杉 真理 / Masamichi Sugi


今回、moment jam session#1「We'll Meet Again」に参加していただきました、杉真理氏のインタビューです。最後に、メッセージ映像もあるので、お見逃しなく。

(2003年8月7日/世田谷momentにて/インタビュアー:TERA@moment)






杉 真理(すぎまさみち)


1954年3月14日、博多生まれ。
慶応大学在学中に結成した「リアル・マッコイズ」でコンテストに出場、これを契機に77年「マリ&レッドストライプス」でビクターよりレコードデビュー。同バンド解散後、作家活動に入り、数多くの作品を提供する。
1980年、CBSソニーに移籍。アルバム「SONG WRITER」でソロデビュー。
以降「Stargazer」「Mistone」「Symphony#10」「Wonderful Life」「World of Love」等、多くの名アルバムを発表。またソロ活動以外にも、数々の作品にも参加。中でも82年に大瀧詠一、佐野元春と発表した「ナイアガラ・トライアングルVol.2」は有名。
1988年には『BOX』を結成し、2枚のアルバムを発表。1996年『ピカデリー・サーカス』結成。
近年は、プロデュース・ワーク、DJ他、幅広い活動をしている

 

 



TERA(以下T):それでは宜しくお願いします。まず生まれから教えて下さい。

杉真理(以下 杉):生まれは1954年3月14日です。3月14日はいろんな人が誕生日一緒でして。んなこと誰も聞いてない?アインシュタイン、クイーシージョーンズ。日本では五木ひろしさんとかね、栗原小巻さん、色々いますけども。理科研進んだのはアインシュタインと誕生日が一緒だからというんで、何となく理科研に進んでしまったんですけども。まあ、クイーシージョーンズとかもいるなっというんで音楽に進んだんですけども。

T:小さい頃ってどんな少年でした?

杉:ちっちゃい頃は結構わりと落ち着きのないって。今でもそう言われますけども、家の子供見てるとそのような感じなんですけども。割りとね、でもね、ケンカっぱやくって、短気で、よく物を壊したりとか、ちっちゃい頃そういうのやっちゃったって感じですね。だから、言う事を聞かないと押し入れに入れられたんですけども、押し入れの中で「出さないと、おしっこをする!」っつって、おしっこホントにしたとかですね、押し入れを破って出てきたりとかね。それ以来、押し入れに入れられなくなったんですけど。カーテンは切ったりとか「切っちゃうぞ!」「切ってみなさい!」とか言ったらホントに切っちゃって。そういう子供でした。

T:小さい事に音楽にふれたのは?

杉:音楽というのはポップス?

T:そうですね。全般でいいんですけど。

杉:えーと、やっぱりラジオを聞いて、洋楽を聞いて「あっ!凄いな」というのが。ラジオを買ってもらったんですよ、小学校5年生の時に。それまではいわゆるポップスというのは知らなかったんですけど、その当時は『ザ・ヒットパレード』っていう番組とかで、日本語でポップスをカバーする。それはそれでなかなか良質なものだったんですけども、ちゃんとした洋楽って、元のを聞いたことがなかったんですけども。だから、『ビートルズ』っていうのもJR大森駅の、今でもある『ハラダ』っていう本屋さんでですね、ソノシートを買いましてですね。『ビートルズがやってくる!ヤア!ヤア!ヤア!』それを聞いて結構感動したんですけども。でも、ソノシートは、歌ってるのが日本人だったらしいんですよ。知らないで見て、それでもいいなと思ったら、同じ団地のアパートに住んでたお兄さんが、固いレコード、シングル盤を持ってて、その『プリーズ・プリーズミー』を聞いたら「うわぁー、これ本物?」って感じで。それでまあ『ビートルズ』に入ってったんですけども。とにかくラジオづけで、とにかくラジオのヒット曲をかたっぱしから聞いて、まあ『ビートルズ』は別格でしたけども。それでまあ、当時とにかく小学生じゃないですか。とにかくもう、わかんない事ばっかりだったんですよ。全部ラジオが教えてくれたっていうかな。今思うと、例えば『ローリングストーンズ』が、僕が聞いた時に『ハートオブストーン』っていう曲でヒットしてたんですよ。『ローリングストーンズ』で『ハートオブストーン』?「どっちがバンド名でどっちが曲名だか全然わかんねー、全然わかんない!」と思ってた時にボブディランが『ライクアローリングストーン』。「ますますわかんない、どれが歌でどれが名だかわかんないー!」みたいな感じでしたね。で、あの数年前『ストーンズ』が日本に来て、どっかのスタジオライブで『ライクアローリングストーン』をカバーしてたすごいカッコイイバージョンを聞いて、僕ん中ではようやくおさまりがついたというか。それまでにわかってましたよ、『ローリングストーンズ』っていうのがバンドだって。わかってますけど、それを聞いて「あー、子供の僕も安心した」というか、解決したと。

