西沢サトシ (PART2)

 rough laugh、speaklowと活躍後、ソロに。今年、アルバム「too soft to touch,too sweet to bite」を発表した、
 西沢サトシさんへのロングインタビュー。そのPART2。


(2008年7月17日/momentにて/インタビュアー:TERA@moment)





 
 西沢サトシ (Satoshi Nishizawa) PART2

  Music #68
 
  


    
 西沢サトシ ロングインタビュー (PART2)



TERA(以下:T):では。PART2、よろしくお願いします。

西沢サトシ(以下:N):よろしくお願いします。

T:次はどっちの方に。

N:またオセアニアなんですけど。オーストラリアに。とにかく、大都市に行きたくなくて。

T:オーストラリアはどの辺なんですか。

N:ブリスデン。だからシドニーとかに比べれば全然静かな町で、小さいし。ちょっと行くと海があるし。で、そのrough laughっていうバンド辞めてからまた海外に1年間。

T:rough laughは解散みたいな形じゃなくて、また別の動きがあったんですか。

N:実質解散ですね。ただでもいまだに当時のメンバーとは連絡取り合ってるし。たまに飲んで、もう少しおっさんになったらもう一回再結成しようかとか話したりしてるんですけど(笑)。だから繋がってはいます。

T:話し戻りますけどブリスデンで何をやっていたんですか。

N:とにかく東京のスピード感に付いて行けないって思った時に、その時下北沢に住んでいたんですけど。凄い行動は早くて、何故か。ビザとってパスポート更新して。で、部屋引き払って母ちゃんに電話だけして。『ちょっと外国行ってくる。』って言ってピューって行っちゃったみたいな感じで。だからホテルも部屋も何にも決めてないような状態で行って、目的も何も無かったんですね。行くんだったら2〜3ヶ月で帰って来たくないっていうのもあって。イギリスとか凄く行ってみたかったんですけど、やっぱり物価の面とかも考えて。で、長く居られて穏やかな町っていうのでオーストラリアって決めたんですけど。2週間ホテル住まいして、その間に住む家を見つけて、でそっから『さぁ、何しようか』っていう感じで。旅ですね普通に。

T:ギターは。

N:一応持って行きました。

T:ギター鳴らしてたんですか。

N:向こうで中古の鍵盤買って一応曲は作れる状態にはしてたんですけど、結局作らなかったですね。何か現地のドラム教室とか通ってました。本当に。で、まぁその先生がたまたま・・・先生って言っても若めの、まだ30代前半くらいの人だったんですけど丁度そのクィーンズランド州でデビューするっていうのは決まってたんで、その先生のライブがあるたびに付き添いで行って、デビューしていく過程とか見ていて。何か日本と全然違うやり方なんだなーとか。そういう風に音楽には接していましたけど、自分で作るとかそういう心境まではまだいたっていなかったですね。

T:結局そこにはどれくらい滞在していたんですか。

N:それもワーキングホリデーで1年だったんですけど、ビザが切れるギリギリ3日ぐらい前まで居ました。悩んでました凄い。もう少し居ようか居まいか。

T;一番もう少し居ようかって思った理由っていうのは何だったんですか。

N:凄く馴染んじゃったからですね。


T:生活が。

N:生活もそうですし、結局向こうに行くと全部住むのも食べるのも人脈作るのも全部また1からじゃないですか。ちょっと言葉違うけど生まれ変わったみたいな感じがするんですよね。だから誰も俺の事をしらないっていうのが凄く心地よくって。みんな結構おおらかですしね、やっぱり向こうの方って。それが凄く心地よかったんで、本当に日本食レストランにでも就職して向こうに住んじゃおうかなぐらいに思ってましたね。結構ぎりぎりまで悩んでいました。

T:結局帰ったんですね。

N:帰ってももう一回取り直して、今度は例えば学生ビザとかで行こうかなぐらいに思っていたんですけど。その時点で別に日本に帰って来てまた音楽やろうとか全く考えていなかったんで。不思議ですけど。

