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momentと交流のある方々へのインタビューです。
#0は、映画監督のナリオ氏へのインタビューです。
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#0は、このサイトのデザイナー渡辺太朗氏とmomentのTERAの対談です。
2002.12.01
・2002.12.01「moment web site #0」 プレオープン!
プレオープン期間中は一部のコンテンツの配信が遅れることがあります。ご了承ください。
・2003.01.10「moment web site #1」 正式オープン(予定)!
毎月1本のショートムービーを発表します。(無料配信)
作品#0 LOVE LETTER 監督:寺澤祐貴 主演:高橋宏文・池上洋子 時間:約19分 |
江美が好きなヒロ...そんな彼がある朝ラブレターをもらった。 同じクラスの女の子らしい。 はたして誰からのラブレターなのか? |
momentに関連したシナリオ、コミック、ポエム、フォト等を掲載します。
#0は、「LOVE LETTER」(オリジナルコミック/1982/H.M)です。
momentに関連したアーティストやCD等の紹介、お勧めのレコメンツ等です。
#0は、「ザ・ピンクテールカラシンズ」の紹介です。
special issue: taro watanabe×TERA
渡辺太朗 1967年東京生まれ。デザイナー/アートディレクター。 1995年よりテキストとグラフィックによる表現のためのウェブサイト「mood.」を開始。2000年、佐野元春オフィシャルウェブサイト内の特設サイト「Spoken Words」を制作。現在は、「77graphics」として様々なデザイン活動を行っている。 mood@jp.org |
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二人の出会いから、それぞれの現在の活動について、和やかな雰囲気の中で話が進んだ。
(2002.11.8 世田谷「moment」にて)
渡辺 太朗(以下W):初めて会ったのは渋公(渋谷公会堂)ですよね。
TERA(以下T):そう。佐野(元春)さんのコンサートの後かな?
W:いや、前ですね。僕が*ヤンと遊んでて、そしたら*nanacoさんに紹介されて・・・。
T:そうだ。それでコンサート終わって、その後に、nanacoさん、ヤン、僕、かみさん、taroさんの5人で食事に行ったんですよね。その時に何か一緒にやりたいですねっていう話をしましたね。
W:もともとnanacoさんのwebを僕がやってて、それを見てもらっていたんでしたね。
T:今回やっと一緒にできて良かったです。
W:ありがとうございます。作ったものを見て気に入ってくれた人と一緒にやるのがデザイナーとしては一番やりやすいし、僕がどういうものが好きなのかわかってくれる人とやるのがやっぱりいいですね。仕事なんかだとそういうのを関係なく受けるけど、自分のボキャブラリーに無いものをやんなきゃいけなくなってかえって難しいですね。結果的にも気に入らないものになっちゃったりもするし。そういう面では今回はすごくやりやすいです。
T:taroさんが、webデザイナーを始めたきっかけは何だったんですか?
W: 22才から32才までの約10年間サラリーマンをやっていたんですが、そのなかで普通に会社に行って帰ってきて・・・。やることないじゃないですか。
T:うん(笑)
W:で、暇つぶしに始めたのが「mood.」っていうサイト。そもそもコンピューターを買ったきっかけっていうのが、当時パチンコにハマってて、お金がいくらあっても足りない状態で、これはまずい、何とかしないといけないと、それでコンピューターを買えば何か面白いことができるんじゃないかなと思って、その時にMacを買ってやっとパチンコからぬけられたんですよ。
T:それが何年前ですか?
W:Macを買った時はwebを立ち上げる1年ぐらい前だから、8年前かな。最初はゲームとかばっかりやってたんだけど、そのうちインターネットっていうものがあるのを知って、当時「BRUTUS」かなんかでNASAのホームページのすごいきれいな宇宙の写真とかが出てて、こんなのがタダで見れちゃうのか、これはやらないわけにはいかないだろと。それで当時あまり数が無かったんだけどプロバイダを探して、周りにもやってる人がいなかったから全然わからない状態から始めたんだけど、やってみたら、通信速度も今みたいに速くないから電話代はかかるし、簡単なホームページばかりで、せいぜい写真がいくつかって感じだったけど、色んなものが見れて面白いし、作り方を見てみたら以外と簡単だったんです。
T:へぇ〜。
W:これだったら自分でもできるな、やってみようと思って。でも内容は何でもよかったんですよ。別にそれを言いたかったわけではなくて、サラリーマンってけっこう鬱屈するじゃない。
T:その時はどんな仕事をやってたんですか?
