プロペラ / propeller


今回、moment website shortfilm#6『野次馬音楽隊』にて、出演&音楽を担当した、プロペラのインタビューです。映像も合わせてお楽しみ下さい。


(2003年5月19日/世田谷momentにて/インタビュアー:TERA@moment)




プロペラ (propeller)

1996年活動開始。

1997年にファーストシングル『ミラクル』をリリースする。
1stミニアルバム『ホームランデイズ〜sideA〜』『ホームランデイズ〜sideB〜』を立続けにリリース、シングルも4枚リリースする。

2000年に事務所の移籍や、メンバー交代等を経て、
2001年にweb siteを立ち上げ、自らバンド運営を開始。

2002年に自らのレーベル「Spooky Tone」より、
ミニアルバム『Hydro99.99』をリリース。


なんか力強いもの、力強い音楽をやりたいなーと思って。へろへろっと頭良さげに気取ってフニャフニャしたことよりも、ガツンとやりたいし。ホントあの、ライブとか「あ、今日が最後かもしんない」ぐらいの思いでいつもやってるから。

TERA(T):それでは、まず簡単に自己紹介からお願いします。

堀之内傭平(以下 Yo):ドラムをやってます。堀之内傭平です。よろしくお願いします。

谷崎浩章(以下 H):ベースをやってます。谷崎浩章です。よろしくお願いします。

羽原裕太郎(以下Yu):ボ−カルの羽原裕太郎くんです。

千井塔子(以下To):ギターをやっております。千井塔子と申します。

T:結成のいきさつを。

Yo:遡る事7年だからなー。覚えてる人?(笑)

H:最初は別のギタリストがいて、でこの三人は(羽原、堀之内を指して)割りとよく知ってて、僕は当時『MOJO CLUB』というバンドをやってて、彼等は『ホーボーズジャングル』というバンドをやってて、何となくお互いバンドの仲(中?)がしっくりいかなくなってきて、「何か一緒に出来たらいいねー」それが発端ですよね。そして見事にお互いのバンドが駄目になりまして(笑)「じゃあ一緒にやんベーか」それで始めたのが遡る事7年前。

T:最初の活動は、ライブですか?


Yo:いや、最初のリハから曲作ってましたから。オリジナルを。

H:僕はもともとメジャーフィールドでやってたから、「すぐデビューできるバンドを作りたいな」と思って。だから地道にライブとかはあまりやってなくて、割と当時から政治力を生かしまして(笑)。デモテープを録ったりとか、メーカーにプレゼンしたりとか、そういう事を割と中心にやって。

T:一枚目のCDまでは、どのくらいのスパンになるんですか?結成して。

H:一年位。

Yo:一年ちょっと位だった。

Yu:一年かかってない。

H:うん。

Yo:最初は谷崎くん、「三ヶ月でデビューする」って。

H:いや、半年だよ、半年。

To:(笑)

Yo:ちょっと作っちゃいました。

H:若干、予定からズレ込んだので、半年ほどたって。

T:一枚目の制作過程でなんかエピソードというか。


Yu:いや、だからその、すぐデビューしようっつってて、最初のレコーディングは海外だって谷ちゃんが言って、みごと海外レコーディングをゲットしましてですね、ロサンゼルスに僕初めて飛行機に乗ったんですけど、機内食はお金払わなきゃいけないと思ってて(笑)

Yo:「すいませんビール下さい」って言って500円玉出してましたから。

Yu:ま、そんなエピソードがありつつ、なんの予備知識もなく、いろいろコーディネートしてもらったところ、ロスのバンナイズという所で、そこのレコーディングスタジオだったんですが、行ってみると『ニルバーナー』の『ネバーマインド』を作っていたり、『フリートウッドマック』のほとんどの作品を作っていたり。

Yo:そうそう。

H:『レニ−クラビッツ』も。

Yu:すげースタジオで出来て。

Yo:で、表にはハミングバードが飛んでるんですよ。パタパタと。

T:へえ〜。

Yo:そう、すごい。初めて見た。感動した。

Yu:あれが一番いい思い出でしたね(笑)。

T:プロデュースとかは?

