新春放談:山本紗由(moment Strings Ensemble)×TERA(moment)

2008年、moment String Quartetの第一ヴァイオリンとして活躍した山本紗由と、moment代表のTERAの
moment2008年の活動を振り返る、2009年「新春放談」です。(
かなりの放談です)

(2008年12月末日/momentにて/インタビュアー:TERA@moment)

 2009年新春放談:山本紗由(moment Strings Ensemble)×TERA(moment)

TERA(以下:T):では、2009年新春放談という事で、昨年2008年「moment String Quartet」の中心的な役割を果たしてくれた紗由さんと、momentの2008年を振り返りたいと思います。では、宜しくお願いします!

山本紗由(以下:S):よろしくお願いします。

T:まず、以前のインタビューでは、1回目の弦カルライブ辺りで終わったんですけども。今回は、2009年新春対談と言うことで、2008年のmomentの映画とカルテットの活動を振り返っていきましょう。

S:はい。

T:第1回、「瞬間的 弦楽四重奏団-第一夜-」からいきますと、ゲストが種(ともこ)さんと、瀬木(貴将)さんでしたが、どうでしたか?

S:瀬木さんの息、すごかったです。

T:(笑) 瀬木さんはいつも、繊細でパワフルです。

S:すごい、外見も大柄で(笑) 種さんは小柄な女性で、対照的で面白かったですねー。確か1回目のライブって、私が舞台に出て本番が終わった5日後でしたね。

T:あの時は、メンバー皆さん、忙しかったですよね。

S:なんか異常な忙しさの中で、わーってライブやって、もう…頭が狂いそうでした(笑)

T:(笑)

S:実は私は「カルテット」をちゃんとやるのが初めてだったし、メンバーともいままで、やったことがなかったから…。

T:最初は、この先、続いていくとは、思ってもいなかったですね。

S:その場限りのパッとした感じで。お互いの意思疎通もあまり図れてなかったと(笑)。どこかでギスギスしたりしてたと思いますね、今思うとね!

T:でも4回、5回、6回と、非常に良い感じで続いて来ましたね。

S:そうですね。

T:第二夜のゲスト、鈴木雄大さん、安部恭弘さんはどうでしたか?

S:面白かったのは、安部さんが、がっちりもらった練習時間をフルに使って、当日リハもギリギリまで、なタイプの人だったのと、対照的に、雄大さんは1回通して終わり〜みたいな!(笑)

T:(笑)

S:極端に違ったのがすごい印象的でしたね。安部さんは本番前までどんどん楽譜変えるし、詰めて詰めての人で、雄大さん「あーいいんじゃなーい」「いーじゃん!あとは本番で〜」みたいな。こんなにアーティストによって違うのかっていうのは印象的でしたね。

T:カルテットのメンバー皆言ってましたね。

S:安部さんはね、本当にすごかったですね〜詰め方が。

T:僕が面白かったのが、本番MCで、安部さんが振り向いて、「お前ら引き締めていけよー!」ってカルテットに言って、直後、自分で歌詞間違えちゃった瞬間でした(笑)

S:「あ、間違えました!もう1回」って言ってましたね。あ、いいんだ!間違えたらもう1回やりますって言っていいんだぐらいの。ある意味ゆるい人なんだなっていう(笑)

T:リハ厳しかったけど、本番ゆるかったですね。

S:なんとも言えない。良い感じで、忘れられない(笑)

T:では、第三夜のゲスト、吉良(ZABADAK)さんとプラネタリウムはどうでしたか?

S:ZABADAK。ものすごい難しい楽譜だった。でも元々『桜』とかは、変拍子で難しかったっていうのがあって。かなり必死で弾いたなーっていう印象がありますね、コンツェルトみたいだったって。私以外の人もすごい大変だったと思います。プラネタリウムはプラネタリウムで変わった曲でね、『ガマ王子vsザリガニ魔人』とか。

T:独特ですね。

S:すごい独特で、なかなか捉え所が。フッて感じの曲だったから。今はもう曲も馴染んで弾けるけど、合うまでが本当に大変でしたね。榎本(高)さんが、かなりサポートしてくれて、なんとか頑張ったって感じです。この2つは結構大変だったなーっていう、曲が難曲だったなーっていう記憶がありますね。

T:吉良(知彦)さんの熱演ぶりが。

S:吉良さんすごかったですねー!「ほとばしる汗!」みたいな。汗がもう、どこの滝に打たれてきたんだ?!みたいな状態(笑)

T:すごい汗でしたね!

