ブレッド&バター / Bread & Butter


今年3月10日に、ニューアルバム『SUMMER KNOWS』をリリースし、秋からの全国ツアー、更には2枚同時にアルバムレコーディングと精力的に活動を続けている、ブレッド&バターの最新ロングインタビューです。

(2004年7月7日/世田谷momentにて/インタビュアー:TERA@moment)






ブレッド&バター (Bread & Butter)


ブレッド&バター(岩沢幸矢/岩沢二弓)

1969年のデビュー以来、現在までに37枚のシングルと22枚のアルバムをリリースし、美しいメロディと心地よいハーモニーで多くのファンを魅了し続けている。
国内外の実力あるミュージシャンとの交流も幅広く、日本の音楽シーンの基盤を作ってきた第一人者といっても過言ではない。


詳しいプロフィールは、オフィシャルサイトをご覧下さい。
(http://bread-n-butter.net/)


「普遍的な」とか、サプライズした時、驚いた時に「ブレッド&バター」っていう言い方が。あと僕らの名前が『弓/矢』だから、弓矢と2つで1つっていう感じで。ブレッド&バターっていうのも、パンとバターじゃなくて、バター付パンっていうので、1つの単語になっている。2つで1つっていう意味がある。

TERA(以下:T):まず、お生まれと場所から、お聞きしたいと思います。

岩沢幸矢(以下:幸矢):生まれは、僕は東京で彼は横須賀なんですよ。育ったのは、僕は小学校前からずっと茅ヶ崎の海辺で育ったんです。

T:小さい頃は遊んだりとかは?お2人で?

幸矢:年が6つ離れてるんで、あんまり小さい頃は一緒に遊ばなかったですね。

T:環境的には、どんな場所だったんですか?

幸矢:子供の頃は海の側で、海岸でいつも遊んでた。

T:お二人が音楽に触れた、小さい頃の記憶はどの辺からですか?

幸矢:音楽に触れたのは、僕は親が音楽が好きで、歌が好きで歌っていたのをよく耳にしていましたね。そうですね。

岩沢二弓(以下:二弓):小さい頃は親父が歌ってましたよね。お酒飲んでよく。記憶としては、シャンソンとか何かですよね。

幸矢:ハイカラな人だったから、当時。あんまりいなかった、そういう音楽を取り入れてる人がいなかった、口ずさんでいる人がいなかったから。

T:小学校の時は、どんな音楽が好きだったんですか?

幸矢:プレスリーとか、そんなのかな?僕はね。

二弓:そんなに聴いてないけど、兄貴の影響で聴いてるんですよ。僕は10歳ぐらいとか、小学校高学年の時とか、そういう影響がきっと。それで聴き出したんじゃないですかね。耳に入ってきたっていう事なんですけど。

T:楽器は何かやられていたのですか?

幸矢:やってないですね。高校の時に、僕がギター弾き始めたの。親父にギター買ってもらって。その時にブラスバンドにも入って。そこから高校ぐらいからじゃないですかね、音楽っていうものに入ったのは。

T:最初、ギター持った時は、弾きたいものがあってっていう感じですか?

幸矢:よく覚えてないんですよね。ピックギターだったんですが、ジャズギターでもないし、そんなので若干のコードを覚えてやったぐらいじゃないですかね。あんまりやらなかったですよ。大学になってから、そういうクラブに入って。そこで初めてギターをちゃんと弾くようになったのかもしれない。ちゃんとっていってもコード弾くだけだったですけどね。ただそういうコードを弾いてるだけで歌ってたっていうのかな。歌の方が好きだったんだよね、結局。

T:二弓さんは?楽器的には。

二弓:楽器的には僕は中学でブラスバンドやってましたね。それで、高校に入って東京に行ったんですよ、僕。東京の高校に。文京区の。そこら辺でもう結構聞いてましたね。文化祭でサイモンとガーファンクルを高校2年の時にやりましたね。ギターですね。大して弾ける感じじゃなく、独学で。

T:お2人とも音楽以外で、何か、集中して活動していたものは、あったのですか?

幸矢:大学で音楽やって、卒業してアメリカ行って、アメリカのフォークミュージックってそういう学校みたいなところにちょっと行って。で、いろいろ影響されて、向こうの小さなライブハウス出たりとか、ニューヨークで。それで、帰ってきて始めたっていう感じですね。

T:割と音楽一本みたいな感じの。

幸矢:ほんとは、向こうで就職するつもりで。アメリカでね。そのつもりで行ったんだけど、やっぱり60年代のヒッピー文化というか、みんな勝手な事やってるし、自分でやりたい事いっぱいあるから。音楽やりたいなと思って、音楽を始めちゃったんですよね。帰ってきたら、弟とやったんだけど、やっぱり日本は音楽フィールドって芸能界のフィールドだから、なかなか音楽でやっていくっていうのは難しいような感じはしてましたね。でもやっちゃったんだけどね。

T:最初、2人で、音を奏でたっていうのは?