T:『ビートルズ』のソノシートって、『東京ビートルズ』とかそういうのじゃなくて。

杉:『東京ビートルズ』じゃなくて、もっとマイナーな。『東京ビートルズ』は『東京ビートルズ』でなかなか楽しいじゃないですか?「♪踊り明かすのよ〜」みたいな。「明かすのよ」ってなんなんだよ。

T:で、ちょっと音楽以外の話なんですけども、映画とかって初めてみたのって覚えてます?

杉:映画はね、なんか両親に連れられてね。生まれは福岡なんです、福岡で小学校2年の2学期までいたんですけども。福岡で『百獣の王ライオン』っていう、たぶんそんなような映画に連れられてったのはなんとなく覚えてます。それで、そのシーンでライオンが出てくるんですけども、あとから聞いたんですけど、僕が「お父さん、ライオンと泥棒どっち強いの?」ってデッカイ声で聞いたらしくって、会場に笑いが起こったっていう話を聞いてます。まあディズニーでも『眠れる森の美女』とか観て、すっげーなんか魔女が恐えーなーと思って、そういうのは覚えてますけども。まあ、それからは怪獣モノに夢中になり、加山雄三さんのを観、というような、普通の。でも小学校6年の時に、親父と東京の有楽座か何かで『HELP!』を観に行って。で、まあ映画なのにもかかわらず、女の子がキャーキャー叫んで。ジョンがスキーのアルプスかなんかこう降りてって、駅で「?〜?」って言うと「キャー!」っていうのを、カッコイイな?と思ったのは今でも覚えてます。

T:初めて一人で映画を観に行ったのは、いつぐらいですか?

杉:初めて行ったのはやっぱり、中学校時代。小学校の時も友達と一緒に渋谷によく観に行きましたね。『007』シリーズとか。当時『007』シリーズは小学生にとって唯一許されるエロチックな映画だったんですね。だからもっとそんなにエロチックじゃないのでは、でも基本的にはすごい色っぽいじゃないですか。それとか『震えて眠れ』なんていうスリラー映画。『ハッシュハッシュスイートシャーロット』っていう歌がヒットしたんですけども。まあ、そういうのとか、結構映画は好きで観てました。あの、おふくろとかは『サウンド・オブ・ミュージック』とかそういうが、南太平洋とか好きでサウンドトラックなんかあったりしたんですけども、そういうのもおふくろが聴いてるの見て「何これ、もう。こんなかったるいの」と思って。「俺達はロックだぜ!」っつってすごい反発してたんですけども、結局まあ、そういう音楽の後になってすごい好きになって、あれは。『ビートルズ』ん中に、そういう要素が出てきたりしたんで「あれ?もしかしたらこれはミュージカル映画と共通点があるな」と思って随分こうやっているうちに、『ビートルズ』は実はそういう映画とかが詳しかったっていう事の事実を知ったっていうのがあります。

T:杉さんの楽曲の中で映画を元にしたっていう楽曲は多いんじゃないかな?と。

杉:そうですね。例えば『セリーナ』っていう映画は『スクープ』っていうサリーフィールドの女性の新聞記者の。ポールニューマンが出たやつ。あれのサリーフィールドの女性記者っていうのをモデルに書いた歌なんです。まあ、最後のセリフは竹内まりやがやってくれたんですけども。結構そういうの多いかもしれない。

T:ちょっと最近の話なんですけども、最近観た映画で面白かった映画は?