S:すごいですね、あんな魂を。魂が流出してる感じでしたね。プラネタリウムのお2人がどっちかっていうと飄々とした感じの方だったのでここもまた対照的といえば対照的なんですよね。

T:そうですね。それで3回目は、moment string quartetの演目もバラエティに富んできましたよね。

S:そうですね段々。

T:『仮面ライダーV3』とか。

S:そして、どんどん小弥さんが色物になってきたり(笑)

T:(笑)。ショートコントとか。

S:この頃、小弥さんにもMCを振るようになってきたんですよね。

T:この辺りから、「カルテットも続いていくかな?」となんとなく思い始めたり。

S:そうですね〜。最初のうちは本当にわけがわからない状態で。段々形が出来てきた辺りですねぇ。

T:そして夏、8月は、(伊藤)銀次さんとね。

S:銀次さんでしたね。「ウキウキWatching」!!!

T:(笑)

S:銀次さん、曲多かったんです。

T:そうですね。それまで2組ゲストだったのが、1組ゲストに変わって。

S:1組ゲストで、もう後半がっつりずっと銀次さんでしたね。

T:銀次さんとのリハはどうでした?

S:すごい夜中までやってた気がします。

T:銀次さんがウルフルズのレコーディングで忙しくて、夜中しか出来なかったんですよね。

S:そうでしたね〜。でも銀次さんは、とても優しい方っていうか、良い人だったな〜って。

T:ギター持ってきたけど、弾かなかったですよね(笑) カルテットバックだけで歌いたいという気持ちが強かったかな。

S:そうそう。随分ベテランの方っていうのもあるんでしょうけどバランスが取れているっていうか。銀次さんは、すごい正統な練習だった気がします。

T:そして9月は我那覇(美奈)さんとセプコンですね。

S:ですね。

T:この頃カルテットも、それぞれの癖とかやり方とか、4人の立ち位置的なものが見えて来て。

S:そうですね、最初の内は色々とあったんですけど、だいぶこの頃から仲良くなって。って言うのも変ですけど、元から仲悪いわけじゃなかったんで。

T:やっと落ち着いてきた感じが出てきましたね。

S:そうですね。(木野)裕子ちゃんが意外に面白いっていう(笑)

T:(笑)

S:(木野)裕子ちゃんが、野生動物のように生きていて(笑)、(郷田)祐美子ちゃんが元気に引っ張ってくれて。

T:我那覇(美奈)さんはどうでしたか?

S:我那覇さんは明るい方でしたね〜。私あんまりJ−POPを聴かないのですけど。一番思ったのがやっぱり沖縄の方っていうのがあって、太陽のような方だなーって思いましたね。

T:メンバー皆、「可愛い、可愛い」って言ってましたよね。

S:特に祐美子ちゃんが我那覇さんみたいな子大好きみたいで、「可愛い、可愛い」ってうるさかったですねー(笑)

T:我那覇さんもたっぷりと演奏しました。

S:ジブリのラピュタの歌を歌ったりカーペンターズもやったりとか。我那覇さんは練習の度に自分の声を録って、すごい勤勉な方だなと思いました。

T:そうですね。よりベストな状態に自分を持っていくって感じで。

S:本当に歌うのが好きな女性なんだなって思いましたね。

T:秋になって、また皆、忙しくなりつつも、11月は2本やりましたね。

S:2本もやりましたねー。

T:はい。井沢彩萌さんと弦楽六重奏で初演奏という感じで。クリスマスイヴェントや来年に向けての準備というか試しのような形で。

S:もう随分昔のことのような気がするけど…(笑)

T:先月です(笑)。(井沢)彩萌さん、ギターの間宮(工)さんはどうでしたか?