幸矢:彼ら(二弓)がバンドをやってたんですけど。

T:それはアメリカから帰ってきたら。

幸矢:帰ってきて、こっちで浪人中か何かにやってたから。帰って来て、そのバンドにちょっと入れてもらって、しばらくやって。

二弓:今思い出した、幸ちゃんのドラムの人も一緒だったよね。一緒に綱島に練習しに行ったね。

幸矢:でも、ちゃんとバンド持ってたから。

二弓:兄弟でやっぱりやってて。

幸矢:弟のバンドか何かに入れてもらって、遊んでるうちに、2人だけがレコード会社のオーディションに受かって、それで始めたんですけど。

T:その時の名前は、ブレッド&バターじゃない?

幸矢:バンドの名前は「グッドスウィング」で。だけど、そのバンドでは行かなくて、結局「ブレッド&バター」っていうのを後で考えついたの。

二弓:その前からそうだったと思うよ。

T:バンド名「ブレッド&バター」。どういう形で、ついたんですか。

幸矢:それは彼が。

二弓:つけたんですよ。語呂がいいなって。いろいろ探して。

T:意味合いとしては、当時どういう風に?

二弓:意味合いは、後付けでお兄さんが。

幸矢:何か「普遍的な」っていう意味があるみたいですね。知ってました? 「普遍的な」とか、サプライズした時に、驚いた時に「ブレッド&バター」っていう言い方が。だから、「普遍的」と、「驚いた」、「すばらしいもの」だとか、そういうのと両方あるみたい。それで僕らの名前が、弓矢だから、弓矢と2つで1つっていう感じで。ブレッド&バターっていうのも、パンとバターじゃなくて、バターつきパンっていうので1つの単語になっているっていう。2つで1つっていう意味がある。

T:お2人でやり始めた時、楽曲はどういう形で作っていくんですか?

幸矢:一番最初は、僕の中では「真剣にやろう」なんて思ってなかったから、1枚目は、作りたいなっていう感じ。それで、あの頃は自主製作みたいなのがあったんですよ。朝日ソノラマとかっていうので。そういうのでもいいかなと思ってたんだけど、たまたま知ってる人がいて、筒見京平さんっていう人がいて、彼の弟と友達だったんですよ。それで、「兄貴と一緒にやってみたらどうか」っていう事で、2人でやったら、「いいね」っていう事で。それで京平さんが曲を書いてくれたんですよ。その曲でデビューしたんですけどね。最初の1曲は完全に人の書いた曲を歌って。その次から自分たちの曲で始めたんですよ。最初のシングルはプロの先生たちが。

二弓:バンドはやってました。日比谷野音とか出てましたよ。

T:その時はオリジナル。

二弓:そっちはオリジナルだったですけどね。こっちはメジャーの中に入ってやってたんですよね。その抵抗と、いろいろありながら。

幸矢:音楽フィールドがないところがまだあって、音楽フィールドって芸能なところもいっぱいあったでしょう。いしだあゆみとか、ああいう人たちが歌謡曲という世界だったから。それでも少し歌謡曲っぽくないものを歌わせてもらったんだけど、だけど歌謡曲だよね。だからその反発もあって、全然違う事をやってたんですよ。「ザ・バンド」みたいな事をやってたんですよ。

T:編成はお2人以外に仲間は。

幸矢:あの時、9人だよね。

二弓:その時いた林君とか。

T:みんな歌えるみたいな感じで?

二弓:そうですよ。「クロスビースティルナッシュ」みたいにね。でも野音で石投げられた事あるしね。

T:それが70年代半ばですか?

二弓:そうですね。

T:最初のアルバムに至る経緯みたいなものというのは。

二弓:これはシロー君ですね。岸部シロー。それで始めたアルバムで。だから、ブレッドアンドバターだけでは。というか、でも筒見京平さんとやってた。鳴かず飛ばずみたいな感じで3枚、一応シングルを出して、その次どうするのかなというところで、シロー君の話がぽっと湧いてきて。それで3人でデビューする事になって、「アルバムを作ろう」という事になったんですよ。

幸矢:割とかっこいい事、やってたんだよね。

二弓:シロー君がリードボーカルっていう感じだったんですけど、曲は僕たちの曲で。一応CDになってるよな。

T:最初に上がった時の印象は?