杉:面白かったのは『愛してる 愛してない』っていうフランス映画だったんですけども。『アメリ』の女の子が出てて、すごく新聞に出てて「あっこれ観たいな」と思って最終日に行ったんですけども、なかなかほら時間が合わなくて、こういう仕事やってると逃しちゃうんですけども。すごく男のお医者さんに焦がれちゃう女の子と、その女の子から見たお話がずーっと続いてくんですけど。実はその、一部・二部・三部って分かれてて、二部で医者から見ると全然ストーカーなんですよ、その女の子は。で、最初は不倫してる恋人同士かなと思ったら実はストーカーで、なんのこっちゃーみたいな、すごい悪いやつだったっていう話なんですけど。でもなんかすごく明るくて画像がキレイで、面白かったなーと思います。結構ウッディアレンとか好きなんですよ。ウッディアレンて必ず音楽がいいんですよね。僕が好きなのは『カイロの紫のバラ』あれがすごく好きで。ウッディアレン必ず使われてる音楽がいいっていうのはホントに、ウッディアレン好きな『ラヂオの時間』の三谷幸喜さんなんかもウッディアレン好きっていうだけあってすごく音楽のセンスがいいなと思うんですけども、日本の映画ってどうしても「なんでー!」って。やっぱり音楽のセンスも映像のセンスも一緒だと思うんですよ。やっぱり、いい映画で音楽だけ最低っていうことは逆なんかなくて、やっぱりいい映画にはいい音楽がついてるし、やっぱり音楽がちょっとシラけると、なんかこう映画自体も「そこでこれかよー!」っていうのがあるじゃないですか。一つだと思うんですよ、映画のセンスも。だから例えば「俺は音楽のことはわかんないから任す」っていうような映画監督は信用出来ないかなって僕は思ってますけども。

T:そうですね。日本の映画って、割ともう後付けっていうか、やっぱりとってつけたようなものですからね。バランス崩れてますよね。

杉:ねー。やっぱり総合芸術なんだから、総合芸術はやっぱり音楽の占める割合がすごく大きいんで、ちょっと片寄ってる人が特に今までは多かったんで、これからはね、そうじゃなくなりつつあるのかなとは思ってるんです。。

T:映画音楽とかって興味があるんですか?

杉:そうですね。映画音楽興味あります。

T:どういう映画の音楽ですか?

杉:それはわかんないな。小林克也さんから貰ったサントラで、『ワン・フロム・ザ・ハート』コッポラの。あの映画が大好きなんですけども、トムウエイツとクリスタルゲイルがやってるやつがすごく好きで。もちろん映画も大好きだったんでサントラ貰ったんですけども。でもあの、すごく映画音楽には興味あるけれども、でも3分の音楽は、映画と同じぐらいのものじゃない?

T:そうですね。

杉:たぶん今、僕はやっぱり、その3分の方に映画と同じぐらいの何か質感と内容と情熱とアイデアとを埋め込んで3分の音楽を作る方が、今の僕にとってみると一番ですね。僕はそっちのタイプだと思うし、とりあえずそれが役目だと思ってるんで。もちろん映画音楽は興味はあるんだけど、映画音楽・ゲーム音楽みんな興味があるけれども、どっちが僕の中でメインかって言ったら、やっぱり3分の歌ん中に映画と同じようなものを入れ込むのが。ジョージ・マーティンの最後のプロデュース作品でジョージ・マーティンが『ビートルズ』のカバーをやってて、ジム・キャリーとか映画俳優とかすごい多くて。ま、あの人は映画人をメインで使ってさすがだなと思ったんですけども、最後にショーン・コネリーが『イン・マイ・ライフ』のメロディで歌詞を朗読してるんですよね。それも、すごいグッときたんですよ。でもショーン・コネリーほどの人がしゃべったのより、若僧4人で歌った方がやっぱり凄いじゃないですか。かかってるお金もきっと、その4人で作った方が安いと思うんだけど。『ビートルズ』の若僧4人でやった『ラバー・ソール』には、かなわない訳じゃないですか。その、かなわないけど近いものを作ろうとしてやってショーン・コネリーを出してきて、ようやく2番目ぐらいにいいバージョンじゃないですか。ってことはやっぱり、音楽3分間のドラマってのは如何に素晴らしいかっていうか、何億かけたら映画と同じぐらいのものを3分間で、ヘタすりゃワッってやったものが出来ちゃうというのは、その可能性があるんで。もちろん映画も大好きですけども、とりあえず今の僕のメインのスタンスはそっちの方かなと。