S:ギタリストの間宮さんもすっごく良い方でした。私がある曲で、どーーしても弾けない部分があったんですけど、間宮さんや彩萌さんが励まして下さったなーっていうのがありました。彩萌さんは独特の…空気に溶けて飛んでいってしまうのではなかろうかという女性ですよね(笑)

T:独特な感じですね。その2日後11月27日が、初のApple Storeでしたね。

S:そうですね、初アップルでしたね。

T:どうでしたか?

S:なんか…妙に好評でしたよね?

T:でしたね。

S:リハの時から外国の方が声をかけて下さったりとか、全然知らない人に声をかけられたりとかして。

T:アップルストアで弦楽カルテットっていうのが、珍しいのかもしれないですね。

S:普段どんなライブをしてるか実はあんまり知らなくて。行ってみて「なんだこいつら」ってアウェーな感じだったらどうしましょうと思ってたんだけど。無料で聴けるって言うのもあったせいか、私は知り合いが見に来てくれて。お客さんも結構立ち止まって聴いてくれた人がいた感じでしたね。

T:良い感じでしたね。

S:選曲も『サウンド・オブ・ミュージック』が良かったんじゃないかなと思うんですけど。知り合いから結構感想のメールをもらったんですけど、あれはとても好評でした。泣きそうになったとか言ってて。

T:おおー。

S:人様のスペースに行って、全然知らない人たちの前でやるっていうのが初めてで。やっぱりね、怖いじゃないですけど、どうなるのかしら?っていうのがあって…。外だったし。

T:なるほど。

S:っていうのはあったけどかなり温かい感じだったなーと思いますね〜。

T:そうですね。そして「moment Christmas Session 2008」が。もう今年はあと1回ですね。

S:ライブはあと1回ですね〜。

T:クリスマスセッションと言えば。去年2007年のクリスマスセッションのオープニング映像で、○A○U、いや紗由さんが。

S:紗由さんが、○A○Uさんの時ですね。禁断の事を言いましたね〜(笑)。

T:(汗)

S:生まれた時から紗由なんですよ。

T:そうですね〜。その紗由さんが、2007年にmoment来て初めて映像収録した曲が、実は『ほこりだらけのクリスマスツリー』で(笑)

S:そうでしたね〜!

T:2008年以降の活動予告的なものを、2007年クリスマスイベントのオープニングで入れたかったという部分で、moment映像初めてのバイオリンを弾いてもらったという経緯が。いまも予告編で観れますけど。何か、変わりましたよね?

S:痩せてますからね。完全に(笑)

T:(笑)

S:ちょっと、ふっくらしてますね、この時は。でも、すごく痩せたって言うのは良く言われますね。

T:ですよね。

S:あれを撮った頃、まだ学生なんですよ、私。学生で卒業試験の前とかで。やっぱりね、社会に出ると、こう(笑)。(木野)裕子ちゃんとかも、ちょっと面持ちが変わって、小弥さんも。小弥さん…(笑)

T:(笑)

S:小弥さんもやっぱり変わってますからね。大学を出た組と。(郷田)祐美子ちゃんは、まだ学生っていうのもあるけど。完全に大学に行かなくなってしまうっていうと、ちょっと変わりますね、やっぱり。社会との接し方とかはそこで会っていく人とかによって。やっぱり大変な部分もあるし。それで痩せちゃったんじゃないですか(笑)

T:で、その『ほこりだらけのクリスマスツリー』を撮った後に、1年かけて短編映画を撮り始めることになったのですが。

S:そうですね。

T:『revolution et voyage』(革命と旅)というタイトルで。僕のディレクションで。

S:ええ(笑)

T:「革命と旅」っていう。「え?こういう終わり方だったんだ」っていう。

S:まだ、でも、終わってないですよね?

T:でも、これが掲載される頃近くには、最終話が配信されると思います。全episode9までで、途中インターミッションが2つで全部で11本。合計すると2時間強で。

S:はい。

T:短編映画はどうでしたか?