T:帰って来て変わった部分って有るんですか。

N:精神的には凄くフラットな自分にはなれましたね。それが大人になったと言うのならそうなのかも知れないですけど。何かギスギスしなくなりましたね。

T:それが今から何年ぐらい前になるんですか。

N:5年くらい前ですね。

T:そこから、日本で音楽を。

N:始めはバイトしてましたね。

T:どんな仕事をやってたんですか。

N:色々(笑)なんか飲み屋とか、介護のバイトとか。本当に介護士になろうとか思ってましたからね。その時に昔の友達と言うか、お世話になったディレクターの方が『やんないの?お前』みたいな感じで言ってくれて。でも1年も楽器も触ってなかったし、曲も作ってなかったから、半ば出来る訳無いよくらいに思ってたんですけど。実家に組み立てておいたまんまの音楽制作ソフトが入っているデスクトップでちょこちょこ作り始めたら、何かやっぱり思ったよりは全然感覚的にまだ鈍っていなくて。外国行ってたときもなんだかんだCDあさって聴いたりはしていましたしね。だからまだ出来るのかなとかって思いつつ作ってました。

T:それはもう、全く新しい曲をやるっていう。

N:全く新しい曲ですね。

T:どういう曲が上がって来たんですか。最初。変わったっていうか今までと違うというか。

N:歌詞に関して言うと凄くシンプルになりましたね。音作りの面で言うと、今では結構贅沢ですけどやっぱり生の良さとか、クリック無くても大丈夫だよくらいな何か。昔はそういうのきっちりじゃないと気が済まない性格だったんですけど。ものを作るってことに対してのキャパシティっていうか余裕みたいなのが出て来て、難しい言葉遣いしなくてもちゃんと伝わる方法みたいなものを、音楽から学んだというよりは1年間のオーストラリア生活の人付き合いの中で学んだみたいな。だから優しい曲が書きたくなりましたね。凄く。誰かが聴いてほっとするような曲。

T:割と一杯書き始めましたか。少しずつみたいな感じですか。

N:少しずつですね。断片断片、断片断片みたいな感じで。出来る度にディレクターさんに持って行って、こんな感じ、こんな感じっていう間に『やっぱ良いよー』っていう話になって、その方は凄く評価して下さっていたんで。『サトシもっかいやればー』っていう話になって。まだ事務所がどうのこうのっていう話は無かったんですけど、とりあえず1回ライブやってみようっていう話になって。下北沢で小さい小屋でやったんですけど、その時にお客さんが、昔のファンの方が凄くいっぱい来てくれて。あれは嬉しかったし、その時は全曲新しい曲だったんですけど。もっかいチャレンジしてみようっていう気持ちになりましたね。

T:ライブはその後、連続してやっていくんですか。

N:そうですね。そっからは定期的にまた初めて。で、また曲も貯めつつ。


T:それが音源として纏まるまでは少し時間がかかったんですか。

N:多少、手続き上の問題とかで時間はありましたけど、タワーレコードさんの方でミニアルバムを2枚。

T:何曲入りですか。

N:4曲と5曲。時期は別なんですけど出させて頂いて。


T;それは初ソロになるんですか。

N:その時はまだ自分の名前じゃ無かったです。

T:また違う名前で。

N:はい。speaklowっていう。敢えて自分の名前出さないで。ソロなんですけどソロユニットみたいな感じでやりましたね。

T:speaklowっていうのはどこから。

N:僕の好きなジャズのアルバム(笑)でもspeaklowって動詞じゃ無いんですよね。もし、言うんだったら スピーク ロウリーとかロウが副詞的な扱いになるんだけど。でもスピークロウっていうアルバムがあって、で、想像するに多分内緒話とか耳元でこそこそ話してるとかそういうイメージなのかなと思って。凄く素敵だなと思って。それで付けたんですよね。その時デザイナーの友達とかも結構居たんで。勿論歌うのは僕なんですけど、デザインとか色々なアート的なものを全部含めて。そのチームとしてspeaklowみたいな感じにしようかっていうアイディアから始まったユニットみたいな感じだったんですけど。