Yu:中村キタローちゃんです。

H:うん。サウンドプロデュースっていうことで。

Yo:あと、スタン片山っていう日系の。

Yu:いやいや、ベッタベタの日本人(笑)。

Yo:大阪出身じゃんね。それのロスで活動してるオペレーターの人が一緒に共同プロデュースみたいな形でやってくれてる。

H:『レイジー(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)』とかやってる人。

Yu:グラミー賞の候補だった。

H:という、そうそうたるメンバーの中にすごいバンドが、アメリカに乗り込みまして。

Yu:ホントに政治力って素晴らしいなって思いましたよ(笑)。

H:言ったこと全部やったからね。

Yu:すごい日だなーと。

To:有言実行じゃんね。すごいじゃん。

Yu:すごいリーダーです

T:その時にはもう曲目っていうのは、かなり出来上がってました?

Yu:ああ、もう。

H:メンバー全員曲を書くから、曲はたくさんありましたね。

Yu:もう、二枚目までほとんど。ミニアルバムを、ちょっと半年おいて同じタイトルの、当時からCDだったんで『ホームランデイズ〜sideA〜』っていうのが最初出て、そっちに『ホームランデイズ〜sideB〜』ってのが出たんですけど。それはもう、ほとんど一気にとり終えてたんですけど。

T:じゃあ、二枚分一緒に制作してしまったという。


H:ま、ミニアルバムだから、普通のアルバム一枚分と考えて。

T:デビュー後なんか結果とかその辺っていうのは。

H:結果は出てませんねー、相変わらず。デビューして、割とすぐ大きいタイアップが決まって。「バーモントカレー」の方が先だったのか。

Yu:シングル最初、アニメの。デビュー曲が、デビューシングルが『ガンバリスト俊』という体操のアニメのエンディングのテーマで。タイアップづくしで。

H:で、二枚目のシングルがカレーで、その後にNTTドコモも決まって。

T:出演とかして。

H:そう。出演したですね。お茶の間進出。

T:どうですか?撮影とか。

H:あんまりやったことないことだから、面白かったことは面白かったですけどね。

Yo:でも大変だったよね、結構。なんかバタバタしてたっていうか。ふふっ。

T:出演のいきさつって何だったんですか?


H:なんなんだろうね。

Yo:ノブ(当時のマネージャー)が「決まったよ」(真似)と。(笑)

T:似てる(笑)

H:「西村雅彦さんがマネージャーで」っていうストーリーはあったみたいで、そこにどのバンドを当て込むかっていうことで。

T:なるほど。

H:なぜか知らねど、私らのようなバンドが選ばれて。

Yu:そのバンドが売れてないっていう設定なんですよ。だから他の候補にあがってたバンドはイキイキしてたんじゃないかな?と思うんですね。

H:それがブレイクするというストーリーだったんだけど。現実のものにはならなかったですね。

Yu:そのCMの中でも現実のものとして、ならなかったな。最初はそんな話だったんですけど。落ちぶれたまま、撮影自体も約一年間で7本から8本くらい撮ってたんですけど。

To:すごい、そんなに撮ってたんだ。

T:その後のアルバムっていうと、どのくらいになるんですか?

H:ドコモやりつつだよね。『フリースタイル』というアルバム。

T:どういうアルバムですか?

Yo:初めてのフルアルバムで、『ホームランデイズ〜sideB〜』出てから、ちょうど一年後ぐらいかな。夏前ぐらい、7月ぐらい。

H:まあ、メンバー全曲書くから、それバーっと集めて。「取り留めのないアルバム」という方もおりますが、良い意味でバラエティーに飛んでる。「割と振り幅も良い感じのアルバムだな?」と、今聞いても思いますけどね。

T:結構テレビ出たり、タイアップでやったりで、周りからの期待の一枚だった?

H:そうですねー。周りは期待してたみたいですね。

Yo:うん。

H:どうもショボイ話になりますね。(笑)

T:レコーディングをやりながら、ライブはどういうスパンだったんですか?


