレギュラー・ライヴを行う予定です。
T:話は変わりますが、今、音楽以外で、凝っている事はありますか?
M:生活の中で続けているわけではないですけど、空と雲を見るのが習性になっています。ただ呆然と心を奪われちゃうのは、今年のあの激しい夏からでした。ピーカンの空を見上げ、陽に際立つ白い雲を毎日見ては、ニッカニッカの顔をして「ウッシャ〜!」と小さくつぶやいていました。それから空と雲から目が離れません。
T:なるほど。あと、最近観た映画などありましたら、教えてください。
M:映画、演劇はほとんど見ませんけど、ミュージック・ビデオはよく見ます。最近はFoo Fightersのビデオを見ては、1人で「Oh, Yeah!」しています。
T:では最後に、今後の活動について、教えてください。
M:まずはライヴです。バンドでも1人でも杉真理くんとでも、とにかくたくさん全国を回りたいと思っています。今まで行けなかった街にも1人で足を伸ばします。村田のブログ、ホーム・ページのチェックを欠かさないでくださいネッ。そして村田を見たいと思っているんでしたら、一度村田にコンタクトしてください。その街に行けるよう村田と一緒に相談しましょう!来年は100本を越えたいと思ってます!
T:期待しております。また次のタイミングでのインタビューも楽しみにしております。今回もありがとうございました。
M:ありがとうございました!
end>>>
村田和人オフィシャル・ホームページ「I am Kaz!」
http://www010.upp.so-net.ne.jp/i-am-kaz/index.html
村田和人オフィシャル・ブログ
http://d.hatena.ne.jp/KAZ_MURATA/
タイトル:『ずーーっとずっと、夏。』村田和人 |