幸矢:何か随分、今、聞いても割といいアルバムですよ。

二弓:アラカルトだよね。いろんな今、加藤和彦とか有名な人がいっぱい、当時も有名で、今も有名な人いっぱい。1曲1曲全部ミュージシャン違うとか、そういう感じでやってましたね。

幸矢:日本フィルハーモニーオーケストラとかああいうの使ってる。

T:すごいですね。

二弓:ナベプロで。そういうバックグランドで。それで作るっていう。

T:それがポリドールから出たアルバム。

幸矢:そうですね。『ムーンライト』っていうやつですね。

T:次からコロムビアに、4枚何かぽんぽんと。

幸矢:シローと1年しかやらなかったですよ。

二弓:ポリドールでシングル1枚か2枚出してるんだよね、2人で。結局戻ったっていう感じで。それでコロンビア行ったんだよね。

T:それは何か違う音楽的な展開みたいなものは。

幸矢:ポリドールっていうのは、渡辺プロ系だったような気がするんですよ、当時は。沢田研二とかショーケンとかああいう人たちが一番の頃だったし。

T:コロムビア時代の音楽と、何か変わってきたものはあったのですか?

幸矢:コロムビアの時っていうのは、、。

二弓:やっぱりちょっとバブリーだったですよね。フォークソングが世の中的にお金かけていきそうかなみたいな、僕はロンドンだったんですよ。最初のレコードは。ロンドンでお金もかけて作ったんですけどね。

T:ライブは多かったですか?

幸矢:ライブはあんまりやってないですよ。

二弓:全然。ただやってる事はやってましたよ、今と同じようには。

T:アルバムを聴いてもらうみたいな活動中心で。

二弓:そう、もっていきたかったんだけど、なかなかね。「それだけでは」って。

T:70年代後半、アルファで4枚っていう形で。70年代後半から80年代前半っていうのはどういう感じでしたか。

二弓:後半は休みになっちゃうんですよ。お店つくったり、青春真っ盛りのみたいな時代だったんですけど、それに尽くした時代。

T:お店っていうのはどんな?

二弓:茅ヶ崎でやってたんですよ。何て言うんですかね。茅ヶ崎の。

幸矢:茅ヶ崎に「カフェ・ブレッド&バター」って、自分たちの手づくりでガレージを直して、そこを手づくりで作ったお店で。そこにライブハウスを始めたんですよ。自分たちでブッキングしてやってて、4年ぐらいやってたんですけど。そこに色んな人が杏里が出たりとか、小坂忠とかムッシュとか色んな人が来て、出入りしてて、すごい大きなお屋敷だったんで、夏になるとプールもあったから遊びに来てたし、そういう湘南の小さな文化がそこで出来上がるっていう感じで。中々いいところだったね。そこで自分たちの重立った活動はもう辞めて、茅ヶ崎とか湘南だけで、サーファーとかそういう連中と一緒に組んではライブやったりしてました。お店だけでやってて。

二弓:お店やる前に、僕の友達だったんですけど、ここが空いてたんで、共同生活してたんですよ。それで浜口くんとかミュージシャンが何人かいて。その後に店をつくって。小原礼とかあそこら辺とか、みんな来てたよね。茂とか。

T:割と、生活と音楽が一体になったような環境というか?

幸矢:ヒッピーの流れみたいな、コミューンみたいな感じで、動物とか植物とみんな一緒に仲良く、一体感、一体的になって生活してたっていう、そういう事じゃないですかね。

T:で、80年代頭に、また1年に1枚ペースで出されてますが。

幸矢:これは、新たにもう1回、自分たちが新たに発行して、ユーミン何かもお店に来てたりしたので、夏のイメージというか、湘南のイメージのアルバムを4枚ぐらい続けて出してたの。

二弓:僕は結構、ぜいたくに、アルファのバブリーな頃で、YMOとかね。

T:なるほど、そうですよね。

二弓:僕たちは、おいしそうなところを、当時はそういう感じですけどね。

T:割とやりたい事が?

幸矢:ミュージシャンにも恵まれてたし。

T:80年代後半、TDK、ファンハウスあたりの頃は?

二弓:TDKが儲かってたころだよね。(笑)それも初回海外録音みたいな。

T:どの辺でやってたんですか?

二弓:それはLAですね。マイケル・マクドナルド、ああいう大物がちょっと衰退してたのかなみたいな。まだそういう残り香があって、そういうところにちょっと入った感じで。

T:音楽的には変わったところは、なかったですか?