W:その時はデパートで働いてて、webを始めたころは洋服売ってました。そのストレス解消みたいな所もあったんだよね、自分の表現したい事が仕事では反映されないから。「Photoshop」っていうソフトを当時いじってて、普通は写真とか合成したりするんだけど、僕はそういうのは全然やってなくて、ロゴ作ったりして面白いなと思ってて。そういうのをいい具合に発表する場になると思ったんですよ。
T:じゃあ、最初は表現の一つの手段として考えていたとういう事?
W:そんなに崇高な目的じゃなくてただの暇つぶし(笑)。ただ、かっこいいホームページっていうのは今みたいにそんなに無くて、もっと事務的なものか多かった。でも海外のホームページは当時から進んでいて、例えばNYのホームページを作るデザイン会社とかのサイトはすごくかっこよかった。それで自分もこういうのを作りたいなって思ったのはありますね。
T:やっぱりNASAのホームページは見ました?
W:うん、一番最初に。やっぱすごいなと思った。コンテンツ量が莫大にあるし、当時だから写真とかもジッ、ジッ、ジッ、って感じで出てくる時代(笑)で、電話代もかかるし大変だったんだけどすごいなっていうのはありましたね。
T:そこからの職業としてwebデザイナーをやるようになったきっかけっていうのは?
W:そこから4年ぐらいは個人サイトとして「mood.」っていうのを運営していたんですけど、僕は、もともと佐野さんの大ファンで、ちょうど「STONES
and EGGS」ってアルバムがリリースされて、それを聴いた時に、いつも佐野さんの曲はファンにそう思わせる所があると思うんだけど、自分の事を歌ってくれているって思って。まあ大きな勘違いなんだけど、その勘違いで僕はずっと20年間、「佐野元春」を聴いている(笑)。それをどうにか伝えたいっていう気持ちになって。佐野さんのホームページは以前から充実してて、コンピューターを買った当時も見てたし、「カフェボヘミア」っていう掲示板にも発言してたりもしてて、ファンクラブには入ってないけどコアなファンだった。それで「STONES
and EGGS」を聴いて佐野さん何か言いたいと思って、ホームページの「元春への伝言」っていう所からメールを書きました。「すごくよかったです」みたいな、あんまりたいした事は書いてなかったと思うんだけど。それで「自分はこういうホームページやってます」というような事を書いたら、それを佐野さんが見てくれて、「mood.」ってサイトを気に入ってもらえたみたいで、「何か機会があったら一緒にやりましょう。」っていう返事をくれたんです。
T:いい出会いですね。
W:まさか自分に返事がくるなんて思ってもみなかったからその時は本当にびっくりしましたね。僕にとって佐野さんはまさに「雲の上の人」でしたから。それでそのあと何度かメールでやりとりをして、初めてコンタクトした時からちょうど1年後ぐらいに「Spoken
Words」っていう詩の朗読のCDが出るっていうのが決まって、その時に僕に特設のホームページを作りませんかっていう話が佐野さんからきたんです。その時僕はデパート辞めてて、知り合いがやってる小さい会社で働いてたんだけど・・・。
T:それはどういう会社?
W:それが怪しい会社で、エアガンのパーツを製造している会社(笑)。その時にその会社で「ホワイトアウト」っていう映画があった時期で、それ用に「AK-47」っていうマシンガンのプロップガンを作ったりとか。
T:あの雪の中で撃ち合いしてるやつだ。
W:そうそう。ロケに行ったりもしましたね。そこに勤めはじめて1年ぐらいだったかな。佐野さんからそういう話がきて、佐野さんなので当然断れるはずもなく。
T:そうですね。
W:それで会社に辞めますって言って(笑)。
T:それがきっかけなんだ(笑)。
W:それが99年の9月で、佐野さんの事務所に初めて行って、話を聞いたら実は(ホームページ公開までに)時間が無いという事だったと、確か2週間くらいしか無かったのかな。会社辞めなきゃできないじゃんっていう(笑)。必然的な流れで。
T:その作業に集中するために。
W:そう。それで中途半端な形で辞めちゃったから、その会社には迷惑掛けたんだけど、それは勘弁して下さい(笑)。
T:その「Spoken Words」のページを作った後は?