T:僕も流暢には英語わかんない方なんですけども、学生の頃、3分間の洋楽の曲を聴いて、良く映像が浮かんできて、後から対訳読んでみると「あれ、その通りじゃない?」みたいな、そういう力ってやっぱりありますよね。

杉:だから、人間のイマジネーション以上のものっていうのは、なかなか作るのは大変じゃないですか?ねえ?人間のイマジネーションはホントに凄い事だと思うんですよ、呼び覚まされるって。だから例えば、MTV僕も大好きだし、今でも好きなんですけれども『スリラー』がかかると、あのこれもんですよね。これも皆思い浮かべるじゃないですか。でも、もしあれがなかったら自由な『スリラー』が皆イマジネーションで絵が浮かぶと思うんですけど、あれはやったおかげで確実的になっちゃう。だから、曲を細くしたりイマジネーションをもっと刺激したりするにはすごく適してるかもしれないけども、イマジネーション固定しちゃうとやっぱり面白くないなーと思うんですよね。ポールのライブ観てても前回来た時思ったんですけど、前々回かな、やっぱりポールが自身がある曲はあんまり映像とか凝ってないんですよ。ただ、新譜であまりクオリティがいまいちかなっていう曲に限って、すごく映像を足してやってるんですよね。それはなんとなくわかるような気もしたんだけど。

T:杉さんのビデオで根岸さんの撮ったやつありましたよね。イメージ的な映像が良かったんですよね。

杉:そうですね。あれも勝手にやって下さいっていう感じだったので。どうぞ使って下さいっていう感じだったので。ま、映画は映画でね、あるじゃないですか。やっぱり映画も音楽も僕ん中ではもちろんメッセージとか凄く込められてるんですけども、でもエンターテイメントっていう何かこうオブラートとかなんか包まれないと観る気がしないというか。だって、例えば最近で言えば『ボーリングフォーコロンバイン』でしたっけ?あれなんかもドキュメンタリーじゃないですか。でもすごくエンターテイメントしてるじゃないですか?だから何か伝わってくるんだと思うんですよ。そのエンターテイメントの要素って言うのすごく、僕、個人ね。すごく大事で、説教臭いのは嫌なんですよ。僕は酔っぱらうと自分で説教臭くなる時が時々あるんで後で反省するんですけど。お説教臭いやつ?あるじゃないですか。日本でも、外国でも。「あ〜、分かったよ、分かったよ。」っていう。それはやだなと思って。

T:やっぱり映画って「見せ物」っていうか、大衆娯楽ですもんね。

杉:だって僕らだって、『ボブディラン』だって、昔から「よし、これをメッセージにしてやろう」と思ってミュージシャンになったんじゃないと思いますよ。「ギターがかっこいい」とか、「こうやったらモテるかな」っていうとこから入ってたりしたら、その楽しさが実は奥深くって、実はメッセージが含まれててっていうとこに辿りついて発展していったんだと思うんですよ。でなきゃ、政治家になってると思うし。だから、それをついつい忘れちゃうと説教臭くなるじゃない?

T:またちょっと話が変わりますけれど、ライブについてなんですけれど。今まで色んなライブをやられてると思うんですけれども。杉さん的に今思い返してみて印象的なだったものは?