幸矢:あんまり変わってないんじゃないですかね。若干の、こういう人とかこういう人とやりたいとか、そういう要求はして録ってたけども、別に音楽そのものは細野春臣みたいに、いろいろ器用でいろんな事が出来るタイプじゃなかったから、一貫して同じような事をやってたのかな。そこいらの歌もいまだに歌ってるし、だからあんまり時代的な流行ものとかにはあんまり行けなかったし、行かなかったし。割と湘南の音楽みたいなものに、何ていうのかな、バックにした音づくりとか、そういう感じだったんじゃないかと思いますけどね。だから、都会的なバシバシくるっていう感じではなかったし。割とラフな感じの音みたいな。

T:曲づくりはどういう形だったんですか、当時は。お2人で?

幸矢:ほとんど2人で作ってないです。1曲ぐらいしかないんじゃないですかね。世に出てるのは。

T:1つのアルバムを作る時は?

幸矢:それぞれ自分たちで曲を作って、いいものをピックアップしていくっていう。あんまりこういうものにしようとか、コンセプションとかないんで来たのが多かったから、だから非常に昔風の万葉集みたいなものをテーマに1曲入れたりとか、片や沖縄のものを入れたりとか、そんなようなとこと、それとフォークとか色んなものが入ってたんですよね。何かこういうものって自分で思ったものができたら、それを作って、それでタイトルをつけてたっていう。アルファの時だけは、そのときプロデューサーが「売り物はここだ」っていうところで、割と湘南の海っていうところに焦点を合わせたかったんじゃないですかね。

T:80年後半になってくると、バブルの時代で。

二弓:バブリーだった感じ。

T:ファンハウスになったんですよね。

二弓:ファンハウスに入った時に、結構、制作費使ってましたよ。

T:年2枚とかっていうのもありますね、後半。

幸矢:ニューヨークで3枚作ったんですよ。

T:多いですよね。

二弓:大体そのテンポで、そこら辺まで来てるんですよね。

T:この量っていうのは、結構、曲づくりが。

二弓:2人だから可能だったんですよ。1人だったらちょっと無理だったね。

幸矢:それはあるかもね。半分で済むから。

T:この頃、印象的なアルバムは?

二弓:最後の『水の記憶』ですよね。それはほんとに。当時はワールドミュージックが好きで、ワールドミュージックだったんですよ。その前にピーター・ゴールウェイっていう人と2枚作ったんですよ。やる事がないみたいな。取りあえずワールドミュージックをつくった。結局、ミックスも2回やって、上手くいかなかった。スネアを使わないように作ったんですよね。その辺すごくミックスが難しかった、当時としては。僕としては記憶に残ってますね。

幸矢:『ミッシング・リンク』っていうのが好きだったかな、僕は。

T:どんな感じのところですか?

幸矢:軽かったの、軽い感じ。

二弓:これも軽かったよ。1枚目の。

幸矢:明るい、軽い感じだったから。

二弓:ニューヨークとロスでやったんですよ。『水の記憶』だけは、ミックスまでやらなかったから、また日本帰ってきて曲を入れたり、また向こう行ってミックスやったりして。いいアルバムなんだけどな。

T:80年代後半、どういう時代でした生活的に。

幸矢:どうだろうね。生活的に? 

T:基盤は、湘南ですよね。

幸矢:そうそう。生活的には。経済的にとか?

T:いやいや。特に変わらないだろうなっていう。

二弓:特に変わらないですよ、僕たち。今でもそんなに。昔と変わってない。

T:ファンハウスが90年代に入って、92年からちょっと5年ぐらい空くんですよね。

幸矢:そうですね。

T:『軌跡のヴィーナス』あたりから。この辺というのは何か?

幸矢:ファンハウスも駄目になっちゃったんですよ。あんまり上手くいかなくなっちゃったのかな?

T:でも、ライブとかそういう活動というのは。

幸矢:あんまりやらなかったですね。

T:そうなんですか。それはなぜですか?

幸矢:そにかく、このまま続けていくかいかないかっていう状況には若干あったんで。少し衰退というか、何だろうな。情熱があんまりなかったのかも知れない。

T:ブレバタ以外の活動を始めたとか、そういう感じも?

幸矢:そういうのがあったんですよ。僕が例のOHANAとか、MANAと一緒にやって。もともと彼女も音楽をやっていた人だから、そっちの方に行ったり。彼も娘とやり出したりとか、そういう様な事がありましたし。

T:音楽的に新たな展開があったという事ですよね。

幸矢:やってた事はやってたんですね。ブレッド&バターそのものは、世の中から魅力的に感じなくなった、世の中もそうだったろうし、ニューミュージック系の人って、一時駄目になっちゃった頃。その中にやっぱり渦中にいたんじゃないですか、と思うんだけど。

T:90年代後半は、やっぱりお互いの動きみたいなものが、より形になってみたいな感じでした?

