リクオ 最新インタビュー(2008年夏)

 2008年8月に、近年の集大成的ニューアルバム「What's Love?」をリリースしたばかりの、
 ピアノマン、リクオさんへの最新インタビューです。


(2008年7月30日/momentにて/インタビュアー:TERA@moment)





 リクオ(RIKUO) 最新インタビュー(2008年夏)

  Talk&Interview #68
 
  


    
 リクオ 最新インタビュー (2008年夏)
京都出身。1990年のデビュー以来、ニューオリンズピアノ、R&R、ブルース、ジャズ等に影響を受けたグルーヴィーなピアノスタイルと、ソウルフルなヴォーカル、切なさのつぼを押さえた楽曲で、世代・ジャンルを越えて支持を集める。04年からは“世界で一番やんちゃなピアノマン集団”CRAZY FINGERSの一員としても大活躍、注目を集める。06年6月に3年4ヶ月振りのソロアルバム「セツナウタ」をリリース。続いて07年1月には CD&DVD2枚組ライブ.アルバム「セツナグルーヴ」をリリース。年間100本を越えるライブで鍛えられたファンキーなライブパフォーマンスは超必見。現在各地でリクオフリークが急増中。

このアルバム「What's Love」を引っ提げていろんな町に歌いに行くんでね、皆さんと一緒にいい時間をコーディネイトできたらなと。特に、レコーディング参加主要メンバーが参加の発売記念ライブが、9月5日の大阪Shangri-La、9月11日の渋谷O-WEST、この2箇所であるんで、有給取ってでも来てほしいなと。是非!

TERA(以下:T):久々のインタビュー、楽しみにしてました。では、よろしくお願いします。

リクオ(以下:R):よろしくです!

T:今回、「What's Love?」というニューアルバムを、8月にリリースという事で、あらためて、旧譜「セツナウタ」から今回のアルバムまでの流れについて教えて下さい。

R:2年前に「セツナウタ」というピアノ弾き語りの延長線上にあるコースティックなアルバムを作ったところから今回のアルバムへの流れが始まってるんです。“セツナ”っていうのは瞬間の“刹那”と切ない気持ちの“切な”という2つの言葉を掛け合わせて作った造語なんですけど。アルバムを作るにあたって、“風呂敷を広げ過ぎず、雑念を捨てて、自分の身の丈を確認しながら、現時点での自分にできる範囲内で、やりたいことをやってゆこう”っていう思いが強かったんで、原盤制作費は自分で負担することにして、作品の完成までレコード会社の人間が一切関わらない形で、制作を進めたんです。だからアルバムの発売元が決まったのは、レコーディングが終了してしばらくしてからです。結果的には「セツナウタ」の売れ行きは、レーベル側の予想をかなり上回って、自分の目や耳に入ってくる評判も、近年の自分の作品の中で最も良かった。で、そのお陰で、次のライブアルバム「セツナグルーヴ」も半年程の短いタームででスムーズにリリースすることができたんです。このライブアルバムをリリースした時点で、これから自分の目指す音楽の方向性、サウンドがかなりはっきりと見えた気がして、“ヘルツ以来、もう一度本格的にバンド編成でのライブをやって、その流れでアルバムを制作したい、今がそのチャンスや”って思ったんですよ。当時チェロの歩ちゃん(橋本歩)やヴァイオリンの阿部美緒であったりパーカッションの朝ちゃん(朝倉真司)であったり、自分の音楽を表現する上で欠かせないメンバーが丁度集まってきていた時期で。このメンバーにさらにドラムとベースのグルーヴがほしいなと。

T:なるほど。

R:“セツナグルーヴ”というフレーズは、今自分が目指す音楽、サウンド をイメージしたときに出て来た言葉で。メロウ&グルーヴィーというか、体を揺らしながら胸がキュッとするっていうか。その自分が思い描いてるサウンドをより形にするにはやはりドラム、ベースというリズムセクションがほしいなと。2002年までソロ活動と並行して『the Herz』というトリオ編成のバンドをドラムの坂田学、ベースの寺岡信芳とやってたんだけども、自分がイメージするリズム、グルーヴってのはやっぱりこの2人がいなきゃ実現出来ないだろうなということで、久しぶりに2人に連絡をして「今こういう作品を作りたいと思ってるんだけど、ライブも含めて自分をサポートしてくれないか」という話をしたら、2人とも快くOKしてくれて。それで、レコーディングの前に、何度かライブを重ねていって。それがね、すごく手応えがあったんです。ライブ用のリハーサルと実際のライブを何度がやってみた時点で既に、かなりサウンドのアレンジとグルーヴが出来上がっていて、レコーディングでは、これをいい形でパッケージできればっていうところまで持っていけたんですよね。