W:それで初めてホームページをほかの人の為に作って、じゃあ仕事を辞めちゃったからどうしようかって事になったんだけど、とりあえず失業保険があるから半年は生きていけるなって感じで(笑)。それで、だらだらずっとしてたんだけど、たまたまデパートにいた時に辞める前の3年間ぐらいは販売促進の部署にいて、お客さんに出すDMとか洋服のパンフレットとかそういうのを作る仕事をしていて・・・。
T:デザイン担当ですか?
W:いや、僕は発注する方。それでそういう仕事をしてたっていうのがたまたまあったので、暇になったから前の会社の人にメール出したりしたりとかして、今こんな事やってますっていったら、「じゃあ仕事すれば?」って言われて、いくつかその関係の仕事をしたと。
T: web?
W:最初はwebじゃなかったですね。パンフレットみたいな物だった。それが意外といいお金になって(笑)。最初は上司だった人から仕事をもらって、そうこうしているうちに他の人にもそれが知れて、いくつか仕事が入ってきて今に至るって感じですね。その間にいくつかデパート関係以外の仕事も入ってきたりして。その中の一つに佐野さんの紹介でnanacoさんのホームページの話があったという感じです。
T:なるほど。そういう流れなんですね。nanacoさんとの出逢いは?
W:2001年の5月ですね。ちょうど「river
nanaco」を立ち上げようとしてる時で、デザイナーがまだ決まってない状態だったので、じゃあ一緒にやりましょうという感じで。
T:現在nanacoさんと一緒に「Poetic
Physical Domain(以下PPD)」というバンドもやってますよね?
W:はい。僕はバンドでVJをやっています。nanacoさんとは仕事がきっかけだったんですけど、その後も個人的なつきあいが続きまして、去年(2001年)の10月に、nanacoさんと僕ともう1人デザイナーの女の子と一緒に沖縄に行ったんです。
T:沖縄?
W:nanacoさんが沖縄の伊平屋島というところにある洞の夢を見て、それでなぜか一緒に行きましょうということになって。その時に、伊平屋島とその隣の伊是名島というところに行ったんですけど、その伊是名島というのは琉球の王様が生まれた島で、ものすごく綺麗なビーチがあって。そこで3人でいたらnanacoさんが洞の唄を唄いだして。それで東京に帰ってきてからnanacoさんがギターの奥沢さんと一緒にそれを曲に仕上げたところから始まったんです。
それからnanacoさんの身近にいる人たちが集まって、「PPD」が形作られていきました。
T:主にどんな活動なんですか?
W:ライブを主体に活動しています。初台の「Doors」というライブハウスで月に一回くらいの割合でライブをしています。nanacoさんは写真家としても活躍されていますので、PPDでは単なる「バンドのライブ」ではなく、サウンドとヴィジュアルを合体させた表現をしようということでVJをしています。寺澤さんもnanacoさんとはかなり長いおつきあいですよね?
T:僕とnanacoさんの出会いは、今から7、8年前。僕はCM制作会社でコマーシャルを作ってたんだけど、その時期にnanacoさんがちょうど日本に帰ってきていて、写真とか撮り続けていたんだけど、その時僕の友達が彼女のアシスタントの友達でそれを通じて最初CMの仕事をやろうとしてコンタクトをとったのが始まりで、それから家族ぐるみで遊んだりしてた。そのうちに久しぶりに音楽を始めたいという事で、CDにすればいいんじゃないかなとか、ライブもできたらいいんじゃないかとか話していて、僕もCMの仕事を辞めてやりたいことが色々でてきていて、nanacoさんも過去の楽曲とかの出版物が、色んなところで宙ぶらりになって散乱してて、それをまとめなければいけないんじゃないかっていうのもあって一緒に“HAVEN”っていう会社を立ち上げたんです。2、3年一緒にやってて、目的は過去の楽曲をまとめる事と、CDを出す事、あとライブをやるっていう事で、その目的が達せられた時期に僕はまたふらりと違うフリーの映像の友達と組んで仕事したりして“HAVEN”を出るわけなんだけど。僕もnanacoさんを通じて佐野さんと知り合ったり、そういういいスタンスで活動している人達との流れのなかで太朗さんに会えたっていうのが僕が「一緒に何かやりたい」って思うきっかけの一つになったんですよ。もちろん太朗さんが作ったwebが僕の好きな感覚だったからなんですが。
W:僕も、佐野さんを通じていろんな人に出会うことができて、本当に感謝しています。今回、実現できてよかったですよね。