幸矢:そこら辺がね、それがずっとまだ続いてるんですよ。2人でやるよりも、彼がソロつくったし。じゃあ僕も作ろうかな?って。大昔にはあったんだけど、そこら辺の時は、まだお互いがソロでやるというだけの状況がなかった、実力がなかったというか、2人の方が全然いいに決まってるのに、ソロをやろうしたという過ちはあった時があったんですけどね。

T:今考えると、やっぱり2人でやった方がよかったと。

幸矢:うん。茅ヶ崎のお店をやってた頃に、お互いソロを出したいっていう話があったんだけど。

ニ弓:あれ出してたらどういう事になってたんだろうな。想像つかないもんな。生きてたのかな?

幸矢:でも、やっぱり出来なかったんですよ、ソロ。

T:でも、考えますよね。離れてやったらどんな音楽が出来るのかっていうのは、何となく自然な感じではありますよね。

幸矢:だけどやっぱり、ニ弓の場合、特に1人で完璧にやろうとしたところがあって、僕はプロデューサーをつけてやろうと思ったから、どういう風になったかわからないですね。1人でやってたらすごく大変だったと思うし。

T:ソロのアルバムは、それぞれどんな感じに仕上がったんですか?

ニ弓:僕のはね、ソロつくるって、友人が死んだから作ったんですよ。じゃなかったら作ってなかったですよ。たまたま彼がずっとおれに、兄貴もよく知ってる人だけど、その人が僕のソロを作れ作れって昔から言ってた人で、それでたまたま死んで、それで作ったんですよ。急激に一気に。数か月で機械を借り込んで。無理はありましたけどね、とりあえず作ったっていう感じです。ちょっと暗めです。

T:『ベアフット』というのは。イベントの名前の。

幸矢:うん。僕の曲って、自分の昔の曲から見ると、裸足っていう言葉がすごく入ってるんですよ。裸足という言葉がいっぱいあって、その『ベアフット』っていうのも始めたし、そこの場所で売れていくようなものでもいいのかなと思ってつけたのかもしれないけど、ジャケットが先にあって、裸足の黒人の女の子がかわいい絵があって、その絵をもらって、使っていいという事があって、それで『ベアフット』という名前をつけた。僕の場合は、安藤君っていう、パラシュートっていうバンド知ってます? 林立夫とか今剛とかが入ってて。その中のキーボードで安藤芳彦っていうのがいて、彼がプロデュースをやってくれて、細野君とかいろんなすごいミュージシャンが集まってくれて作ったんですよ。いいアルバムだと思うんですけどね。

T:同じ年に『BB★C』。

ニ弓:カーネーションです。Cはカーネーション。コラボレーションです。彼らがプロデュースするみたいな。

幸矢:曲は彼たちと一緒に作ったのが何曲かあるんですけど、あとは自分たちの、僕らの昔の曲を彼たちがアレンジして、プロデュースしてどうなるかなという事で。

T:セルフカバーみたいな。

幸矢:のが多いです。

T:2000年入って『HOT! CLOUD9』、これはどういうアルバムに?

幸矢:これは、割と若い人たちと一緒にコラボレートしたという感じのアルバムなんですけど、どういうんだろうね。

ニ弓:ちょっと実験的な事をやったという感じですよね。色んな人と、新たな人と色んな経験の為というか、時間も空いてた、世の中的に新たな人とやってみてどうかな?っていう挑戦アルバムかなみたいな。そういう駆け足的なアルバムです。

幸矢:実験的というのは合ってるかもわからないね。

T:実際の進行はどういう感じで進んでいったのですか?

幸矢:これはどうしたんだろうね。

ニ弓:兄貴と半分半分で、プロデュースと分けて。それぞれの曲が、それぞれがやってるっていう感じですね。だから、随分バラエティな感じがして。

T:ニューアルバム『SUMMER KNOWS』に関して、1曲ずつ聞いていきたいと思います。まず1曲目の『Leaving On A Jet Plane』。PPMのこれを取り上げた意味、この曲に関しては?

ニ弓:自分の音楽的なルーツ的な曲だったという事ですかね。コードが簡単な名曲という。その割に人があんまりやってないっていう。

T:2曲目『ピンク・シャドウ』については?

幸矢:何回も、これはセルフカバーしているんですけど、プロデューサーが「これを入れてくれよ」って。知らない人もいるだろうという事で。

ニ弓:要望にお答えして、と。

T:今回、何か改めて、違う感じで録ったのですか?