H:まあ、大きいレコード会社とちゃんとした事務所でやってたもんですから、割とルーキングワークというか『アルバム出してツアーをやる』とか。動きはデカい動き、デカい動きをしようとしたんですね。しようとしただけで終わりましたけどね。(笑)

To:やっぱり、そこか。

H:あれー?おかしいなー。

Yu:しょぼい話ばっかだな。今が一番良いっすよ、マジ。

H:だって段々、これからその先とか、もっとつらくなるよ。

To:だったら、その後は私、段々暗くなるよ。

H:段々暗くなってったりして。

To:テレビで観てたからね、その頃。

T:ああ。

To:うん。全然普通に観てたんで、お家で、母と。普通にバイトして、普通にバンドやってて。で、パッとテレビ付けると「あ、ドコモのCMなんだ。この人達なんだ」と思って。

T:じゃあ、ここで塔子さんの当時の事を教えて下さい。


To:当時はもう。でも、プロペラがデビューした時多分同時期か。

Yu:ほぼ同時でしょう。

To:ほぼ同時に、自分も違うバンドで歌っててデビューしてるんですよ。で、それまでは、だからアマチュアで普通にアルバイトして昼間は、で、普通にライブやってって。普通のアマチュアの普通のバンドマンと同じような活動で、ベースの女のコと二人で『スピーク』というバンドやってて。最初は、デビューする前まではドラムの男の子がいてトリオとかやってて。ま、下北沢とか、あと、ま、普通のライブハウスでライブとかやってたんですけど、それをなんかね、谷崎さんが見かけたことがあるらしいんですよ。で、『プロペラ』っていうと「プロのバンドでしょ?」みたいな印象とかがあって。で、すごく、それまではホントに雑誌とかテレビとかで「ああ、プロペラってバンドがいて頑張ってるんだ」ってよく認識だったんですけど。まあ、なんか縁があって今こうやってギター弾いてるんですけど、はい。

T:そもそも接点っていうのは、どこだったんですか? 

H:前のギタリストが辞めることになって。で「どーしようかなー?」と思った時に、『スピーク』の時のステージを僕が一度観たことがあって、ふと思い出して、で、そっから連絡とって。連絡とってっていうか、まあ、傭平くんと裕太郎くんに観に行ってもらって。それでだよね。

To:うん。それまで会ったこともしゃべったこともないんですけど。

H:うん、接点とかない。無理矢理。

To:無理矢理、ホントに。

To:だから谷ちゃんのね、ギタリスト最初に「どう?」っていうのは結構ものすごいあれがあって。一番最初子権田タケシっていうのが入る時も、三人でいて「誰かギターいないかなー」と思ったら、谷ちゃんが「権田ってやつがいるんだよ」っつって、そいつに一発で決めて。で、今度ポツンとまた谷ちゃんが「女の子で、すごいのがいるから」っつって、決めてって、なんか。

H:日本の『オジー・オズボーン』と呼ばれて。(笑)

To:誰か死んじゃうんだ。

Yu:塔子の事は、その、最初三人で『プロペラ』組む時に集まった時も、谷ちゃんの頭の中とかちょっとした話ん所に、実際の名前まで出てきたかどうか覚えてないんだけど「こんなで良いギタリストがいるんだよ」っていうのは言ってたよね。

H:うん。

T:ああ、なるほど。

Yu:で、そん時に俺とか全然女とやるっていう気持ちとか全然なかったから、実際会ったりとかしなかった。

Yo:あったね、そういえば。

Yu:だから…まあいいや、第一候補だった権田くんが最初一緒にやって、辞めたから第ニ候補だった(笑)。

To:すごいね。間、5年あるけどね。それで第ニ候補が入ったからね、コノヤローが。

Yu:コノヤローっていうのも失礼だけどね。

Yo:一回しか観たことなかったのに、よっぽどインパクトがあったんだろうな、君。

T:それは何年くらい前?