S:謎ですよね〜。

T:謎ですよね〜。

S:いやいや、撮ってる方が何を言ってるんですか(笑)

T:(笑)

S:見た人に言われるのが、「ストーリーはあるのか?」って。

T:あ〜、それ問題ですよね。

S:「ストーリーはあるのか?設定はあるのか?」っていうのは、よく言われますね。

T:あれは記念アルバムみたいなものですからね。

S:そうなんですか?え、TERAさんの記念アルバム?

T:いえ、2008年の、momentの、ってことですね。

S:あ〜。

T:momentでは、いくつもの映画を撮ってきて、いつも地元で撮るんですね。momentのある場所で。昔は世田谷で用賀近くだったので用賀がよく出てきてて。最近は高津に移ったので高津がよく出てきて。

S:そうですね。

T:近くの神社がロケのメインで。

S:神社いっぱい行きましたね〜。

T:はい(笑)。神社のメインストリートで予告編を撮り始めて。

S:なんであそこでキャリーバックを引きずるんだ?っていう。最初、私まで引きずられたり。

T:はははは、キャリーバックのように(笑)

S:キャリーバックのように引きずられるシーンがありましたからね、私(笑)

T:まず、1話は、バイオリンをしまうとこから始まるんですね。

S:あ〜そうでしたね。ライブハウスで。

T:あれは実は、「ほこりだらけのクリスマスツリー」を収録した後という設定で。その瞬間、白い石が「キラッと」光って、それを袋に入れて大事にしまって。それで、帰りがけに拉致されるという。

S:拉致された。拉致された。

T:いきなりですからね。これから何が始まるんだろうっていう感じですよね。

S:そうですね〜…海とかも行きましたね。

T:海、行きましたね〜。

S:すっごい寒かったんですよね。

T:あれは2月、3月くらいで寒い冬の海でしたね。

S:冬の海の目の前で、冷蔵庫の前に座ったまま、じっとしてなきゃいけないっていう。でも、もう1人、西川綾乃さんっていう女優の方と一緒で、彼女はもっと可哀相で、死体の役で地面に転がってないといけないっていう(笑)

T:砂浜に寝たきりでしたね。ゆうたろうもビックリで。

S:ほんっとに可哀相で。撮影が終わっても、寒いから固まっちゃって生き返れないみたいな。

T:なんで、死んでたんですかね〜砂浜で。

S:ね〜。刺されちゃったんじゃないですか?誰かにね〜。

T:怖いな…。

S:怖いですね〜。

T:あの白い石は何なんでしょうかね?

S:あの石は何なんですか?

T:キラキラしてますもんね。

S:キラキラしててねぇ…。

T:あれは石なんでしょうか…。

S:飛行石?

T:あっ…そうかもしれないですね。

S:本当ですか?

T:ふふふふ。

S:それは、やっぱりTERAさんの頭の中にはあるんでしょ?その石が。

T:ええ。あと、大阪行きましたよね。

S:あー…すごい逸らし方、もう〜。

T:(笑)

S:でも、あのムービーの最初の方見ると、オープニングムービーの時も話しましたけど、全然顔が違っておかしいんですよね。髪型のせいもあるのかもしれないけど…。

T:そうですね。顔変化してます!見所です。あと、後半は、旅ですね。

S:旅しましたね〜。

T:あれは、(井沢)彩萌さんのアップルストアツアーっていうのがありましたからね。

S:くっついて行ったんですよね(笑)。

T:くっつきました。なんか妙な外国人の方、いましたよね。

S:いたいた。宣教師いましたよね、宣教師。

T:名古屋でしたよね。

S:名古屋の、なんかすごい金ピカの銅像が…。

T:そうそう。金ピカの銅像の公園があって、その入り口で勧誘してましたよね。

S:「神ヲ信ジマスカー?」って言ってましたね。

T:格好の題材でしたね〜。

S:完全に使ってましたね〜。やったー!みたいな。仕留めたー!くらいの勢いでしたねー。

T:(笑)記念アルバムですからね〜。

S:…記念アルバムにしては、混沌としてますよね?(笑)

T:混沌としてますね(笑)