幸矢:一応4番まで詞を書いたんですけど、それもレコーディングはしてあるんですけど、使われるかどうかはわからないっていう話はしてたんですけどね。今まで3番までしか知らなかったものをもう1番入れてやってるんですけど。実際には入ってない。もしかしたらコラボレーションアルバムみたいなところに入るのかもしれないね。何か飛行機で、ANAでかかるという事で、飛行機でかかるんで、ちょっと飛行機の詞を入れてみたんです。

T:スカイオーディオっていうやつですね。

幸矢:そうですね。

T:3曲目、『In My Life』、ビートルズの。これはなぜ?

ニ弓:やってたからですね。ライブでやってたんですね。

幸矢:だから。「ビートルズの曲を入れたいね」っていう感じもあったんで、色んな曲を引き出してきたんですけど。

ニ弓:何曲かビートルズの曲は、ずっとやってるんですけど、結局この曲しか今やってないという事で、この曲が一番好きかなっていう。

T:4曲目。『Monday Morning』、これは。

幸矢:これもね、セルフカバーです。これもやっぱりプロデューサーの意向です。若干、ちょっとだけ、一、二行詞を変えたりということをやったりしたんですけどね。

T:その変えた部分というのは、何か理由があったんですか?

幸矢:いやちょっと何か、昔から変えてみたいなと。「ここのところがちょっと違うんだよな」といつも思ってたところを。作詞の先生に聞いてみたら「いいよ」っていう事で。

T:5曲目、『ざわめく海』。

ニ弓:これは聴きどころとしては、サルサのメンバーでやってるんですよ。ほとんどサルサの。リズム感が他の曲と随分違う。結構、歌いにくかったんです、大変でしたっていうよな感じですか。詞は『Monday Morning』と同じ山上(路夫)さんで、フランスの複雑な男女関係みたいな。最初はちょっとこんな事あるかな?とかいろいろ、僕の中でもいろいろ悶々としてたんですけど、フランスだったら、あるかなと。ま、いいか、映画音楽のバックっていう感じで、ちょっと歌ってみました。

T:6曲目、『風が始まる場所』。これも、新曲、書き下ろしで。

ニ弓:この曲は、ドライブミュージック、それを目指して作って。詞は、いろいろ苦労しましたけど、最終的にそういう形になって。まあまあいい方かな?と思います。自信作です。

T:歌詞はどんな感じで形に?

ニ弓:歌詞は、ほとんど手伝ってもらったというか、僕はほとんどやってないんですけど、(藤井)青銅さんという方で。初めてやったんですけど、これからも一緒にやるかなっていう感じで、結構、その人とも打ち合わせを何度もして、何とか作りました。

T:7曲目、これはカバーで『Let It Be Me』。

ニ弓:それはね、僕が好きで「いつか、やりたいな」と、自分の中でも、どういう形でやるのかわからないけど、やりたいと思ってた曲だったんで、もう1曲カバーを。最後にこれが決まった。

T:決めてとしては?

ニ弓:やっぱりね、とてもいいメロディ。それでいてあんまり人がやってないかな、カバーとしては。っていうところかな。まあ、エヴァリーブラザーズがやってる曲という事で、ハーモニーのところから。やっぱりいい曲だなと思いましたね。

T:8曲目、『Shonan Girl』。

幸矢:それもプロデューサーが、全部、カバーの曲はみんな彼に任せて。

T:選曲を?

幸矢:はい。理由としては、付け加えると、1曲というんじゃなくて、このアルバムそのものがもっともブレッド&バターらしいものとか、「ブレッド&バターはこうなんだよ」と、これから知らせる人たちにも、「こういうあれなんだ」っていう感じで、ブレッド&バターの特徴というか、そういうものでこういう曲をピックアップしてるというか、そういう感じがあるね。覚えやすい曲の1つだし。

T:続く、新曲の『Hey Lillte Girl』は?

幸矢:かせきさいだぁと一緒に詞を手伝ってもらったという感じですね。何曲か新しい曲を書いた中で、それをプロデューサーがいいんじゃないっていう事で選ばれた曲です。

T:最後の曲が『ONE』。

幸矢:それはManaと一緒に作ったんですけど、若干のメッセージを盛り込んだ曲ですね。

T:具体的には、どんな感じの事を伝えていこうと?