T:ええ。

R:だから、もうレコーディングする時にはアレンジどうしようとか迷うことがあまりなくて、メンバー全員があるグルーヴをイメージして、そこに身を委ねるように演奏できたらなと。で、そのグルーヴの中で気持ちよく歌いたいなぁって。今回、アルバムに参加してくれたすべてのミュージシャンが、自分を伝える為にプレイするというよりは“いい音楽を作っていく為に”“いい共鳴を起こす為に、いい化学反応を起こす為に”プレイする、いいグルーヴを生み出す為のパーツといってしまえばちょっとあれだけど、その一部分として演奏する、いい意味で“我を超えた演奏”を心がけてくれたと思ってます。ほんまに素晴らしいメンバーです。

T:素晴らしいです。

R:今回のアルバムは、集まってくれた才能とのコラボによって成り立っていて、そういう様々な才能、色んな人の思いをこのアルバムに凝縮出来たっていう事も自信になりました。この作品を自分の節目にして、また次に向かっていけるんじゃないかなと、そういう風に思ってます!

T:次の展開も非常に楽しみなところですが。まず、今回のアルバム「What's Love?」について、一曲ごとに伺いたいんですけれど。まず一曲目「アイノウタ」から。

R:「アイノウタ」はここ数年のライブでは定番になっている曲で、ライブの後半の一番盛り上がるところでいつも演奏してるんです。ライブで何回も演奏しながら、お客さんと一緒に育んでいった曲ですね。

T:2曲目「Row & Row」は?

R:これは今年になって書いた曲です。考えてみたら、8ビートのアグレッシヴな曲って、近年、ほとんど作ってなくてね。こういう曲が出来たっていうのが、自分にとっても新鮮でした。
「Row & Row」っていうタイトルが象徴するように、孤独であることを前提に、川の向こう岸に渡ろうとする、何度でも会いに行こうとする、その試み、っていうのが多分自分がこれからも表現していく大きなテーマの一つだろうなと思います。

T:3曲目「ムーンライトサンバ」。

R:これは、学くんと寺さんと一緒にやってたthe Herz(ヘルツ)の時代の代表曲のひとつ。ヘルツでの5年間の活動は、自分のキャリアの中でもすごく重要な時期なんやけど、残念なことに音源があまり残ってないんで、今回のアルバムにはぜひ納得できる形で収録したいと思ってたんです。歳月を経て、寺さん、学くん、そしてここ数年で出会ったメンバー達が合流して、2008年バージョンの「ムーンライトサンバ」を収録できたっていうのが嬉しいです。

T:4曲目「ソウル」は?

R:自分の代表曲の一つですね。今回のアルバムに掲げた『シンガーソングライターによるニュー.ソウル解釈』『メロウ&グルーヴィー』『セツナグルーヴ』っていうテーマ、キーワードにはピッタリの曲じゃないかなと思います。
アレンジはソウル.ミュージックへのオマージュです。
歌詞に疑問形が多様されているところも、このアルバムの内容を象徴しているかなと。

T:5曲目の「夜の過ごし方 朝の迎え方」。

R:こういうラブソングをずっと歌っていきたいですね。
マーヴィン.ゲイが「What's going on」を歌う一方で「Let's get it on」を歌うように、自分も「ソウル」を歌う一方でこういう曲を歌い続けたいと思うんです。年を重ねる毎に色気が増してゆくようなそういう年の取り方が出来たらいいですね。

T:6曲目は、「はかめき」。

R:いわゆるポエトリー.リーディング調の曲なんやけど、オレは“弾き喋り”って呼んでます。「セツナウタ」に収録している「同じ月を見ている」で初めて試みて、味をしめたスタイルやね。
曲を作っている時点で、ストリングス.カルテットが入るイメージが既にありました。