S:特に、ここ最近、episode7,8辺りの混沌具合はすごいですよね、どうしちゃったの?みたいな。

T:ヒデアキ、歌ってますよね。「インターナショナル」。

S:秀明、歌ってますねー。秀明は。

T:カルトアクター。(hideaki kudo)

S:カルトアクターなんですかねぇ。

T:いやぁ〜、結構、僕の中ではキてますよ、今。

S:実は、私、そんなに付き合いがなく…今年出会った人なので。

T:僕も、カルテットライブを見に来てくれてて、会って。

S:結構、ヘビーに来てくれてて。

T:なんかちょっと、「似た感じのオタッキーな人がいるなぁ」てな感じで。

S:毎回「この映画見た事ありますか?」って聞くと、必ず手を挙げるんですよ。彼だけね(笑)

T:そうですね(笑)。映画オタクですもんね。

S:相当ですね。TERAさんと張るんじゃないですかね。

T:すごい見てますね、ヒデアキは。ぼくも、負けませんけどね。

S:負けませんか(笑)

T:(笑)

S:TERAさんは、DVDの所持数が、すごいですからね。

T:いっぱい見てますからね。1000枚は軽く越えます。

S:いっぱい見てますよね〜。2人共ね〜。

T:この「revolution et voyage」、タイトルがオシャレでしょ?

S:なんかね。

T:(笑)。わりと映画の中で、フランス語使ってます。

S:フランス語、好きなんですか?

T:いや、なんとなくフランス語っぽくしただけで。(佐藤)奈々子さんに電話して、意味合いとか発音を聞いたり。

S:なるほど〜。出てる私はものすごい日本語なんですけど大丈夫なんですかね?

T:でも、フランス映画に日本の女性とか出て来ますよね、おかっぱ頭で。

S:私、ヨーロッパの映画に出てくる日本人みたいってよく言われますね。

T:そのイメージあったんです。

S:そうなんですか。

T:僕の中で好きな映画のオマージュを20個ぐらい取り入れてるんですけど。誰も分かんないと思います(笑)。

S:あ、そこは別に明かさない感じ?

T:そうです、お楽しみです。

S:オマージュなんですね〜。あの、久堂(秀明)さんが歌ってるのも?

T:「インターナショナル」を歌ってるのは、ちょっと「革命」が足りなくて。

S:突然「革命」し過ぎでしょ。

T:ははは(笑)。でも、あの歌を、この時代に思いきり歌うのは、わりと珍しいかもしれないですよ。

S:ほぉ〜。

T:「フリーチベット」とか、多分、最近でも歌われてると思うんですけど、日本の中で、あの曲が声高らかに歌われるのは、珍しいことかと。僕の中では、すごく意味ある事のひとつなんですけど。

S:TERAさんにとっては、やっぱり「革命」っていうのは大きい事ですか?

T:2008年のテーマでしたね。

S:それは、自分の中を「革命」しようと?

T:そうですね。こう、当たりさわりのないことばかり溢れてる日本なので。「あれ、これ、それ」を、肯定してもいいんじゃないかって。

S:ほ〜。

T:映画の最初の方で、「種ともこ」さんとか「吉良知彦」さんとか「リクオ」さんとかの、革命についてのインタビューフィルムも入ってます。

S:入ってましたね。

T:実は、すごく面白かった「HEATWAVE」の革命についてのインタビューもありましたが、もったいなくて入れてません。「革命」については、三者三様の捉え方があって、でもその中で、僕の考えに近い部分だけを抜き出して、映像に差し込んでみて。

S:「革命の後に腐敗が起こる」みたいなこと言ってましたっけね。

T:そうですね。「革命」は、とてつもなく強く壮大、人間にとって危険な動きなんだけど。もしかしたら単純に「希望」でしかないと言うか、「利己」的なものでしかないかもしれない。ただ、それを起こす人の表情とか前向きな精神っていうのは、多分、ピュアで美しいものだと思うので、その辺を切り取りたかったっていうのもある。

S:じゃあ、TERAさん的には、現代の日本で「革命」は必要だと思ってますか?