幸矢:「みんなすべてが1つなんだよ」っていう。「色んな所で色んな事があるけれども、みんな1つで平和に暮らそうよ」っていう。何かそういう事は時々ね。ブレッド&バターは色んな曲を入れてる。僕はそういう色んなものを入れていたりしてるんで、その内の一環ですね。これはあんまりブレッド&バターらしいという事ではないのかも知れないけども、そういうものも、ブレッド&バターなのかもしれないですね。一般にブレッド&バターらしいというのは、ハーモニーで聞きやすい、やわらかい湘南ぽいとか、海っぽいというのがそうなんですよ。逆に言うと、また全然違うものをやってるのもあるし、ちょっと歌謡っぽいもの、マイナーなものもあるし、そういうのもブレッド&バターなのかもしれないし。そっちの方の、アナザーサイド・ブレッド&バターの方の曲だと思うんですね。

T:全体を通して聞きどころみたいなものがありましたら。先程、言われた事も含めてですが。

幸矢:バラエティに富みながら、海っぽさも出て、ハーモニーもあって聴きやすい。そういうものを作るっていうのが、今回の最初の新川博とのコラボです。そういう意味で、そういうものが、ふんだんに入っていると思いますけどね。もっともブレッド&バターの事を「いいね」って言ってくれる人たちに対しては、いいんじゃないかなと。逆らってないと思う。僕はそう思いますけどね。うん。

ニ弓:何か夏に聴くには、もってこいかな?と。熱い、灼熱の中でヘッドホンか何かで聞いて、そういう意味ではさわやか入ってるかな?っていう感じ。熱いのと、さわやかと、そういう対比のところを聞くといいのかなと。そんなわかりやすいというのか、何でしょうね、どちらとも反対でよくわからないけれども。でも、僕なんかとしては、どっちかというと満足してて、20世紀になって、20世紀のブレッド&バターなのかな?と。引きずってるっていう意味がすごく入ってるんですけど、そういう意味ではその引きずりを21世紀にアピールしたかな?っていうような感じですね。

幸矢:前のアルバムとか、その前のカーネーションとヒックスビルとか、彼らとやったそっちの方は実験的な部分があったかもわからないけど、そういうのではなく、本当に「これぞ」っていう、「僕ならば」っていう、一番わかりやすいものが出来たと思います。

T:ジャケットもかっこいいですよね。

幸矢:ありがとうございます!

ニ弓:カメラマンがいいんだよ。

T:どの辺で撮った写真ですか?

ニ弓:湘南ですよね。

T:タイトルの『SUMMERKNOWS』は、お2人で?

幸矢:これも新川君が。何かあれなんですよ、これ。映画のタイトル。

ニ弓:『おもいでの夏』。

T:ああ、そうなんですね。では最後に、これからのブレッド&バターの活動で、何かやってみたいというか、変化していく部分というのは?

幸矢:アルバム作る段階に入って、もう曲出しして。来年の夏前ぐらいに。オリジナルと、もう1つはカバー。それも、いろんな人のを選んで、こんな曲を歌ったらどうか?っていうのをやってみようかなと思って。2枚作る予定です。後はそれぞれの感じで色んな事が出来れば、出来る範囲の事をやっていこうかなと。

ニ弓:レコーディングを今、宅録でやってるんですけど。今度はレコーディングをね。去年から入った、そういうのがずっと続いて、レコーディング生活もいいかなっていう感じになってきましたね。昔はよくスタジオ入ってたから、あれなんですけど、最近は結構、お任せみたいなのもあったりすると、今度は少し、じっくりっていう感じになってきましたね。頑張ります。

T:これからの活動を楽しみにしています!本日は、どうもありがとうございました!

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 ブレッド&バター・ライブインフォメーション


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『BREAD&BUTTER AUTUMN SESSION"秋味"』

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日時:9月17日(金)開場18:45/開演19:30
会場:グリーンホール相模大野・多目的ホール(042-749-2200)
   *小田急線相模大野駅北口徒歩4分
料金:¥3,800 *全席自由
ゲスト:南佳孝
問合せ:申込み:チケットMove(042-742-9999)
    ぴあ、ローソン、CNプレイガイド、イープラスでも発売中。


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BREAD&BUTTER CONCERT『SUMMER KNOWS+』
(サマーノウズ・プラス)

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〈金沢〉

日時:9月20日(月・祝)開場19:00/開演19:30
会場:もっきりや(金沢市柿木畠3-6)http://www.spacelan.ne.jp/~mokkiriya/
料金:¥4,000 (ドリンク代別、税込)*自由席、当日¥500up
出演:松原正樹(G)、南部昌江(Kyd)
問合せ:もっきりや076-231-0096 *8月7日(土)より発売開始
    FOB 076-232-2424 http://www.fobkikaku.co.jp/

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〈新潟〉

日時:9月21日(火)開場18:30/開演20:00
会場:ジョイアミーア(新潟市東堀通7番町1016-1 東堀パーク600 1F)
http://www.niigata-gioiamia.com/
料金:¥4,000(飲食代別、税込)*自由席、当日¥500up
出演:松原正樹(G)、南部昌江(Kyd)
問合せ:ジョイアミーア025-224-2588 *8月7日(土)より発売開始
    FOB 025-229-5000 http://www.fobkikaku.co.jp/