To:ちょうど2年かな。

H:そうですね。

T:加入して、どうでした? 


To:私はね、自分の前のバンド解散したころから「どーしよーかな?」と思ってる時に「とりあえず、なんかやっとかないとー」とか思って一人で弾き語りのライブとかやってたんですよ。そしたら、なんかドラムの堀之内さんと羽原裕太郎くんが二人お見えになって「僕達プロペラっていうんですけどギターが抜けて出来ないので」「あー、はい」とか言って。ホントにそれが初対面で。でも、ちょうど自分もこう迷ってた時期というか、本音言えば渡りに船だったんですけど。本音言えば。「あ、いいとこに何かきっかけが!」みたいな。で、「とりあえず一緒にじゃあスタジオに入ってみませんか?」っていう話で、入った時に。もう結構ホントにウキウキして楽しくすごく演奏できたんで。

T:それは、アルバム制作の時点ですか?

To:いや、全然。

H:いや。

T:ライブか何か?

To:まだまだ。

To:まだ「セッションしてみよう」くらいの段階です。

H:ちょうど、そん時はメーカーもなかったし、事務所も辞めちゃってたから。辞めてねーか、まだ?

To:まだ。

H:そうだね。

To:やっぱりね、ギター。

Yu:自分達で、ま、前のギタリストが辞めた時っていうのは、色んな区切りになっちゃってて、メーカーとも切れて、というか切ってっちゅーかね。色々とあったんすけど。

H:「辞めてやるわ」みたいなね。「ふざけるなー」みたいな。

Yu:事務所とかも。何かね。何か『プロペラ』としてのアマチュアの時っていうのが。アマチュアって言い方変かな。ライブハウスでバリバリメーカーもなくてやってた時っていうのがなかったから「そこからやってみなきゃいけねーかな」って感じになってた時だったんでCDを作る話も全然なかったし。とにかく「ライブからやっていくのもどうだい?」って誘ったんですよ。

H:だからね、普通、最初サポートで入ってもらったから。その前に彼女はもう、YUKIちゃんのやってる『NiNa』とかあの辺のサポートとかもやってたから。「プロな訳だしノーギャラでやってもらうのも何かな」と思ったけどノーギャラでやってもらって。

To:お金どーでもよかったんだよね。それでライブとかやり出して、やっぱり楽しくなってきて、夏ぐらいに「あの、すみません、メンバーに入れさせていただけないでしょうか?」って自分でメンバーに入れさせていただいて。

T:それが2001年?


H:うん。

To:そうですね。

T:メーカーとか事務所とかなくなり、新たなメンバーが加わって再スタートになる訳ですよね。どういう風な流れになっていくんですか?

H:ま、今インターネットとかあるから、事務所とかバンと構えて電話を置いてとかやらなくてもメールのやりとりとか、なんとなくバーチャル事務所的な機能はするでしょ?だから、そんな所でホームページとかを作って、そこから発信するような形で。まあ、そんなとこですよ。で、レコード会社はまた偶然ノブがあらわれて、こんな話があるんだけどっていうので。で、最初のフルアルバムとった『フリースタジオ』って所は、ここはなぜかメーカーを持ってて、でも「ごめんなさい、そっちに力入れたい」みたいな形なんで、じゃあここでやろうかってことで。

T:では実質、事務所は今はなしで?

H:ないですね、うん。

T:じゃあ谷崎さんがwebsiteを?

Yo:社長。

H:まあ、少ない銭の勘定をしたりとか。ブッキングとかは皆で手分けしたりとか。

T:そして新たなスタートでCDを作りましたよね。

H:『Hydro99.99』。

T:その制作過程を、教えていただけますか?

