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野獣死すべし 里見八犬伝 愛情物語 夜叉
それから キッチン 月はどっちに出ている 共犯者

TERA:続いて『キッチン』の話に。これはどういう事から始まっているんですか?

今村:『キッチン』は何から始まったんかな?どっちにしても森田監督とは『それから』『愛と平成の色男』そしてこれ。そうそう『それから』の時に、これは森田監督じかに聞いたわけじゃないんだけれども『愛情物語』とあともうひとつ薬師丸ひろ子ちゃんの『メインテーマ』が併映だったの。で、森田監督が観て「負けた。」と。『愛情物語』に。その一つの大きい要素は美術だ!と言う訳よ。で今村さんとやらなきゃいかんと、、。

TERA:まず本を読んだ時にどう思いましたか?

今村:原作読んで。あっいい話だなー。上手く料理できるなー。誰がでるのかーってね思っていたんだよ。で、もろもろキャスティングが決まりつついったわけだよ。そんな中で僕はびっくりしちゃったのよ。背が大きすぎてさ。っというのと、台詞まわしから何からが妙。これは僕の感想なんだけれど、吉本ばななのキッチンを読んだ女の子?まー年は中学生ぐらいからOL、原作読んでて、読んでくうちに、あー私だって思うの。だけど映画見たら、あっ私じゃないと思っちゃったわけだよ。この写真は。僕もかなり温度差を感じたけどね。

TERA:セットはどうでした?

今村:やっぱり大変だった。まあ大変だったというよりね。これは批判もくらってるんだけど、これは『キッチン』というんだから「キッチン」をすごい立派にすればいいなんていう間違いが見られるなんて言われちゃって、ありゃりゃって思ったんだけどね。だけど「キッチン」ていうのをどういうもので収めるのかと。システムキッチンの超いいものが入ってお料理が好きで生きがいのお母さん?ちゅうか、お父さん。という設定になってる。いわば、システムキッチンって言うと、この頃は、どういう形でそのシステムキッチンに取り組むかっていう話だったんだよ。それこそ、日本中あるいはその世界のメーカーのものはパンフレットで見たし、実際に見に行ったし相談もした。で、あるキッチンメーカーのをいくつか観てショールームのを見て「あっこれだ」って決めたのがあるんだよ。で、そこの社長に会いに行った。そしたら「うちはメーカーじゃないんだ」と。手作りなんだと。全部。そしたら一千万円くだらないって言うんだよ。そのキッチンが。で、今村さんのプランで行くと、一千五百万かかる。と言う。で。一生懸命話しているうちに社長が「わかりました!」って。で作ってくれて。いろんな形で協力してくれてね。「これだけのキッチンを入れるんだから、床は絶対、本チークにしてくれ」っていうんだよ。そんな本チークなんて使える余裕なんかないのこっちは。そしたら、「原価で私いれますから」って社長が言って入れてね。美術館のようになったんだよ。だから、そのバリエーションが大変だったんだよ。要するにこのキッチンと、昔おばあちゃんのキッチンと自分らが新生活を始めるためのキッチンと。それぞれが良さを見せるというところで、大変だったかな。それとあとキッチンのコーディネート?これはキッチンコーディネートの方、くにえだやすえさんにやっていただいて、本当に助かったな。

TERA:3つのキッチンというのがキーワードになっている。

今村:そうだね。冷蔵庫とかね。それと、キッチンまわりのところ。それともうひとつそのこれは効果的にでてたとおもうけど、自然ってとこだね。ガラスを多用しててね。っていうか金魚鉢の中みたいでね。あれは渡辺三雄さんのライティングに負うところが大きいですね。ガラスはホントよく使うんだけれども。やっぱり、仕切れて向こうが見れるっていうのは映像的には得よね。

TERA:撮影期間としてはどれぐらいなんですか?

今村:まあまあのとこじゃないかな?40日とか。で、函館ロケ、それから札幌ロケ?それから日活のスタジオの、めーいっぱい使ったからね。


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↑みかげのおばあちゃんの家のキッチンのセット



↑↓みかげと雄一の新居のキッチンのイラスト・パース画




↑↓雄一の部屋のセットとパース画。





↑ガラスを多用した雄一の部屋。