T:よかった。でも実は「moment」では最初webはあまり重要視してなかったんです。今年の夏にKEN(moment)と一緒に、佐野さんに会いに行って「moment」の話をした時に佐野さんが最初に言ってくれたのは「web
siteは?」ってことだったんだよね。その時に「moment」の在り方を考えたら、僕らの身の回りにいる映像作家とか、音楽やっている人達、演劇をやっている人達をまとめて交流させるっていうことで、いまは世田谷に事務所があるんだけど、そこの場所だけじゃなくもっと広く交流させる為にweb
siteっていうのはやっぱり必要だなと思って、佐野さんの言葉とtaroさんとなにかやりたいっていうのが結びついた。その直後かな、taroさんにメールを出したら快く受け入れてくれて。
W:web siteは手軽だし、「何かをやっている」っていう事を誰かに知らせるという目的に、これ以上の手段は今の所無いと思うのでぜひやるべきだと僕も思うし、「moment」のそういういろんな人達が出会う場所みたいなコンセプトにweb
siteはすごく適していると思う。やりとりがその場でできる、いろんな人の作品を紹介したりとか、その人のホームページを紹介したりだとかいろんなことができるメディアだと思うので、そういう開かれた感じっていうのを出せればいいなと思っているんです。
T:ちょうど今、デザインとかをやってもらってる最中でその「moment web site」ではショートムービーを流したり、インタビューを載せたり、まわりにいる人達をとり上げたり、まわりにいる映像作家達と映画を作っていったりするつもりなんだけど、ショートムービーに関しては昨日まではどのくらいクオリティで流せるのかっていう事しか考えてなかった。でも今日は太朗さんと*サーバーの会社(I.B.E)の人達と「webならではのムービー作り」とかを色々と話していたんですよね。
W:やっぱり手軽だからwebでやるっていうのも正しい使い方だけど、webでしかできない表現ももちろんあるわけで、それは映画ができないからwebでやるんじゃなくて、映画じゃできない事を逆にwebでやるっていう意気込みで作品を作れば面白いものができるんじゃないかと思いますね。
T:なかなか、映画だけや、TVだけやってるとどうしても片寄ってしまう部分があって、webの感覚に交われない所があるので、だからこそ太朗さんのようなwebデザイナーと映像作りができたら何か新しい試みができるんじゃないかと思うんですよね。
W:僕も映像作りに関しては素人同然なので色々勉強させてもらえればと思ってます。
T:もっといろんな人達がプロジェクトとして組んで次の新しい映像作りみたいなものが「moment」でやっていけたらいいなと、すごく楽しみにしてます。
W:個人のネットワークがどんどん広がっていってその力を集めて何年後かに何かやるっていうのもいいかもしれないし、それで個人ではできない大きい事、商業的って意味じゃないんだけど、技術事な事かもしれないし、いろんな独立した人達が集まって何か一つのものを作るっていうのは「moment」として到達点かもしれないですよね。
T:うん。これからどんどんweb siteを利用していろんなつながりが持てていろんなものが生まれてくる予感がしてすごく楽しみです。
W:今日のサーバーの会社との話では技術的には数年後にはいろんな問題が無くなるみたいな話だったし、今までは技術に縛られてここまでしかwebではできないからっていうのがあったけど、ムービーだって1、2年前までは考えつかなかったし、映画を配信するなんて技術的に有り得なかったのに今じゃ普通になりましたからね。今後、画像のサイズとか、映像のクオリティにしてもBSのデジタル波とかと変わらないクオリティが4、5年の間に実現するって話だから、ひょっとしたらもっと早いかもしれないし、そうなると作り手側の問題になってくる。技術の問題がクリアにされると言い訳できなくなっちゃう(笑)。
T:技術なものが上がるにせよ、やっぱり映画の脚本とか演出なんかの基本的な部分はしっかりやりつつ新しい部分とどう融合させていくかっていうのはこれからの課題です。
W:映像だけでなくいろんなものをやっていきたいっていうのがあるんですよね?
T:そうですね。
W:そういう複合的なクリエイションチームみたいなものになると面白いですよね。
T:みんなと一緒にわいわいやっていきたいなと思います。
END.
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