Yu:また皆で曲、僕自身も傭平とかも曲書いたしね。いろいろ、新しいメンバーでやり出して感じるところが、またいろいろあったりして。最初に作った曲達が結果的には6曲入りましたね。だから、まあ、新生プロペラ初期衝動的な手探りもありつつ、アルバム、ミニアルバムか。

H:うん、ミニだね。

Yu:だと思います。で、いろいろ事務所とかも辞めちゃったけど、昔からの人達が協力してくれる人とかもいて。ジャケットに関しては、傭平の兄ちゃんがデザイナーやって。兄ちゃんに曲聞いてもらったらなんかね、なんかくやしそーな目をしたねイラストのね、目がピュッとのやつがね、とってもピッタリきてて。涙の雫が浮かんでるんすけどね。良いジャケット出来たりして「あー、なんだ。結構やれるじゃん」って可能性が見つけられたっすね。

T:出来上がったCDの、手ごたえはありましたか?

H:すごい新鮮だったけど。なんか活動も世の中の流れに沿っちゃったみたいな。最初はわりと景気がいいような感じで、バブルの余波もあって、わりとメーカーとかもお金持ってたりとかドカーンとした感じでやってたのが、段々景気が悪くなってくると、そのしわ寄せではないけれども、僕らも段々周りの状況も景気悪くなってきて。で、そんな中でまたケツまくって元気になる人もいるし。だから別に今メジャーとかインディーズとか全然、ホントに差がないと思うし。ま、このぐらいは自分で出来る、コンピュータもそうだし、いろんな機械の発達もあって、かなりのとこまで自分達で出来るから、だからまあ何ら問題ないなと。そんな感じですかね。

Yu:だからね、気付いたのはね、自分達でやんなきゃいけないことを『プロペラ』としてはすぐメジャーみたいになったから、なんか人任せにしちゃったとこがいっぱいあって、なんかそういうのが「これとこれとこれは自分達でやれるじゃん」みたいなのことがいろいろ。今でも発見してるけど。なんかそういうことがすごい多かった。

Yo:それ用の人がいたりしたからね。すごく、仕事用だからつまんないこととも言いたくないけど全然。それ用の人がいて、それは僕達今なら自分達で出来るっていうことが、その時は考えつかなかったっていうのはあったかな。

H:ライブやるのに御一行さんで20人そうとうになるからね。今4人で出来るから。規模は若干小さいけど。

Yo:ホントだよ。

Yu:何かそういう、こうバンドってさ、それは別に美しいかどうかは知らないけど、そういう積み重ねがあってバンドとして見えてくるもんがあって、それぞれ別に『プロペラ』の前も長くアマチュアというかインディーズというかライブハウスシーンでバンドやってたから「なんかそういう事はやってきたな」みたいなのがあったんだけど。『プロペラ』としてはそういう事、殆どやってなかったから「あれは良くなかったな」ってやっぱ思うっすね、今。今そういうライブハウス、ライブやって対バン相手って状況で、やっててホントにやりたいこととか「シンプルにわかってきたな」って。遅ればせながら、思います。

T:音楽やってる楽しさみたいなものは、『プロペラ』始めた時と今とは?


H:うん、あのー、当時は音楽だけやってればいい状況で、今はそれに関わる瑣末なこと全部やんなきゃいけないから、それ大変だっちゃー大変なんだけど、でもまあ、いろんなこと言う人が少なくなったから、純粋に面白いですね、なんか好き勝手に出来る。まあ、先導が多かったから、何人も周りにいて、誰が決定権あるのかわかんないけど、いろんなことを言ってどっかいっちゃったりするから「あれれ?」みたいなこととかも多かったし。

Yu:あのね、そういうことを言わせてたんだと思うんですよ。俺ら自体がなんか主体性みたいな根本、さっき言ったシンプルな「こう歌いたくて、こう演奏したくて、こういうライブがやりてーんだ」っていうことがなんか良く分かってないうちにね「あっ曲がいい」、ま、メジャーが決まったきっかけとかって曲がいい・元気がいいみたいなところをチョイスされたと思うんですけど、そういうものにポンポンポンポン先越されてっちゃったから、やっぱそういう先頭みたいな人がいなきゃ動かなかったとこも確かにあったと思うんですよ。「バンドが何やりてーか」ってのが、はっきりするのが「とにかく一番だな」っていうのが、ずーっと。そりゃもう絶対に。最初っからすごい若い時から、そういう事をわかってる人達も多分いるんだと思うんだけど、それはすごい大切だなーって思いますね。