T:7曲目の「すべてを忘れない」。

R:この曲も『セツナグルーヴ』というキーワードを象徴するようなラブソングやと思います。

T:8曲目、「ハイ&ロウ」。

R:これはもうホンマにこのメンバーじゃないと出せないグルーヴが出せたなと思ってます。

T:9曲目の「マウンテンバイク」。

R:この曲はあえてオレと学くんと寺さんの、3ピースでの演奏にこだわりました。

T:10曲目、「2人のワンダフルワールド」。

R:今年になって書き下ろしたナンバーです。“愛が地球を救うって言うけれど、愛が地球を滅ぼす、っていうか人間を自滅させる可能性もあるんじゃないか?”そんなことを考えながら歌詞を綴りました。ニューオーリンズ.スタイルに強く影響を受けたピアノを弾いてます。

T:11曲目「君を許して僕を許して」は?

R:このアルバムの中には、聖と俗との間を行き来する振り幅の広いラブソングが収録されていると自分では思っていて、この曲に関しては、聖の方に振り幅が傾いている曲かなと。
メロディーは前からあったけれど、何度も歌詞を書き直して、今年になってやっと完成した曲。

T:最後の曲、12曲目の「くよくよすんなよ」。

R:『旅』をイメージする曲で、最後を締めました。“繰り返す始まりは痛みを伴っている”そういう自覚から生まれた曲だと思います。

T:全体を通して、アルバム名『What’s Love?』というタイトル、これはどういう?

R:答えを提示しない、問い続ける、探し続ける、というのが自分の表現の基本やと思ってるんです。“これが愛だ!”って言いたいんじゃなくって、“愛って何やねん?”と問い続けたい。例えば、愛があるから傷つけあったり、戦いが起こる。愛と呼ばれる感情はそれだけ危険な暴力的な要素を含んでいる、そういうことに自覚的でありたいんです。ひとつの言葉、思いを突き詰めていったら色んな疑問、矛盾、アンビバレンスな要素が見えてくる、そういった部分を表現に反影させたい、そんな思いがタイトルにも現れていると思います。

T:最後に、このアルバムを手にするファンの人たちに簡単なメッセージをいただけますか。

R:色んな聴き方、楽しみ方が出来る作品だと思うので、どういう聴き方をしてほしいっていうのはないけれど、長く聴いてもらえたら嬉しいしいなあ。で、アルバム聴いて是非ライブに来て下さい。自分の活動の中心はライブなんで、またこのアルバムを引っ提げていろんな町に歌いに行くんでね、皆さんと一緒にいい時間をコーディネイトできたらなと。特に、レコーディング参加主要メンバーが参加の発売記念ライブが<9月5日の大阪Shangri-La>、<9月11日の渋谷O-WEST>、この2箇所であるんで、有給取ってでも来てほしいなと。このメンバーで2箇所でしか出来ないっつのはねぇ、ぶっちゃけ予算がかかりすぎてね(苦笑)出来ないんです。それだけにこの2本のライブは貴重で、オレも集大成を見せようと思ってるんで、是非!ご参加ください。

T:是非、初めての方にもライブに参加して欲しいですね。本日は忙しい中ありがとうございました!


END>>>
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リクオさんの詳しいインフォメーションは、オフィシャルサイトまで☆

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New Album 「What's Love?」RIKUO/リクオ
Long Scale Disc XBCD-3003 ¥3,000(TAX IN)

22年ぶりオリジナル・フルアルバム!「What’s Love?」!!
"セツナグルーヴ"集大成!最高傑作完成!!

ピアノ、リズム、ストリングス、そしてスウィートソウルな"セツナウタ"が響く!
6月25日発売の先行シングル「アイノウタ」を含む全12曲を収録!

レコーディング参加ミュージシャン
坂田学(Ds)、寺岡伸芳(B)、朝倉真司(Per)、橋本歩/阿部美緒/萩原薫(Strings)、奥野真哉(ソウルフラワーユニオン/Org)、おおはた雄一(Gt)、Yassy&Koo(Black Bottom Brass Band/Horn)三郎

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