杉:毎回毎回ね。やっぱり違うじゃないですか。ライブって。例えば同じツアーをやっててもミュージシャンって意外と気がちっちゃいとこあって、っていうか俺かもしれないんですけど。あの、同じ冗談を言おうと思ってパッと見ると、前の席に前回いた客がいるとか、ひとり見つけると「言えない!」とかいってさ。(笑)その一人の為に「う〜ん、次はこの話題は喋れない!」とか思っちゃうところが情けないと思うんですけど(笑)。ホントに毎回生き物だし。ちょうど『ナイアガラトライアングル2』をやった直後に『ユーミン』と僕と『須藤薫さん』で『アンダーフルムーン』っていうミュージカルみたいなライブをやったんですよ。ツアーもあったんですけれども。『ユーミン』の振り付けの人がいて、曲によってはというか半数以上は僕はギターを持たないで「ギターを持たないうたう〜?」ってもう、それだけで「どうすりゃいいのよ!」みたいな感じで。「手はどこに置くのー?」みたいな感じだったんです。しかも振り付けがついて「振り付け〜!!もうフォークダンスも踊ってなかったのに!」みたいな感じだったんですよ。あれで何かちょっとこう、羞恥心もかなぐり捨てたっていうところがあって。自分なりに。ちょっと吹っ切れましたね。うん。それはすごく大きかったです。だからちょうど82年ぐらいだったかな?その『ナイアガラトライアングル2』で大瀧さんや佐野くんとやって、まぁみんなソングライターの人は、ミュージシャンは誰もだと思うんですけれども自分のやりたいもの、それから時代のお客さんが望むもの、アンド、業界のディレクターが思うものとか、こうそれぞれ違うじゃないですか?それをどうしようかなと。例えば『ナイアガラトライアングル2』でいえば『ノーバディ』っていうこの前もやった曲、あれは僕が『ジョンレノン』が亡くなったとき作った歌で、ビートルズが好きだったんだけど、ビートルズっぽい曲ってどうやったら出来るんだろう?って思ってたところ、素直にリバプールっぽいものが出来て、僕の当時のディレクターやスタッフなんかもすごく気に入ってたんだけれども、逆にこれは僕らの世代は分かるけど「今の若い連中は分からないよ」って言われて「これは『トライアングル2』に入れるのはやめよう」って言われたんですよ。「あ〜そうか」と思ってたところ『大瀧さん』が「ああ、あれはやった方がいいよ」とか言われて。「杉らしいから」って言われてやったら、まぁそれを機に、『ノーバディ』を聴いて僕を聴くようになってくれた人が若い人に多くて「あー何だ!やりたい事やった方がいいんじゃん」っていうのを、当たり前の事なんですけども分かったのがまず82年だったかな。その『トライアングル2』をやって、「好きこそものの上手なれ」じゃないけれども迷ったら、とにかく自分の好きなものっていうのを思ったのが、そのレコーディングに関して、ひとつの何かちょっと0.5歩ぐらい進んだとこ。それからライブに関してはその『ワンダフルムーン』で羞恥心かなぐり捨てじゃないけど、何かをね、ユーミンと一緒にやって分かった事があったんで、その年はすごく僕にとって得るものが大きかった年でしたね。でも、それからは自分なりに色々考えて、そうだな、いろんな事やりました。とにかくユーミンは特にお金かけてるじゃない?あんなにお金かけらんないで、まぁユーミンはお金だけじゃなくてアイデアも楽曲もよかったし。でもやっぱり自分なりっていうんで『ミストーン』のツアーはテーマが時間って事だったんで2階立てのセットにして影絵で色んな事が出来たり『ヒッチコック』の映画からヒントを得たんですよ。それから「デジャヴ」ってことをMCで話して、「昔こういうの見たことがあるなっていう感覚、デジャヴを皆さん味わったことがありますか?」っていう話をするとコーラスの『楠瀬誠志郎』ってのがくしゃみをするんですよ。「あっ」て僕がピックを落とすの。そうするとくしゃみをする訳。そうすると「何だよ。風邪ひいたのかよ」って言って「じゃ、次の曲やりまーす」って言ってやるんですけど、それがコンサートの三分の一くらいのところで。三分のニくらい進んだところで何か話しているとまた同じ話になって、その話になるんですよ。「皆さんデジャヴ体験したことありますか?」って、僕がピックを落として「ハクション」って言って「あ、お前、風邪ひいたんじゃないか?」って言ってまた同じとこから始まっちゃうていう、そういう演出とかもやったりして。で、そのくらいだったらよかったんですけど段々悪のりしてきて、毎回くだらない事を考えるようになって。一回大阪だったかな?お正月で行った時に本編が終わって、一回目のアンコールが終わった時にみんな拍手してくれて「アンコール!」って言ってくれてるんですけど、場内アナウンスが入るんですよ。「本日はありがとうございました。杉真理&ドリーマーズ、実は充電の為、ここで杉真理は3年間の休養に入らせていただきます。」って。それ言ってるの『まりや』なんですけどね。『まりや』たまたま大阪にいたんで。『達郎くん』のライブで。で、録ってもらって。で「皆様にはなんとかで〜」って袖で見てると女の人がこうやって泣いてたりなんかして「え〜!」とか言って、男の人が「大丈夫!」ってこんな感じで。そして、急に僕が出てきてマイクで「〜というのは嘘。あ、嘘。嘘。嘘。タラッタラッタ♪She loves you yeah!yeah!yeah!」ってもう、それ二度とやったら、大阪でやったらもしかしたら殺されるかな?って思ったんですけど、お正月だからいいかなってんで、そういうのやったんですけど、見てたらその女の子の肩抱いてた男の人、こんななってたんでが(泣いているポーズ)「嘘。嘘。嘘。タラッタラッタ♪」ってなったらまたこんなになっちゃて(のりのりのポーズ)立場なかったみたいですけど(笑)。結構ばかなこと散々やりました。必ずコントをやって演奏始まったり。僕。色んなことやりました。