H:良くも悪くもコイツ何でも出来ちゃったから、こんな感じのを作ってやってみてって言えば大抵の事出来たから。で、その辺でもう周りの人がわかんなくなっちゃったのかなっていうところもあるし。もっと「これしか出来ねー」っていうなんかオンリーワンのもので不器用ながら力のあるものを提示していけば、もうちょっとなんか違う道だったのかもしれないけど。小器用だからね。

T:『プロペラ』の音楽、そのもの自体は、最初と変化ないですか?

Yu:音楽自体って、俺個人的には、音楽っつーかね、なんか歌うっていうことの姿勢はここ一年で随分変わってきたなーって思いますね。なんかステージ出て盛り上げようとしてたような気がすんですよ。ま、一つなんですけど、それは要素。やっぱ大事なのは俺が昂揚してる、俺が俺に歌ってんだっていうのが、それを観て何かを感じる人がいて、いろんなものをもらってると思うんですよ。そこは、すごく今思うんすね。

Yo:7年たったでしょ?で、やっぱりドラムプレイするってことだけに関して言っちゃえば、最初の時もやっぱ当然楽しかったろうし、変わらないことだと思うんですよ。だけど、この『プロペラ』っていうバンドで、年をこう重ねてって、自分が今いろんな思いしてこういうとこにいてこういうプレイしてるっていう考え方だと、今が俺一番楽しいと思ってるんで。今のスタイル、自分の、が一番好きですね。ちょっとずつ変わっていくけどね。だから、満足はしてないっすけど、別に。いい風に進化してるなー、自画自賛、120%。もう、いっぱいいっぱいですからね。終わったらもうヒーヒーだから。汗ビッチョビチョで。

To:でも、最初はすごく客観的に、最初の5年間ってすごく客観的に見てるじゃないですか。で、自分入ってからとか今見て、何か皆さん男っぽくなられたなと思います。テレビの影響なのかも知れないけど、もっとポップな人達っていう、なんか色合いとかもねカラフルな人達という印象があったんですけど、すごい音的にもね、その頃の多分印象とかって自分が耳にしてたバーモントカレーであったりCMとかに比べたらすごい骨太りになってきたと思う。すっごい骨太になったと思うし、あと普通の女の人とかの人生とかで考えたら、多分今の自分の年令とかって結構焦るような年令だと思うんですよ。今度34とかになる時に。なんか、この年の時にこのバンドやれててホントによかったなーっていうのがすごいなんか思う。みんながそうであてがないとかそういうことじゃなくて、すごい手ごたえのある人生を送れてるので、ホントそれはすごく、こう生き方と密着してる部分で、すごい手ごたえのある日々を送っています。

T:今言われたようなものが、これからの『プロペラ』?

H:うん。

Yo:基盤になることは間違いないと思います。

T:これからの活動、決まっている所はありますか?

H:九州のライブになりますけど。あと、自分達でやってるイベントとか。シンプルな事ばかりですけどね。

T:『プロペラ』ならではっていうもの。難しいとは思うんですけど何か表現するとしたら? 一人ひとりの個性だとは思うんですけど。

Yo:暑苦しい(笑)。もう、冷めたクールはクールな時代じゃないなって、ちょっと思ってて。なんか暑苦しさが鼻につくぐらいがクールかな。なーんてね。

Yu:涙とかね、思いっきり笑う事とかね、思いっきり寂しがったりとかね。思いっきりこう今言った暑かったりとかっていうことと、真っ向こう向かってね少なくともステージの上ではね生きていきたいなーと思いますね。やっぱそういうことは結局日頃の生活だったりとか、いつも何考えてるかとか、何見て何聞いて吸収するかっていうのがすごく大切だし、すごくそういうことを感じてる瞬間「あ、楽しい」ってすごい思う。それがちゃんとオーバーラップして、皆それぞれだろうけど、その気持ちみたいなものは同じ線上にあるような気がしてますけどね。