T:それで2枚出して。その後はそのspeaklowは。

N:色んな流行とかの面で。やっぱり要望とかもあって、どうしても打ち込み主体にして欲しいとか。その方がうけるんじゃないのとか。メロディーだけは譲らないぞみたいな感じではいたんですけど、でも四つ打ちでないとみたいなのもあって。実際ライブでも同期とかするのって結構大変だったりするじゃないですか。確かにそのインストを作る面とかでは凄く勉強になったんですけど、でも帰って来て自分がこうやりたいなって思っていた方向性とだんだんずれて来ちゃっていたんで。どんどんどんどんデジタル化されて行くというか。いわゆるピコピコしたものになっちゃってたんで。それがちょっと、少し違和感を感じ始めて。もう1作で良いから自己満足でも良いんですけど、『俺がこう思うからこうやらしてくれ』って言うものを作ってみたいって思って。で、名前も新たに変えて。もう逃げ道無いですよね。自分の名前にしちゃったから。そこでもう、実際にオーストラリアから帰って来て作った曲も入っていますし。今、本当にその精神的にも音楽的にも凄くフラットな状態で自由というか、30越えてようやくかみたいな(笑)

T:ソロ名義の初アルバムがこの間の。

N:はい。2月のですね。

T:まず、アルバムタイトル「too soft to touch,too sweet to bite」はどういう感じで付けたんですか。

N:全作品の取り込みが終わってから付けたんですけど。too soft to touchっていう始めの文章は、収録されてる曲のワンフレーズにあるんですけれど、その次のtoo sweet to bite.。っていうのは付け足したんですけど何かtoo〜to構文って何かネガティブな感じがするじゃないですか。それをちょっと逆手に取るじゃないですけど、何か『触るには優しすぎて、噛み付くには甘すぎる』っていうtoo〜to構文を真逆にしたら面白いんじゃないかなと思って。それでその微妙なソフト感がアルバムの雰囲気とぴったり合っていたんで。何か手紙で実際、中学で英語教えている方から手紙が来て、今度からtoo soft to touchで教えますって言ってもらったりとかしました(笑)

T:これレコーディング自体はどのくらいかけたんですか。

N:レコーディング自体はどのくらいかけたんですかね。

TK(Staff):レコーディング自体は5月ぐらいから11月ぐらい。

T:半年ぐらい。

TK:ちょっと事情があってTDと最後のラフを一ヶ月ぐらい空けたんですね。それとかあとリズムと差し替えの間をわざと空けたりとかしたんで。ほんとはもっと早く仕上がったと思うんですけど。

N:まぁぎゅうぎゅうにやった感じじゃなく。

T:ゆったり録った感じ。

N:はい。

T:場所とかはどういうところで録ったんですか。

N:エピキュラススタジオとか。


T:ちょっと一曲ごとになんとなく解説を。一曲目の『Three,two,one』に関してなんですけどこれはどういう曲になっているんでしょうか。

N:メロディー思いついた時に、絶対日本語乗らないなこれって思ったんですよ。で、僕のルーツはキャロルキングなんですけど。たまにビートルズが顔出す時があって、丁度この時RAG FAIRのプロデュースも同時進行でやってたんですよ。で、やっぱりコーラスワークって凄く良いなというか、再確認して、この曲が出来た時に英詩とコーラスで疾走感の有る曲っていうので1曲目に持って来たんですけど。もう、正に目指せ洋楽みたいな感じでしたね。

T:2曲目の『優しい関係』これは。

N:これは凄く歌詞がシンプルなんですけど、タイトルから出来たような感じの曲で。情景を色に例えて最後に集約して、例えば夜明けに染まる赤が好きとか、色んな時間の流れにそって色が変わって行くのが実際個人的にも好きなんですけど。芝生の緑とか。で、それを総じて結局あなたが好きみたいな歌詞にしようと思って。でも、それをそのままタイトルにしたらちょっとださいなーとか思って。アルバムタイトルと似てるんですけど、何か触れていそうで触れてないような距離感を凄く大切にしたかったんで、敢えてこう『優しい関係』っていう曖昧なタイトルにしてみたんですけども。ドラムとかのエア感とかも凄く大切にした曲ですね。