T:最近何かハマっていることとか趣味とかは?

杉:ハマっているのはさっきも言ったんですけども、ラジオのコント。ラジオ番組を新潟でやってるんですよね、俺。『Fm Port』といういうところで。4時間番組なんです。それで真面目な音楽もやるし基本的にはメール、FAXのリクエストに答えるというやつなんですけれども。自作のコント、コントというか音楽絡みのコントをやって、あのアシスタントの女の子と。あるいはエンジニアとか ADの子も巻き添えにしてコントをやって曲がかかるという。まぁダジャレなんですけれどもそのダジャレをどうお話に結びつけるかというのを行きの新幹線でこう一人台本で書いてるわけです。そうすっと隣で寝てる振りして見てるオヤジとかいて「やだな」とか言ってこうやって隠しながら(笑)。でも一週間って本当に速いですね。すぐやってきますからそのコント。ハマりたくてハマってるわけじゃないですけどやってます。

T:きっかけは何だったんですか?最初そのコントをやる。

杉:何か、僕ね、実は『FM広島』開局当時、番組やってたまたまコントを・・・ゲストが来るんですよ。ゲストとアシスタントと僕の三人のコントを書いたんです。『村下孝蔵くん』で。そしたら結構うけて、それから来る人来る人全部、『佐野くん』もコントやりましたよ。『佐野くん』『浜省』とか絶対やんないような人がね、コントやったり。あと、『藤真利子さん』とかモノホンの人ともコントやりましたからね。(笑)。そしたらその番組、FM広島で聴取率NO.1になっちゃって、この前も二十周年で呼ばれてまたコントやったんですけれども(笑)だから、そういうのがあったんで「コントやってくれませんか?」ってんでやりだしたら好評につき、いつネタが無くなるか心配なんですけれどもやってます。

T:結局それは、曲かけのきっかけなんですよね?

杉:そう。曲かけのきっかけなんです。無制限にやるともう、たまんないんで単なるダジャレのコント。あの〜、ホントにくだらないんですけれども。「扇風機買いに行った主婦が・・・」長いんですけれども・・・色々・・・(だみ声で)「あ〜御利用、御利用」って言う店員との会話とかね。それで「どういうのがいいか?」って言うと、あっ、ホントはクーラー買いに行くんですけどね。クーラーが品切れで「扇風機がいいですよ。今はもう固定型が主流です」「固定型って首まわらないんじゃないの?」「いや、それがほら、何とかっていうロックギタリスト。ほら!あの〜元『ボウイ』の」「え?あっ、『コテイトモヤス(布袋寅泰)』?」『そ、『コテイトモヤス』も使ってる固定型!」「固定型はでも風がまわんないから、こう回った方がいいわ」「じゃ、奥さん。首振りじゃどぉ?クビフリジャドオ?『クリフ・リチャード』!!!!」みたいな。そういうやつなんですけどね(笑)。くだらないんですよ。ほんとひどいですよ。

T:(笑)それで実際、曲がかかるんですか?