T:生き物を死に巻き込むような動きは多分必要なくて。今は時代的にもインターネットとか、個人が自由にセレクトして何かを作ったり選んだり生み出したり出来る時代なので、要するにセレクトする側の力を高めたいと言うか。今までのだらだらとした、TVなどの大きなマスメディアとかに、大勢が無駄に安っぽく洗脳されてた時代ではなく、ネット時代をくぐり抜けて、それぞれが自分の力を持って、それを生み出して訴えていって欲しいという希望とかが。それが1つの、意識的だけど、いま可能な「革命」かと。

S:ほぉ〜…。

T:だから短篇映画として、映像的には、何でも良かったと言えば何でも良かったわけで。ただ、その映された「眼」とか、「表情」とか、「クラシック音楽」とかも、そんなに綺麗過ぎるとか、洗練され過ぎているとか、プロフェッショナル過ぎるっていう部分は全く必要なかったっていうか。「若くて前向き」であるっていうだけで良かった。だから常に短篇映像の中で紗由さんは「歩いてる」。最初の西川綾乃さん扮する女は「走り」すぎたんですね。多分。

S:歩いてますね〜。

T:みんな、前向きなんで。

S:寝てる時もありましたよね。

T:夢の部分は多分「希望」です。パーソナルな夢、意識、好きなものを選んでいくイメージ。最後は、ヒデアキが『Internationale』歌ってくれましたし。(笑)

S:(笑)秀明はかなり本気で歌ってくれましたからねー。

T:すごいパワーです。

S:ビックリしましたねー。

T:ヤバいですよ。

S:彼は…最初私が、歌っている音だけ録ってくるって話で。

T:そうですね。

S:音だけ録ってくるんでって言ったんですけど。当日カラオケで録ったんですけど、現場行ったら、上下スーツでしたもんね。

T:ははは!

S:「何故?!何故、その格好で来た秀明っ!」みたいな。

T:スーツ良かったですね。

S:胡散臭さがね〜。

T:いいですね。

S:たまらないですね〜。

T: 決してチェ・ゲバラみたいに迷彩とか戦うイメージの革命家じゃなくて、ちょっと小奇麗な普通の人風が良かったですね。

S:目に狂気がありますからね。

T:良かったですね〜。

S:ちょっと独特ですしね、風貌がね。

T:う〜ん(笑)。来年も何か歌って欲しいですね。

S:歌って欲しいですね〜。歌が上手いんですよね。

T:あ、そうなんだ。

S:彼が個人でやってる「KD」っていう1人芝居があって、その仲間一派がいて。今、カラオケって録音出来るじゃないですか?

T:出来ますね。

S:昔の特撮の歌を自分で歌って、録ってっていうのが、なんか普通に上手い(笑)

T:(笑)

S:それは普通に上手いなって。駄目なのもあるんですけど、なんか上手いんですよね。

T:弦カルライブで飛び入りで歌わせちゃう?

S:あ〜それはもうイベントですね。

T:ですよね。

S:そうですね〜。でも私はやっぱり特撮大会やりたいですね。V3はもう歌入りでね。あ、V3も彼歌ってましたよ!

T:やりたいですね、フルコーラスでね。

S:フルコーラスで。久堂さん。

T:うん。いつか特撮大会やりたいですね。

S:TERAさんは、特撮好きなんですか?

T:大好きですよ(笑)

S:初めてmomentに来た時も、特撮の話で盛り上がりましたよね?(笑)

T:盛り上がりましたねー。

S:ゲームと特撮と。

T:そうですねー。でも、今はもう仮面ライダー見てないですけどね。

S:私もキバは見てないですねー。電王は見てましたけど。

T:来年の知ってます?

S:え、知らない。

T:レジェンド的なやつなんですよ。

S:どんな?

T:平成ライダーが10周年なんですよ。

S:あ〜、うんうん。

T:どのライダーの時代にも行けるみたいなのがあって、各平成のライダーが出てくるらしいんですよ。

S:それは昔の映像が出てくるんですか?

T:いや、多分新たに撮り直してでしょう。まさか、今の仮面ライダーにオダギリジョー(クウガ)が出てくるわけないですからね。

S:そこをあえて!