T:3曲目『FLY ME TO THE MOON』

N:ただ元々ギター始めた時にちょっとジャズの教室に通ってた事もあって、ちょっとBOSSAの要素とかは凄くあったんで。昔作ってたアルバムにもちょっとBOSSAの曲があったりもして。何か1曲バラードじゃなくって、スローテンポでお酒と合うような曲があったら素敵だなと思ってですね。これはもうパーカスダビングに命をかけたみたいな感じですね。エンジニアの人にこんなにギロを使うエンジニアのキャラ的には「人」は居ないって言われました。

T:昔の『FLY ME TO THE MOON』と関係している部分は有るんですか。

N:いや、無いです。

T:全く違う所から。

N:ただ、歌詞が書き終えた時にそれしか思い浮かばなかったんですよね。

T:4曲目『夏風便り』

N:これは、さっき話したspeaklow時代に書き貯めていた曲で、個人的にも凄く好きな曲だったんですね。歌詞も全て。で、いつか良いタイミングで出してあげようと思っていた曲で、幸いにもRAG FAIRがにこの曲をシングルで使って頂いたんで、所謂色んな人に届く形になれて凄く良かったなと。それをセルフカバーして。実際僕歌ってみたかったんで。セルフカバーって形で入れました。

T:5曲目『東京レター』。

N:これも本当に歌詞がシンプルな曲なんですけど、今まで作った曲の中で自分の事を主観的に書いた曲って殆ど無くて、数えるくらいしか無いんですけど。いっつも架空の主人公を作って、この人だったら多分こういう行動するとか、こういう景色が見えるとか、こういう言葉遣いするとかって思いながら架空の世界のリアリティの有るものを作っていたんですけど。でも、この『東京レター』に関しては思いっきりストレートに初めて書いた曲ですね。しかも父とか母とかに向けて。兄貴に子供が産まれて、その姪っ子がまた可愛くて、それで実家に帰るのが凄く楽しくなっちゃって、彼女に会いに行くのが。何かそういう人間関係の中で出来た曲ですね。何かそういうこと歌っても良いかなと思って。

T:『四つ葉のクローバー』6曲目ですけど。

N:このアルバム作るときのコンセプトが、さっきも言ったみたいな『触れてるようで触れてない』とか微妙な部分と言うか、何て言うんですかね。全体を通してホッと出来るものにしたかったんですよね。何か過去に置き忘れちゃったものをこう見つけられるようなものというか。で、意外と四つ葉のクローバー見つけると嬉しいじゃないですか単純に。何か今日良い事あるかもしれないななんて。この曲結構ころアルバムの中でも最後の方に出来た曲なんですけど、アルバムの形がどんどん整っていく中で、全体像が見えて行く中で、凄く見落としがちなんだけど、何かさり気ない嬉しい事みたいな。そういうイメージで作りましたね。

T:7曲目。『スプートニクの恋人』

N:これは、三連の曲って僕まだ作った事無かったんですけど、それにまずチャレンジしようってところから始まって。このアルバムが出来る前からこの曲は出来てたんですけど、よくよく後で歌詞見たら日本語がAメロしか無くて。ほぼ英語だったんですよね。自分でも意外だったんですけど。後で気付いて。何かでも60年代とかのちょっとロッキンな三連のイメージと、あとトムヨークのファルセットと、キャロルキングのメロディー使いみたいな。何か色んな自分のルーツがうまく収まって。イメージ的にも夜を彷彿とさせるし。これもそうなんですよね。

T:スプートニクって宇宙船の。

N:これも架空の話なんですけど、もしかしたら全然僕らが知らない所でまだまだあの船は飛んでいるのかもしれないという。それも何かこう今回のアルバムのコンセプトにちょっと近いかなと思って。もしかしたらそれが、誰かの部屋の、誰かの町を通り過ぎてるのかもしれない。もう忘れ去られたものなんですけど。それで、タイトルも含めてこういう曲調になったんですけどね。