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〈長野〉

日時:9月23日(木・祝)開場18:30/開演19:30
会場:陀瑠州(だるうす)(松本市大手3-2-27 市営駐車場北棟1F)
料金:¥4,000(1ドリンク付、税込)*自由席、当日¥500up
問合せ:陀瑠州0263-35-3891 *チケットの予約、申込みは陀瑠州にて受付中
    FOB 026-227-5599 http://www.fobkikaku.co.jp/

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〈東京〉

日時:11月17日(水)開場18:30/開演19:30
会場:渋谷クラブクアトロhttp://www.net-flyer.com/
料金:指定席¥6,000 立見¥4,500(共に1ドリンク付、税込)*共に当日¥500up
問合せ:キャピタルヴィレッジ03-3478-9999(10:00〜19:00土日祝除く)
http://www.capital-village.co.jp/

*下記にて発売中
チケットぴあ0570-02-9966(Pコード177-680) ローソンチケット0570-06-3003(Lコード36617)
イープラスhttp://eee.eplus.co.jp  渋谷クラブクアトロ03-3477-8750

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〈仙台〉

日時:11月27日(土)開場17:15/開演18:00
会場:HEAVEN(仙台市青葉区国分町3-1-12 山下ビルB1F)http://www.blues-heaven.com/
料金:¥4,000 (ドリンク代別、税込)*自由席・当日¥500up
問合せ:GIP 022-222-9999 http://gip-news.jp *9月5日(日)より発売開始

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〈大阪〉

日時:12月2日(木)開場18:30/開演19:30
会場:knave(大阪市西区南堀江3-11-21 南堀江Tall Valley B1F)
    http://www.knave.co.jp/
料金:¥4,200 (ドリンク代別、税込)*整理番号順入場制・当日¥500up
問合せ:knave06-6535-0691  *9月中旬より発売開始
    夢番地086-231-3531 http://www.yumebanchi.com/

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〈名古屋〉

日時:12月3日(金)開場18:00/開演19:00
会場:TOKUZO(名古屋市千種区今池1-6-8 ブルースタービル2F)
    http://www.tokuzo.com/
料金:¥4,200 (ドリンク代別、税込)*整理番号順入場制・当日¥500up
問合せ:サンデーフォーク052-320-9100  *9月中旬より発売開始


ブレッド&バターの詳しいインフォメーション等は、
「ブレッド&バター/オフィシャルHP」(http://bread-n-butter.net/)まで。







【DISCGRAPHY】





「Moonlight」
POLYDOR (1972年)



「IMAGES」
COLUMBIA (1973年)



「Barbecue」
COLUMBIA COR-11101  (1974年)



「MAHAE」
COLUMBIA (1975年)



「LIVE」
COLUMBIA (1976年)



「Late Late Summer 」
ALFA (1979年)



「MONDAY MORNING」
ALFA (1980年)



「Pacific」
ALFA (1981年)



「BREAD & BUTTER PARTY
(ブレッド&バター・パーティー)」

ALFA (1981年)



「Night Angel 」
TDK (1982年)



「FINE LINE 」
TDK (1983年)



「Second Serenade」
FUNHOUSE FHCF-8017 (1984年)




「REMEMBER MY LOVE 」
FUNHOUSE (1986年)




「MIRACLE TOUCH 」
FUNHOUSE (1986年)




「或る夜の出来事」
FUNHOUSE 32FD-1060 (1987年)



「MISSING LINK」
FUNHOUSE 00FD-7114 (1989年)



「リミックスベスト マリエ」
FUNHOUSE FHCF-1002 (1989年)



「水の記憶」
FUNHOUSE FHCF-1129 (1991年)



「ベスト'92〜奇跡のヴィーナス」
FUNHOUSE FHCF-2028 (1992年)



「アライヴ〜1969-1996フットプリント」
FUNHOUSE FHCF-2307 (1996年)



「二弓(Fuyumi)」
[二弓ソロ]  
KAIGAN KGCP-5 (1997年)



「BAREFOOT」
[幸矢ソロ] DOLCE MUSIC DL-1001
 (1998年)



「BB★C」
ALFA (1998年)



「HOT! CLOUD 9 (ホット! クラウド・ナイン)」
WPC7-10105
(ワーナーミュージック・ジャパン)
 (2001年)



「SUMMER KNOWS」
aosis records / Victor Entertainment, Inc
 (2004年)

 

 

 

 




























































































































































































































































































































































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