杉:曲がかかるんですよ。今まで一番くだらなかったのが『星一徹』と『星飛馬』と『星明子』の「大リーグボールの切れが悪くて客が来ないんだー!」なんて言ってたら父ちゃんが出てきて「何や。何や。」「あっ、父ちゃん。いつから関西弁なの?」みたいな。「これには訳があるんやー!」みたいな感じで「ファンが来ーへんやったらゲストを呼ぶんや!」「ゲストを呼ぶとファンが来るのか?」「そうや、ゲストに『左門豊作』を呼ぶんや!」「左門でファンが来るのか?」って。「そうや、左門でガーッとファン来るでー!サイモンデガーファンクルデー!」みたいな(笑)。その後『サウンド・オブ・サイレンス』がかかる、このギャップがね(笑)。いいんですけどね。そんなような事をやってます。

T:(笑)もっと聴きたいんですけれども。

杉:はい。すみません。酔ってはいないですよ(笑)。

T:(笑)それが今の趣味という感じ?

杉:趣味じゃないんですけども

T:ハマっていること?

杉:まあ、ハマらざるをえないというか。

T:じゃあ、時間がある時は常にその事を?

杉:いや、そんなことはないですよ。例えばスタジオが終わってみんなで飲みに行った時、僕だけ飲まずに「何かない?何かない?ネタ」って言うと口から、でまかせ言う訳ですよ。「これどう?」とか言って。それを僕はこうやって書いてる訳ですよ。それを後でコントにするという。だから。結構ね、ふるとみんな考えちゃうんですよ。「何かないかな。何かないかな」ってこう。で、朝までずっと考えてきて次の日スタジオにわざわざFAXを送ってくる人とかもいるんですけど。

T:家とかでは何かやってる事とか?暇な時とかは?

杉:そうですね。やっぱり音楽聞いてますかね。ま、子供と遊んだり、犬の散歩したり、普通の事やってますね。ビデオみたり。でも何かじっとしてはいないみたいで。疲れがたまって、こないだ倒れたんですけれども。夜中の三時頃、例えば仕事とか帰ってきて、そっからエンジンが全開になっちゃう事があって。というか、それが二、三ヵ月続いて夜中の三時くらいから「うわぁー、もう盛り上がってきたぜぇ!」みたいな一人で。仁王立ちみたいな(笑)誰も相手しないんですよ(笑)。そういうのが続いて、これいつかダウンするんだろうなと思ってたら一ヵ月前にちょっと。さすがに、ダウンしました。

T:もう大丈夫ですか?

杉:だからヘルシィ〜な私を目指すことにして、なるべく早寝早起きしてるんですけれども。

T:本日は、いろいろとありがとうございました。

杉:はい、ありがとうございました。


杉真理の詳しいインフォメーションは、HPをチェックしてみて下さい。
杉真理オフィシャルホームページ→(http://village.infoweb.ne.jp/~starship/sugi/index.html)

【Discography】

『album』



SONG WRITER
1980.07.21/CSB/SONY/CSCL-1287



OVER LAP
1982.05.21/CSB/SONY/CSCL-1285



STARGAZER
1983.04.21/Sony Records/CSCL-1286

MISTONE
1983.5.21/CBS/SONY/SRCL-1835

I don't like pops(12inch)
1985.04.21

SYMPHONY#10
1985.06.21/CBS/SONY/SRCL-1836

Sabrina
1986.07.16/CBS/SONY/SRCL-3060

Have A Hot Day!
1987.06.03/CBS/SONY/SRCL-3061

Ladies&Gentleman
1989.10.21/CBS/SONY/SRCL-3177

Wonderful Life
1990.12.21/CBS/SONY/SRCL-4249


MADE IN HEAVEN
1991.06.21/Sony Records/SRCL-1948

WORLD OF LOVE
1992.06.21/Sony Records/SRCL-4251

FLOWERS
1993.06.21/Sony Records/SRCL-4252

GOLDEN J-POP THE BEST
1997.11.21/Sony Records/SRCL-4131

POP MUSIC
2001.02.21/OAK Records/OMCA-5005

DREAM PRICE1000 いとしのテラ
2002.02.20/Sony Music House/MHCL-71

STARGAZER/OVERLAP
2002.3.20/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/SRCL-5313