T:8曲目。『Route 16』。

N:これはもう単純なハッピーソングなんですけど。僕はずっと国道16号線沿いに住んでたんで。16号線って結構面白くて、そのまんま湘南の方とかにも行けるし、福生とかにも行けるし。実際結構ドライブするの好きだったりして、本当に鼻歌まじりで作ってたら出来ちゃったみたいな感じなんですけど。

T:フルスロットルバージョンっていうのは。

N:一度タワーさんから出した時に、一度その打ち込みバージョンで出してるんですよね。ただ今回は全曲生で録りたかったんで、ピアノもグランドピアノでやりたかったし、このコード進行とかこの雰囲気は歌詞は別にしてやっぱりキャロルキングの影響が凄く強いなーと思います。

T:9曲目。『幸せなら手をつなごう』。

N:これは、今はライブとかでフルバージョンを作って4分半くらいのちゃんとしたAメロとかも有るようなバージョンにしてるんですけど、なんか敢えてこう此処の9曲目にくるまでにもう自分が言いたい事は言い切っちゃっていたので、此処で最後にクドクド幸せとかそういうのってこういうもんなんだって言うのもかっちょ悪いなーって思って、あくまでもさり気なくっていうのがコンセプトだったんで。だから1分に満たない単純な言葉だけ言うっていう風にして、で、ちょっとオーケストラマーチみたいな感じにして、これでフィナーレっていう感じにして。これはでも曲順は凄く悩みましたね。これを1曲目に持ってこようか、1番最後に持って来ようかでアルバムの意味合いが全然変わっちゃうので。でも結果的には最後に、結局言いたかったのはこういう事なんだっていう。しかもそれが1分にも満たない事だったっていうのは、何かこのアルバムを象徴しているみたいで凄く良かったかなって個人的に思います。

T:結構、陽炎的なイメージがありますよね。幻っぽい感じ。
 
N:そうですね。何か分かってるんだけど結局、なかなか難しいじゃないですか。こういうのって。だからそこにちょっとハッピーなだけじゃなくて、儚さみたいなものも少しだけあって、分かってるけど出来ない事みたいな。それが、何か凄く表現したかったんですね。

T:で、ボーナスが一曲入ってるんですけど。これは。

N:これは、これも以前タワーさんで出させて頂いた時に、全然違うバージョンで出したんですけど。その時はまぁ、色々な事もありつつ僕の声、メロディーが入っていないっていう話になってたんですけど、僕としては子供の声で押し切りたかったんですよね。で、その時はABCの歌だったんですよ。ABCをコード全然変えて、結構緻密な打ち込みにして。何か以外とコード進行が、所謂童謡って言うんですかね。それに合ってて。今回は折角なんでABCじゃなくて、ユア マイ サンシャインでやろうよっていう話になって。これは実際に姪っ子が通っている保育園に録りに行ったんです。で、子供たちに。園長先生に連絡して、こういうのやりたいんですけど。そしたら事前に1週間くらい練習していてくれて。30人くらい居ましたかね。マイク数本持ってってこうやって実際に保育園で録音して。凄く可愛かったです。みんな手をうしろにこうやって組んで。何かこう、タイトル通りなんですけど、何かイノセントなものが欲しかったんですよね。無垢なものというか。

T:で、これのライブがいくつかあって。最近そのライブはバンド編成が多いですか。

N:イベントによりますね。アコースティックなときはベースレスですとか、あと遠征行くときはドラム、ベースは同期でやったりとか、色々ありますけど。あとカフェのときは本当にアコペでカホン一発でやったりとか色々有りますけど。

T:今はライブ活動とか楽しいですか。

N:こないだワンマン終わったばっかりだったんで。勿論楽しいですよ。ただ多少脱力感はありましたね。何日か。

T:今年はライブを何回かやったりとか。

N:そうですね。月イチでは必ずっていう感じで。ただそれもイベントの趣旨とかによって色々編成変えたりしようかなーと思って。

T:音源は今年はこの音源だけ。

N:一応限定シングルみたいな形で、キャンドルナイトっていうイベントに出たときのオマージュソングみたいな感じで、つい最近1曲出したんで。これから通信販売とかで買えるようにはしようかなと思っているんですけど。まぁでも出来れば、例えば『幸せなら手をつなごう』のフルバージョンとか出せたら良いなとかは思ってますね。