H:なんかネガティブなものとか、そういうものの方がなんか賢そうに見えたりもしたりする時あるじゃん。そういうんじゃなくて、この年になってくっとね、マジで友達が死にかけたりとかね、ホントガンになるやつとかもいたりとかね。なんか力強いもの、力強い音楽をやりたいなーと思って。へろへろっと頭良さげに気取ってフニャフニャしたことよりも、ガツンとやりたいし。ホントあの、ライブとか「あ、今日が最後かもしんない」ぐらいの思いでいつもやってるから。ホントいつ死ぬかわかんないからね。

To:ホントにね。

T:そういう意味では、すごい「自由な」感じがしますね。今見てて。

Yu:自由ってのわね。思ったんすけど、自由ってのはやっぱりね、歌で歌ってるんですけど、すごい大変で、すごい孤独なことだなっていうのをね。でも好きなんですよね。その音楽やって勝ち取る自由っていうの、すっごい好きなんだと思う、俺。だから自由、自由に見えます?

T:見えますよ。

Yu:やったやった。

H:不自由に見えない。(笑)


ラストは『あなたにとって『プロペラ』とは?』を伺ってみました。これはムービーで本人の言葉を聴いて下さい。
『プロペラ』の詳しいインフォメーションは、HPをチェックしてみて下さい。
また、short filmの『野次馬音楽隊』も、合わせてお楽しみ下さい。
『プロペラ』オフィシャルホームページ 
http://plaza26.mbn.or.jp/~propeller/






谷崎浩章 Hiroaki Tanizaki (B)





羽原裕太郎 Yutaro Habara(Vo)




千井塔子 Toko Chee(G)




堀之内傭平 Yo-Hey Horinouchi(Dr)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Discography】


<ALBUM>



「ホームランデイズ〜sideA〜」
1997.03.25/WPCV-7402

「ホームランデイズ〜sideB〜」
1997.07.25 /WPCV-7410


「FREE STYLE」
98.07.25/WPCV-7437

「快楽のスタンス」
2000.02.23/DXCL-41

「Hydro99.99」
2002.03.21/POCE-2054



「限定版」



<SINGLE>

「ミラクル」  
1997.02.25/WPDV-7106 

  
「Let's go! タフガイ」
1997.07. 01/WPDV-7113

「ふたりはパーフェクト」 1997.08.25/WPDV-7119

「お月様の見てる場所」
1997.11.5/WPDV-7123

「夕焼け」
1998.04.15/WPDV-7135

「空をとんでみたいな」
1998.06.1/WPDV-7151

「Super Flower」
1998.07.25/WPDV-7155

「クモノスキマ」
2000.02.23/DXDL-3002

「快楽のDANCE」
2000.05.24/DXCL - 1004

「MASK」
2000.10.21/DXCL - 1009


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ライブレポート(5/24 秋葉原『CLUB GOODMAN』)


  電気の街、秋葉原。だけど、昭和通り口は意外と下町の香りがする。くたびれた建物やくたびれた顔をして鳩に餌をやる浮浪者の姿を横目にCLUB GOODMANへと向かう。「CLUB GOODMAN 7th ANNIVERSARY」のイベントにPropeller出演。Vocal/羽原裕太郎 Bass/谷崎浩章 Dr/堀之内傭平 Guitar/千井塔子。Propellerのライブを観るのは初めてだったが「歯切れがよい」という言葉が楽曲にもバンドの姿勢にもあてはまる。観ていてスカッとする。撮影していてテンションがあがってくるそんなバンドで、音を感じながら楽しく撮れた。(そのライブ模様は是非、ムービーで御覧ください)安定したリズムの堀之内さんのDrと谷崎さんのBはしぶい。女性ながら千井さんの男気なギターは必見。そしてストレートで力強い歌詞は決して人を退けない受け入れ体制が整った、羽原さんの言葉を借りるならば「共感」を呼ぶものであるのだろう。・・・ライブ直後の汗は嘘をつかない。

text by Rin

 
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