LOVE MIX
2002.621/OAK Records/OMCA-5011



『MARI&REDSTRIPES』

MARI & REDSTRIPES
1977.325/Victer

SWINGY
1978.7.25/Victer

Nice Pair
1982.08.21/Victer/VICL-8083



SUDO KAORU
&
MASAMICHI SUGI

ロマンティック天国
1999.07.01/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/
SRCL-4568

pop'n'RoLL PaRaDise
1999.8.4/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/
SRCL4580

pop'n'ROLL pLanet
1999.11.20/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/SRCL4726

君の物語
2000.01.01/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/SRCL-4746

最後のデート〜Last Rendezvous〜
2000.07.19/SONY MUSIC ENTERTAINMENT/SRCL-4851



『Piccadilly Circus』

Piccadilly Circus
1999.02.21/EPIC SONY/ESCB-1948



『BOX』

BOX POPS
1988.05.05/Sony Records

Jorney To Your Heart
1990.03.21/Sony Records

BOX POPS/Journey To Your heart
2002.3.20/Sony Records/SRCL-5315



『OMNIBUS』

NIAGARATRAIANGLE Vo.2
1982.3.2/Sony Records/CSCL-1662

WINTER LOUNGE
1986.11.28/Sony Records/SRCLー5494

Summer Lounge(POPS ALL STARS)
1987.06.11/CBS/SONY

CATFISH(V.A)
1991.9.21/Sony Records/SRCL-2143

Winter Gift Pops
1997.11.21/COLUMBIA RECORDS/
COCA-14666

Paradise in ASIA(ASIAN POPS ALL STARS)
1998.08.21/F-records/MFFP-0003

Gentle Guitar Dreams
(ジョージ.ハリスントリビュートアルバム)

2002.5.29/East West japan/
AMCM-10021

トーキョーシティ・ライツ vol.1
2003.3.5/POLYSTAR/MTCH-1028



「『moment jam session#1』を終えて」映像メッセージ

Message Movie

『moment jam session #1 』を終えて

メッセージムービーを見る
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(BB環境のある場所にて、お楽しみ下さい)


<info>
【LIVE】
CLUB CITTA' 15th Anniversary ピュアミュージック「秋祭り」
日 時:2003年 9月18日(木) 開場18:30 開演19:00
会 場:クラブチッタ(JR、京浜急行「川崎駅」下車)
出 演:杉 真理、村田和人、伊豆田洋之、山本英美
ゲスト:稲垣潤一
問合せ:クラブチッタ TEL.044-246-8888
ピュアミュージック「秋祭り」〜関西編〜
日 時:2003年 9月23日(火・祝) 開場17:00 開演18:00
会 場:ON AIR OSAKA
(地下鉄・阪神電車「梅田駅」下車西へ徒歩5分/JR「大阪駅」下車西へ徒歩7分)
出 演:杉 真理、村田和人、伊豆田洋之、山本英美
問合せ:SONGS.Co TEL.06-6353-6601
料金:¥5,000-
(各会場とも/税込/当日1ドリンク¥500-別途オーダー/全席自由・入場整理番号つき)
【レギュラー番組】
『新鮮音楽市場』SKY PerfecTV! Ch271 ミュージック・エア・ネットワーク
大人が楽しめる最新新譜リリース情報を毎週フィーチャー、ロック・ポップスを中心
に幅広いジャンルにわたり解説する、テレビで読む“CDレビュー”。
本放送:毎週月曜日 24:00〜24:30 ほかリピート放送あり
『杉 真理 POP'N ROLL』Fm Port(新潟県民エフエム放送・79.0MHz)
音楽あり、時に弾き語りあり、コントあり!?、恋愛相談あり…、笑ったり、マジだったりの4時間生放送!
パーソナリティ:杉 真理、高橋佳奈子
毎週土曜日 19:00〜23:00

by ken-G