T:もしかすると今年またシングル的なものとかがいくつか。

N:そこら辺はもう、上の方に聞かないと。ただでも、凄く今回のアルバムは、ずーっと年上に囲まれて・・・デビューしたのが早かったんで、ずっと年上に囲まれてやってた中でずっと背伸びしてたんですけど、なんだかようやく等身大の自分で作れたみたいな感じがして。結構満足してます。凄く。

T:何かライブで映像も一緒にやったりとか。

N:はい。

T:映画は結構観るんですか。

N:映画は結構観ますね。以前カフェライブやった時に、今回のワンマンライブとは違うんですけど、曲の後ろに映像流すっていうのを1回試みたときに凄く評判が良かったんで。ワンマンライブも所謂1曲目から『行こうぜー!!』っていう感じにあんまりしたくなくて。始まりから終わりまで、歌も含めて、それが映画みたいにしたかったんですよね。それで、間、間にショートムービー的なもの。映像とか挟んでいったんですけど。映画はね凄くみます。

T:何か思い出の映画ってありますか。

N:監督で好きなのはガスバン・サントとあとジム・ジャームッシュですね。あれは、何観ても結構面白いというか、アングルというか映像美が素敵だなって。あとは最近の1番のヒット作は僕の中だけなんですけど『16歳の合衆国』っていうケヴィン・スペイシーが脚本に惚れてお金を資本出したって言う。あれが凄く、今のところ1位かな。最近の。

T:じゃぁ割と旅系とかノスタルジック系とかな感じですよね。

N:そうですね。ちょっとこう皮肉というか、ユーモアを皮肉に変えるみたいなものがあるのが好きなのかもしれないですね。ロードムービーも好きですし。所謂ラブコメとかはあんまり観ないですね。

T:映画館とか行きますか。DVDで観るタイプですか。

N:実家に、埼玉に帰ると映画館あるんですけど、凄い空いててほぼ貸し切り状態。実家帰った時は映画館行きます。でも大体普段はDVDが多いですけど。やっぱり映画館で観たい映画とDVDでも良いかなって映画はやっぱりありますよね。

T:自分で何か撮ってみたいとか、何か映画作ってみたいとか無いんですか。

N:うーん、長編までっていうのは無いですけど、何かショートムービー的なもの。短い作品はジム・ジャームッシュとかも結構多いじゃないですか。『ナイト オン ザ プラネット』とか。ああいうタイプのは何かやってみたいなっていうのはありますね。最近だと何か『パリ ジュテーム』とかって凄く超短いのが何本も。ああいうのは凄くお洒落だし。あれはちょっとお洒落すぎると思うけど、でも素敵だなとは思います。ああいうのはちょっとやってみたいなと。

T:何か観てみたいですね。何か映像的な感じもするんですよね。

N:そう言ってもらえると凄く嬉しいですね。いっつも思ってるのは勿論歌詞の言葉遣いとかも大事なんですけど、何か映像を凄く意識していて、景色とか、このメロディーでこの歌詞でこういう景色が見えてほしいっていうのは凄く意識してるんで。それはほんと昔から変わらないものだったんで。それを言って頂けると凄く嬉しいです。

T;何か時代が進んでホログラムみたいなので風景が立体的に浮かぶと、凄く曲に合っていくんじゃないかなっていう。そういう感じですよね。何かこう、1面じゃなくて。

N:そうですね。でもきっと多分、近未来の映像とかじゃなくて、何か過去に誰もが観た筈の、で、忘れちゃってる筈の映像なんじゃないかなとは自分で思うんですけど。

T:割と何か『和』な感じはしますよね。 日本的な。

N:あ、本当ですか。へー、それは結構初めて言われたかもしれない。

T;次の作品を楽しみにしています。

N:はい。

T:何かmomentでも映像とかでコラボレーション出来たら楽しいなって思います。

N:是非是非。

T:今日はありがとうございました。

N;ありがとうございました。



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