T:はははは(笑)

S:そこをあえて、オダギリジョーに出て欲しいですね、私は。

T:ライダーをもう一回やるぐらいな変態になって欲しいですね。

S:変態であって欲しいですね。

T:次回作が、キム・キドク監督ですからね。

S:あー…!そうでしたね〜!

T:もう1回変身してもらって。

S:そうそうそう…でも私、実は見てないんですけどね。

T:(笑)

S:TERAさんは、ウルトラマン・仮面ライダー・レンジャー系でいったら、仮面ライダーが一番好きなんですよね?

T:うん。

S:私、ウルトラマンが好き(笑)

T:秋に見ましたよ。ウルトラ8兄弟。

S:おー!どうでした?

T:面白かった!

S:そうだったんですね。

T:その日は『20世紀少年』と2本立てで見ました。したら『20世紀少年』の中で、子供たちがウルトラマンのスペシウム光線のポーズを丘の上でやるシーンがあって。繋がってましたね、2つの映画が。

S:あー素晴らしいですねー。ん…?(笑)

T:『20世紀少年』もウルトラ世代を感じさせましたね。

S:漫画原作ですね〜。

T:あの人の漫画は、全然読んだことないですね。

S:私『MONSTER』は全部読んだ。

T:あ、『MONSTER』はアニメで見ましたね。面白かったですね。

S:面白かったですね。

T:ナチス絡みで。

S:そうそう。なんか実験的な話でしたね確か、恐怖の実験。

T:恐怖の実験って最近なんかありましたよね?

S:あったっけ…。

T:………あれ?

S:(笑)

T:…あっ!『ダークナイト』ですね!

S:あ〜、バットマンだ!ヒース・レジャーの。

T:そう。どんな人でも悪や闇がある事を証明する為に、ジョーカーが色々トラップを仕掛けるんだけど。既に名作ですね、あれは。

S:私、バットマンシリーズは見てないので、見たいんですけど。

T:『バットマンビギンズ』は、そうでもないんですけど、『ダークナイト』はすごかった。名作ですね。

S:なんかヒース・レジャーの演技がすごいって色んな所で聞きます。

T:今年の2番目か、3番目に入ります。1番は『ATONEMENT』ですが。

S:おー、それはすごい。意外にね、私はあんまり映画を見ていないって言う。

T:なるほど。まぁ、それを踏まえて来年「moment Strings Ensemble」を。

S:それを踏まえるんですか?!(笑)

T:(笑)。今年はカルテット4人で、第1期メンバーで、やってきましたけど、来年はアンサンブルメンバー。今年の暮れからメンバーが増えまして。

S:ええ。

T:ヴィオラの、はとぽう。

S:はとぽう!

T:バイオリンのタロ。

S:タロ!(笑)

T:タロはヴァイオリンの有馬真帆子さん。はとぽうはヴィオラの羽藤尚子さん。そしてね、チェロの吉良(都)ちゃん。増えてますね。

S:3人ですね。

T:今のとこ3人、皆、素敵に独特です。

S:あ〜独特ですねぇ〜。まぁ、楽器やってる人は変な人しかいないって言う(笑)

T:ですよね(笑)。なんか「クラッシック=清楚」な感じをイメージしてた僕は、その常識を覆されましたね、今年いっぱいで。

S:まぁ、でも、私とかも黙っていれば、一応、清楚とは言われるんですけど。

T:(笑)

S:ええ、一応は。

T:皆、それぞれ、独特ですね。

S:そうですよね〜。特にうちのカルテットは全員ね〜。

T:お転婆ですから。

S:おてんば…(笑)。全員カラーは違いますね、完全に。

T:でも大学では、アカデミックを極めている人もいっぱいいるんでしょ?

S:いや〜、変人が多いですよ。

T:多いんだ。

S:私が言えたことじゃないんですけど(笑)。私も多分、人から見れば変わっている部類には入っていると思うので。

T:来年は編成をいろいろと。カルテットをやったり、自由度を増して、Apple Storeとか鈴ん小屋もそうだし、いろいろmomentイベントとアーティストのサポートとか、好きなペースでやっていくという感じで活動していきたいなと。

S:はい。活動して、いきたいですね。

T:思ってます?

