magazine: LOVE LETTER original comic


コミックを読む

※漫画は左読みになっています。

"short movie"にて公開中の作品「LOVE LETTER」でコンテとして使われたオリジナルコミックを紹介します。movieとあわせてご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。

KEN's Books Review
"moment"KENが短い人生経験の中から、個人的な思い入れを交えつつ、漫画、小説、雑誌などなど「誰かに教えたい!」と思う"本"を毎号、紹介していきます。
 
HOTEL CALFORINIA
著者:すぎむら しんいち
版元:講談社
発行:1992年2月〜1993年2月
価格:各485円(絶版)
 
物語の舞台は北海道の山奥に新設されたホテル。そのホテルには社長、ボーイ、マネージャー、ウェイトレスそれぞれ頭の中に色と欲が詰まった連中がひしめき合っている。ある日、ホテルに通じているただ一つの道が崖崩れで閉ざされてしまう。新設されたばかりで宣伝も行き届かないホテルの為、客もおらず、ホテルが外部から遮断された閉鎖空間になっても外の世界で気づく人はいない。そこへピストルを持った暴力団員がまぎれ込む。ウェイトレスの一人、基子が実は、暴力団から派遣された売春婦だったのだ。基子に惚れていた男子従業員たちはなんとか彼女を逃がそうとするが、周囲の森には熊も出る。そんな中、周囲の森の中に老人達だけの秘密のコロニーがあるのがわかる。温泉が湧く川のほとりに小屋が建てられ、鶏が飼われ、そして周りには広大な大麻の自然群落がある。家族から疎まれた老人達が温泉と大麻のある秘密境を発見し、ここに移り住んできたらしい。大麻と基子をかけて、それぞれ社会からぽっかりと浮かんだ宙ぶらりんの人間たちがたどり着く先は・・・。

初めてこの作品を読んだのは小学校5年生の時だ。正確にはその中の何話かだけなのだが、兄の部屋に置いてあったヤングマガジンで読んだ。ある時ふと、その存在を思い出して古本屋で探し出した。あらためて読返して、その面白さに引き込まれた。三谷幸喜さんあたりに映画化して欲しい。興味を持った人は、写真のヤンマガKCスペシャル版は現在絶版なので、KKベストセラーズ上下巻各1,895円(税別)で探して下さい。 すぎむら しんいち短編集『ALL NUDE』もおすすめ!