S:はい、思ってます(笑)

T:(笑)。個人的に来年の目標とかありますか?

S:来年の目標ですかー…。

T:結婚とか。

S:(笑)結婚はないですねー。TERAさんはどうなんですか?(笑)

T:僕?ですかーーー(笑)。

S:ちょっとホームページには載せられない展開になってきますね、これは(笑)

T:(笑)最近、ゲームやってますか?

S:(笑)ゲームはちょこちょこ。

T:2008年は「モンハン」?

S:って言っても、昔の私のゲーマーっぷりからいくと、全然やってないですね〜。実は。オタクなの多分私だけなんですよ。ゲームは、(郷田)祐美子ちゃんがやりますけど。

T:やってますねー。僕は2008年は、wiiでしたねー。

S:あと、はとぽうも、わりとオタクはオタクですね。

T:なるほど。じゃ、それを踏まえて2009年。

S:ええ(笑)

T:いい年になりますかね?

S:それはやっぱり、自分たち次第じゃないですかね。

T:来年のmomentの目標は何にしましょうか?今年は「革命と旅」でしたからね。

S:はい。

T:それが来年の2月くらいまで続くとしても、新たな何か。

S:TERAさんは、何かないんですか?

T:来年は「レジェンド」ですかね。

S:それ仮面ライダーですよね?(笑)

T:2008年の仮面ライダーキバは、「ヴァイオリン」でしたからね。

S:でしたねー。とても弾いてるように見えないと友達が言ってました。私は残念ながら一回も見てないんですけどね。

T:来年は「レジェンド」にしようかな〜(笑)

S:どうーなんですか、それは!(笑)

T:最近、アニバーサリー的な動き、多いんですよ音楽的な面で、安部さん25周年だったり、杉さん30周年だったり、銀次さんが30周年だったり。長く続けてる人には歴史があってそれを紐解いてって、また新しい解釈で見てもらったり聴いてもらったりって言う。そういうものを若い世代に語り継いでいったりとか、それをずっと大切にしてる彼らの素晴らしいファンとひとときを楽しんだりとか。momentならではの役割というか、momentでしか出来ないやり方でと思います。カルテットでやってるカバー曲、特撮、アニメに関しても、クラシックに関しても、リスペクトとか。そういう「レジェンド」なものもね。ははは(笑)

S:なんで、笑うんですか〜(笑)

T:いや、なんか、死語?「レジェンド」って言わないよね。

S:うん、言わない。

T:でもこの前『ジャンプレジェンド』っていうのが出たんですよ。

S:へぇー!

T:昔の少年ジャンプで連載してた漫画の第1話を一同に集めたコンビニ本なんですけど。

S:おぉ〜。

T:これ、結構、面白いんですよね。売れてるんですよね『ジャンプレジェンド』って。

S:そうなんだ〜。

T:それを踏まえて。2009年またちょっと色々と。

S:はい、前向きに行きたいですね。

T:momentメンバー、一丸となって。今、250人くらいですかねぇ。

S:ふふふふふ(笑)

T:25人くらいですかねぇ?

S:25人もいないですね〜。

T:素晴らしいですね。

S:レジェンドですもんね。

T:レジェンドにしなければ良かったかなー。

S:別にレジェンドじゃなくても…。

T:(笑)

S:「誠実」とか。

T:それを踏まえて。

S:はい。

T:音楽と映像で2009年も頑張っていきたいですね。

S:なかなか道は険しいですね!色々ね!

T:紗由さんの活動は、momentのブログとかホームページの中でチェックして頂ければ。

S:そうですね。

T:いっぱい踏まえる事があるんですけど、2009年。

S:何を踏まえたか忘れました、もう。

T:(笑)また来年、対談しましょう。今日は、かなり「放談」すぎましたが。また、2009年に何が起こったかとか、楽しみですね。

S:はい。

T:2009年も、マイペースに、よろしくお願いします。

S:よろしくお願いします。


【インフォメーション】

山本紗由さんの詳しいインフォメーションに関しましては、山本紗由オフィシャルHP(http://mayuyori.jugem.jp/)まで。